愚か者 8/1(火) 02:22:39 No.20060801022239
電話を切った私は、今度はポケットから携帯電話を出すと自宅に電話を入れました。
呼び出し音が数回続きやっと妻が電話に出ました。
「もしもし、阿部です。」
「僕だ。」
「あぁ、貴方どうしたの。」
「今日は、珍しく身体の調子が悪い。」
「どうしたの、大丈夫。」
「大した事は無い、風邪でも引いたかな。」
「身体、気を付けてね。」
「大丈夫だよ、今日は休みを取ったから。」
「そう・・・」
「ところで、夕方お客さんが来るのを言い忘れていた。」
「お客さん?」
「仕事のお客だから、断れなかったんだ。」
「解りました。」
「詳しいことは、返ってから話すよ。」
妻との話を終えると、自宅に急いで返りました。
自宅に戻った私は、直ぐに書斎に入り素早く着替えると、リビングに
行きました。
リビングに居た妻が、私の帰宅に気付くとすばやく駆け寄って来て、
私の額に手をあてます。
「熱は無さそうね。」
「大した事は無いよ。」
「ならいいけど。」
「お医者さんは。」
「一晩寝れば直るよ。」
「ところでね、私の携帯見なかった。」
「知らないな。」
「何処行ったんだろう?」
「良く探したのか。」
「無いのよ。」
ある訳が無いのです。
妻の携帯電話は私が持っているのです。
夕方来るであろう桜井と妻が連絡を取る事を避ける為、私が朝隠し持って
出たのですから。
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