幸せな結末60
和君 7/15(水) 07:15:08 No.20090715071508 削除
会社に寄り、書類を持って家に帰る。
玄関に男物の靴があった。
居間の戸を開けると、清水は慌てて、加奈から離れた。
「清水君、非常識だろう。女性一人の所へ上がりこむなんて
まして君たちは不倫関係にあるのだから」
「加奈さんが来いって言ったから」
唇を震わせて睨んでいます。
私は、笑いをこらえながら聞いた。
「加奈、何故清水君を呼んだんだ。呼ぶ理由は何も無いだろう。
どうして、加奈一人の部屋に入れるんだ。今日は帰って貰いなさい」
「和君、ごめんなさい。私が悪かったです。
でも、昨日の不備の件、ゆうチャンにも知ってもらいたいと思って」
「会社へ尋ねてくれば済むことだろう。それを自宅まで押しかけて来るなんて。
もっとも、清水君が土下座をして、教えて欲しいとか
加奈との関係を解消しに来たというなら別だが」
清水は、頭に血が上ってまくし立ててきた。
「この計画が失敗したら全員損害を被るじゃないですか。
何故、僕一人が悪者になるのですか?
僕が加奈さんを好きなのが面白くないからですか」
私は呆れて物も言えず、清水を見ていた。
黙っている私を見て、更にまくし立てた。
「大体ね、あなたみたいな無能な人間が、加奈さんを幸せになんか出来ないです」
私はチラッと加奈を見た。じっと加奈は俯いていた。
「加奈さんだって、僕とずっといたい。二人でいると幸せだって。
僕もずうっとそう思っていたんです」
「私は加奈を幸せにする自身があります。邪魔な貴方にとって身を引くのが一番良い選択です」
「会社を辞めたって、どこに行っても、加奈を不幸にはしません。
貴方とは違います。離婚してください」
「ゆうチャン、やめてお願い。今ならまだやり直せるから。和君と争わないで」
ゆうチャンか、嗚呼私は何と言えばいいのか、言葉を捜しています。
清水にビンタの二・三発でも食らわせば良いのならそうしますが
まだ手の内の一部も見せていない。
加奈は、それを知っていますから、穏便に解決を図ろうとしているのです。
「加奈さん、何でこんな男を庇うのですか?
会社でも取引先でも、昼行灯・ナマケモノで評判じゃないですか」
「こんな男将来性ゼロです。いずれ会社を首になります。
うちの社長にだって、ゴマすって取り入っただけです」
「加奈さん目を覚ましてください。僕たちには、この男は邪魔なだけです。
加奈さんから必要ないと言ってやってください」
そろそろ反撃せねば・・・・・嗚呼億劫だな
嫌だな、争いたくないな・・・・
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