脅迫された妻4.
正隆 8/23(土) 13:50:28 No.20080823135028 削除
「由理さん、悪戯メールではないことが分かったかな。念のため真夜中に写真を送る。私を信用する気になると思う。Xより」
その翌日、由理は恐る恐るパソコンを開き、写真を添付したメールをクリックして添付写真を開いてみた。「エッ~~どうして~~~どうしてこの写真を持ってるの?」由理は悲鳴を上げ顔色を失っていった。身体を震わせている。
この写真は黒田だけが持っていたものである。しかもあの時目の前で確かに処分してくれた。そしてロンドンへ赴任し、今もロンドンにいる。しかしメールを差し出したのは日本だ。由理の頭の中は再び混乱し真っ白になった。
「あっ、デジタルカメラの記録媒体?」由理はすぐに記録媒体を処分したところを見ていないことに気がついた。黒田さんは写真を処分したけど、由理は記録媒体を処分したところを確認していないことに気がついたのである。
迂闊だった。私(由理)の秘密を写した写真の記録媒体は今どこにあるのだろう。黒田さんから誰かの手に渡ったのか?その人が私(由理)にメールを送っているのかしら?誰なの? 由理は身体が震える恐怖におののいている。
次の日、また写真を添付したメールが届いていた。写真を開いてみた。「あっ~~」由理は小さな悲鳴を上げた。由理の最も恐れていた写真が送られてきたのである。もう信用するしかないと由理は観念した。
メールには次の文章が書かれていた。
「由理さん、これで信用してくれたかな?これらの写真を旦那や旦那の会社、近所の住民、あなたの郷里の両親や村の人に配りましょうか?私の命令に絶対服従するか否かのご返事を明朝10時までに送られたし。Xより」
こんな写真をばらまかれたら身の破滅である。由理には絶対服従する以外に選択肢はないと思った。そして誰とも分からない差出人に「絶対服従いたします。」との返事を送り返したのである。由理の目には悔し涙が溢れている。
30分ほどして折り返し下記のようなメールが送られてきた。
「由理さん、信用していただきありがとう。今後の連絡は携帯からしますので、あなたの携帯番号を折り返し連絡ください。Xより」
由理は抵抗せず言われるままに携帯の電話番号を折り返し送った。後で分かったことだが、既にメールの差出人は由理の携帯電話番号を知っていた。由理が従順に従うかどうかテストされていたのである。
携帯番号を送る際目的は何ですか?なぜ私の秘密を知っているのですか?などいくつかの質問を併せて送ってみた。
由理の携帯が鳴った。「もしもし、小松由理です。はい、そうです。エッ~~は~はい、分かりました。伺います。地図は必要ありません、分かります。」由理が携帯電話の主にそう答えて切った。質問は一切無視されている。でも文句を言える立場にない。
その日から由理は土日を除き頻繁に外出するようになる。外出すると、午後1時頃車で出掛け夕方4時半頃に買い物を済ませて帰ってくる。どこに出掛けるのか定かではなかった。
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