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[905] 贖罪01 投稿者:逆瀬川健一 投稿日:2001/07/04(Wed) 22:27

 はじめまして。逆瀬川健一と申します。数週間前にこのサイトを発見したときの衝撃と安堵感は言葉では言い表せません。
 妻と私を襲った三年来のトラブルに気持の面で折り合いのつかぬ日々を送っているときに、このサイトにめぐり会いました。みなさんの赤裸々な告白を読ませていただくうちに、胸のわだかまりが薄らいでゆくのを感じました。トラブルの経過と夫婦の心情を文章にすることによって、心と感情が落ち着くような気がしましたので、ここに書き込みさせていただきます。
 自己憐憫や自己満足に陥らないように心がけるつもりですが、利用者のみなさんのお邪魔になるようでしたらご指摘ください。すぐに削除させていただきます。

【#01 発端】
 三年前、妻の口から“SOHO”という言葉を聞いたときには、てっきりニューヨークにある芸術家の街のことかだとばかり思った。十一年前、新婚旅行で訪れたことがあったからだ。中堅の広告代理店の営業部に勤務する私には、芸術家の街など、どこか浮世離れしたものに見え、羨望と反感という奇妙な感情にとらわれたことを思い出す。
 だが、妻の言うSOHOとは、コンピュータネットによって可能になった新しい勤務形態のことだった。結婚するまではバリバリの営業ウーマンであった妻にとって、子どももいない専業主婦の生活は退屈だったのだろう。私も、インターネットによる情報収集の必要性を感じ、得意先の家電量販店からデスクトップコンピュータを二台購入した。
 妻がSOHOの可能性を知ったのは、地域のタウンペーパーの特集記事によってであった。私鉄沿線に住む主婦たちが独自にネットワークを作り、SOHOを始めたのだそうだ。プロバイダにサインアップした翌日、妻はその主婦サークルに連絡を取り、面談に行った。
 今から思えば、その日が妻と私の地獄の始まりだったのだ。
 営業以外の特殊技能を持たない妻の前途を私は危うんだが、主婦サークルの中にもそのような女性がいて、多忙を極めているという。
「八年のブランクがあるけど、営業の基本に変わりはないと思うの」
 妻は私の疑念をあっさりと否定した。
「現に、Tさんなんて営業の経験はまったくないんだって。私が仲間になれば鬼に金棒って言ってくれたわ」
 Tさんというのは、SOHO主婦サークルの中でも独自にe-コマースに取り組み、月間数十万円の利益を上げている女性だそうだ。まだ三十になったばかりだという。
「補正下着を売ってるんだけど、倍々ゲームで売上が伸びてるらしいの。昔は訪問販売しか手はなかったけど、ネットのおかげで全国展開できるようになったって」
「物販は難しいんじゃないのか。広告代理店とはわけがちがうぞ」
 私は釘を刺したつもりだったが、妻は挑発と受け取ったようだった。
「だからこそやり甲斐があるんじゃない。働けば働いただけ収入があるし。私は自分の伎倆を試してみる」
 勝ち気な営業ウーマンであった頃の表情に戻って、そう言った。
「家庭を犠牲にすることは決してないから。まあ、見ててちょうだい」
 もし、家庭に入らなければ部下を率いていたであろう妻の実力を認めるにはやぶさかではない。だが、物販とはずいぶん思い切ったことを……。
 それから一週間は平穏に過ぎた。
 専用ソフトのインストール、データのコピーなど、妻は自力でなんとかやりおおせたようだった。
 だが、二週間以降、私たち夫婦のライフスタイルが急速に変化しはじめていった。
 広告代理店営業部課長である私の帰宅時間は遅くなりがちだが、出張の前日などは早めに帰ることにしていた。
 その日、午後八時に帰宅した私を待っていたのは、スモールランプだけが灯された薄暗いリビングだった。
 もちろん、夕食の準備もされてはいなかった。
