幸せな結末79
和君 8/3(月) 21:49:54 No.20090803214954 削除
解れてからも、加奈とのメールと電話の遣り取りはあった。
私は、毎日の様にメールを打ち続けた。
お互いに嫌いで解れた訳では無い。二人ともその点は充分に認識をしていた。
だからこそ、繋がっていたい。繋がる物が欲しかったのです。
これが加奈と私を繋ぐ細い一本の糸であった。
切れない限り、加奈との関係が無くなることは無いと私は信じていた。
四月に入った頃から、加奈からの電話の回数が徐々に減り、メールも少なくなっていった。
G.Wの時には、電話は着信拒否、メールもこなくなっていた。
居ても断っても溜まらず、お袋に電話を掛けた。
加奈が電話にもメールにも出ない旨を話すと、元気で遣ってるとしか言わない。
挙句のはてに、解れたんだから・・・。
加奈の会社に社長に聞いても同様の答えである。
何かを隠している。私は直感的にそう判断をしました。
私は物凄く心配になった。具合が悪いのだろうか・・・・・
土・日だと家から出てこない可能性があるので、金曜日の晩、帰宅時を狙って待っていた。
マンションの前で待っていると、夜目にもわかる。颯爽と加奈が歩いてきた。
私の姿を見ても驚く様子も無い。
「和君、やっぱり来たんだ。予想より早かったな。根性なし」
「予想って?」
「一家で賭けたの、晩御飯。
御母さんは、G,W明け、根性なしだからそれくらいだろうって。
私はお盆休み。娘は和君は男だから意地でも来ないって。
娘の期待を裏切る駄目父ね」
「あッ、御母さん、根性なしの和君、今下に来てます。
今日、一緒に過ごして、明日帰します」
私の腕に、腕を絡めてきます。
「今日は一緒に居てあげるけど、明日はちゃんと帰るんだよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ホテルの部屋に入ると、加奈は釘をさしてきました。
「美千代さん、和君こっちに来た事知ってるの?
自分のしたことがどんな意味を持っているか解る。
美千代さんが知ったら悲しむよ。今が大事な時でしょ」
「私の心配なんかしないで、自分のすべきことだけして頂戴。
私だって、今泣きたくて大変なんだから」
この時は、別に気にもしていませんでしたが、
本当の意味を知るのは五年後の事です。
「始まったばかりの仕事、投げてきてどうするの?
社長から、完全に軌道に乗るまで、四五年掛かるって、
私に会いたいなら、仕事を完全にしてから来て、解った」
「和君ならきっと仕事をやり遂げる。そう信じてるから、頑張ってね」
加奈に言われると何となく遣れそうな気がしてくる。
本当はあまり乗り気でないのだが。
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