脅迫された妻 14.
正隆 8/30(土) 18:12:13 No.20080830181213 削除
私(正隆)は報告書を読み終え、由理を問い詰めることは簡単にできる。それより本件が起きる契機になった由理の過去が記録されているメモリーカードを平和裡に取り返し、二度と起きないよう消去すべきであると考えました。
そこで私は佐伯健二の住まいの大家さんに電話を入れ、ご相談したいことがあり、会って貰えないかどうかを電話で打診しました。お宅のアパートに住むある人がうちの妻と不倫関係にあって困っており、是非ご相談したいと私は嘘を言いました。
「それはお困りですね。私はいつでもいますのでどうぞ。」と大家さんは言ってくれた。
「それでは1時間半後に伺います。」と言って私は電話を切った。佐伯の住まいまで恐らく1時間くらい掛かる。
そこで 私は由理に電話をして急用が入ったので、少し帰りが遅くなると電話した。社にはお得意先回りと断って早めに出た。8月20日月曜日の暑い日であった。
私は電車で移動し、午後4時頃大家さんの家に着き、玄関のベルを鳴らした。中から70歳くらいのご婦人が出てきた。この大家さんは数年前に伴侶に死なれ、いまはアパートの家賃収入と若干の遺族年金で食べているとのことであった。
「奥さんが浮気しているとの話じゃったが、相手はうちのアパートの人か?」
「はい、佐伯健二という人です。留守の時にどうしても家内がここにいたという証拠を見つけたいんです。ほんの10分ほどでいいんですが、部屋に入らせて貰えませんか?」私は大家さんの質問にそう答えた。
「捜査令状を持った警察ならともかく、いくら大家でもそれはできません。うちの死んだ亭主も浮気で私を困らせたもんだから、あなたのお気持ちはよく分かります。管理人のところへ行って相談してください。」と言ってアパートに連れて行ってくれた。
鉄筋4階建ての2DK中心の世帯用のアパートであった。趣旨を説明し、用意した心づけを手渡しながら繰り返し管理人にお願いした。「佐伯健二さんのところに若い女性が来るが、その人があなたの奥さんなのか私には分かりません。」管理人が説明してくれた。私は、それは多分真希だなと思った。
いろいろ話をしながら交渉したところ、「私の留守中に鍵を盗られたのならどうしようもないけどね。」管理人は席を外したスキに盗っていけと暗に示唆したのである。知らないうちに鍵を持っていったとすれば、盗った私に責任があるわけだ。
管理責任があるが、この点は大家さんも了解済みなので、大家さんにも責任があることになる。管理人さんはだから自分の責任は軽いと強調したいのだろう。
話し合いがすみ大家さんは「私はこれで帰るが、せいぜい奥さんに浮気されないよう気をつけることだな。」と言って帰っていった。管理人は「これは滅多に使わないが、非常用として合い鍵を持っている」と教えてくれた。
間もなく管理人がトイレに行った隙に、その鍵を取って201号室に向かった。管理人さんの説明では、今日は月曜日なので、佐伯の帰りは午後9時頃になるという話だった。
佐伯の部屋に入った。真希がこの部屋に入ってくるのか、部屋は良く片付けられていた。奥の洋間にある机を見つけ、2番目の引き出しを開けようとしたが、鍵が掛かっていて開かない。机の上をみると、プラスチック・ケースがあり、中に鍵が3本ほど置いてある。
3番目の鍵でようやくお目当ての引き出しを開けることに成功した。中は雑然としているが、由理の名前の封筒を見つけた。その封筒の中にメモリーカードが入っている。
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