 事業開始の前後は雑事に振り回されがちだということはわかる。それに、明日からの出張は急に決まったことであり、妻には伝えてはいなかった。
 梅雨独得の重たい湿気をエアコンで追い払い、シャワーを浴びた。冷蔵庫から缶ビールを取り出して書斎に向かいながら、ふと、妻のコンピュータのことを思い出した。
 電源を入れ、OSが立ち上がるまでの間、ビールを呷った。
 妻のプライバシーに干渉するつもりはなかった。ただ、管理職の悪い癖で、業務の進捗状況を見てみたかったのだ。そして、Tという女がどのような指示を出しているかということにも興味があった。
 メールソフトを開いた。
 膨大な数のメールが受信済みフォルダに入っていた。
 その内容は、明らかに普通の業務指示ではなかった。
“努力”“前進”“自分を信じること”“商品を信じること”“レベルを上げることが最優先課題”“頑張れ! 頑張れ!”
 そんな空疎な言葉が目についた。
 妻の送信済みメールも読んでみた。
“頑張る!”“前進あるのみ”“商品は世界一”
 やはり虚しい言葉の羅列。私は愕然とした。これはまっとうなビジネスではない。私は、新しいメールが来てはいないか確かめるため、ダイヤルアップしてみた。
 新着メールが一通あった。
 Tからのものだった。
*******************************
お帰りなさい。今夜はご苦労様でした。
さっき、Fさんから報告を受けました。
とても満足されているご様子よ。
「天国のようだった」って(*^_^*)。
このぶんなら、目標より早くレベルアップできるかも。
私も、あなたくらい魅力があれば苦労しなくてもすんだのにね。
いちばんのネックは夫バレだから、十分気をつけて、
おやすみなさい。
*******************************
 この文面からは、いろんなことが推測できた。だが、いずれにせよ、それは憶測の域を出ない。「天国のようだった」というのは、商売仲間の符丁かもしれない。「あなたくらいの魅力があれば苦労しなくても」というのは、いったいどういうことなのだ? そして、「夫バレ」とは……まるで風俗嬢のような物言いではないか。
 混乱する頭で、なんとかメールを未開封の状態に戻してコンピュータからログオフして電源を落とした。
 それから一時間もしないうちに妻が帰ってきた。
 講習会が長引いたからと言っていたが、抱き寄せると、汗の匂いに混じってかすかに石鹸が香った。
 私はリビングのソファで雑誌を読むふりをしながら、妻の動きを目で追った。
 いつもと変わりはないように見えた。気怠げな雰囲気があるような気がしたが、この暑さのせいとも、研修の疲れのせいとも見えなくもない。
 妻が浴室に消えると同時に、私は洗濯機の蓋を開けた。
 パンティストッキング、ブラジャー、スリップ、ハンカチがひとかたまりとなって、私の下着の上にあった。
 ――ショーツはどこにあるのだ?
 私は妻の下着を取り上げて確認した。やはりショーツはない。
 ショーツをはかずに帰ってきたのだろうか。それとも、浴室で洗濯しているのだろうか。すりガラス越しに蠢く妻のシルエットを見る限り、そんな様子はない。
 私の頭はさらに混乱した。明日から三日、関東の得意先回りをしなくてはならない。このような疑念を抱きながら、まともに仕事ができるのだろうか。
 どうせ移動時間は長い。この疑念に対する可能性をじっくり考えるのにちょうどよい。私は、自分に都合のよいように考えながら、リビングに戻った。

 長々と書いてしまい、申し訳ありません。当時の自分の愚かさや事なかれ主義がよく見えてきました。これでは、妻ばかりを責めることはできません。
 次に私を見舞った衝撃を克明に書くことに非常に抵抗がありますが、匿名ということに甘えて、続けさせていただきます。何度も申し上げますが、迷惑でしたら遠慮なくおっしゃってください。
 では、また後日。


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