脅迫された妻 6.
正隆 8/24(日) 12:49:13 No.20080824124913 削除
この土日に私は妻の隙を見てパソコン、携帯メールを調べることにした。
わが家に戻ると、妻は「駅前のスーパーマーケットに買い物に行ってきますので、お留守番お願いできますか?」と私に頼んできた。
「ああ、いいよ。行ってらっしゃい。」そう言うと妻は車で買い物に出掛けていった。
私は妻のパソコンを調べることにした。妻は携帯を持って買い物に出たので携帯のチェックは今回はできそうにない。わが家には妻用と私用の2台のノートパソコンがあり、普段は妻のパソコンを見ることはない。妻用は私のお古である。
パソコンに電源を入れて開いた。パスワードは設定していないようだ。先ずメールを開いてみた。消去してあるのか特に変わったメールは見あたらない。
マイドキュメントのファイルを順番に開いていった。ピクチャファイルの中にタイトルがXという変なファイルを見つけた。私は興味本位で何だこのファイルはと思いながらクリックしてみた。
「アッ~~」私は保存されていた写真を見て思わず絶句した。1枚は由理が立って誓約書と書かれたA4の用紙を掲げている写真だ。そこには「もう二度と万引きをしないことを誓約いたします。遠藤由理」と書かれていた。
遠藤とは妻の旧姓である。写真はまだ若い頃の写真である。もう1枚の写真は全裸の妻を犯している写真であった。これには私は目を背けた。妻は泣き叫んでいる様子で、いわゆるハメ撮りと言われる写真であった。
恐らく結婚前のこれらの写真をネタに脅されているのだろうと私は推理した。これで妻の身に異変が起きていることを私は確信した。妻が藻掻いているのなら、助けたい、助けてあげたいと私は心の中で叫んだ。
次に携帯電話をと思ったが、妻がいるときは見るわけにはいかない。夜、妻がシャワーを浴びるため浴室へ向かった。それを見て妻の携帯をチェックしてみた。消去しているのかめぼしいメールはなかった。いくつか見知らぬ人のアドレスが登録してあったが、特に疑わしいと思われることは何もないようだ。
私は午前中に訪問した興信所の知人に電話をして、追加情報としてパソコンから見つかった写真のことを話した。
「分かりました。念のため私の方にメールで送って下さい。本件につき所長と相談したところ、3人でチームを組み事前調査をすませて来週月曜日からすぐ行動しなさいとの指示でした。」
「何卒お願いいたします。」そう言って私は電話を切った。
私は平静を装って妻と接しているが内心は穏やかではない。翌日の日曜日には妻と一緒にドライブし、楽しい一時を過ごしたが、苦悩しているのなら私に相談してくれと心の中で呟いた。
その夜、「お盆に郷里に帰っても良いですか?できたらあなたと一緒に帰りたいのですが?今年は帰らないつもりだったのですが急に帰省したくなって………」と妻が私に聞いてきた。
「いいよ。お父さん、お母さんも喜ぶだろう。私は仕事で行けるかどうか分からないけど、できるだけ行くようにする。来週ハッキリさせるわ。」私はカレンダーを見ながら言った。
「この時期に村祭りが盛大に開かれます。村の出身者はこの時期に里帰りするのが恒例になっているのです。あなたの都合が分かり次第切符を手配します。」と妻が追加説明した。
「そうしなさい。」私はそう妻に返事をしたが、妻は苦悩から逃れたくて帰省するんだなと思った。必ず助けてあげるからもう暫く堪えてくれと私は心の中で妻を励ました。
妻の田舎は新幹線から在来線に乗り換えおよそ2時間半の道のりである。三方を山に囲まれ、一方は海に面した地形で、農業と漁業が盛んな村と聞いている。人口は約4500人だが、お盆の時期になると8000人程度に膨れあがるという。
江戸時代に干ばつで年貢が払えなくて夜逃げしてきたお百姓さん達が切り開いた村だったという。山に遮られ行き来の困難な村であったが、代々の庄屋(村長)を中心に村人が協力しながら切り開き、相互扶助精神の旺盛な村ができあがったと聞いている。
村のお年寄りの話によると、性にも開放的で、村人以外の人が訪れた時には、その家の妻または娘が夜とぎをして歓迎したという。新たな血を導入する意図からそれが習慣となっていったのである。
また、村祭りの時は気に入った人妻を抱いて良いことになっていた。もっとも抱いた場合には、後日自分の妻を相手の亭主に提供するのが掟であった。男と交われば子はできる。それゆえ奥さんが産んだ子供は、疑わしくてもその旦那が父親という掟が生まれた。掟を破れば村八分にされた。
また未亡人のもとに村人が夜這いするのが慣習となっていた。未亡人は性欲を満足させられるし、夜這いした者が農作業を手伝ってくれるから夜這いを慣習として受け入れるようになった。未亡人から子供が生まれたら村の子どもとして村が責任を持って育ててきた、と言われる。
もちろん私には本当の話なのかどうか、真偽のほどは分かりません。今はそんな掟も慣習もなく、相互扶助精神だけが脈々と息づいていると聞きます。
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