管理人から

管理人

Author:管理人
管理人がおすすめするカテゴリに★印をつけました。



アダルトグッズのNLS








最新記事


カテゴリ

北原夏美 四十路 初裏無修正

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[935] 贖罪04 投稿者:逆瀬川健一 投稿日:2001/07/14(Sat) 21:08

【#04 馴致】
 朝の青白い光が差し込む書斎に、マウスの乾いた音が響いた。
〈五点目〉ベッドの上の妻は全裸に剥かれ、仰向けにされていた。両手を頭上に引き上げられ、二の腕はロープで固定されている。手首をまとめたロープはヘッドボードの上部の壁のブラケットの支柱に留められていた。両脚は、四点目の写真と同じようにロープの張力で強引に割り広げられていた。妻の顔は屈辱感に歪み、頬は膨らんでいる。よく見ると、口の端からグレーの布きれがはみ出していた。ショーツだ。今まで履いていた下着を猿轡代わりに頬張らされているのだ。涙でアイラインが流れ、妻の目尻に黒い筋を描いていた。極度の緊張のために、両の乳首が完全に尖っていた。
(強姦……なのか?)
 私は、食い入るように画面を見つめた。SMという特殊な趣味を持つ人々がいることは知っていたが、その実際に関する知識はまるでなかった。だから、どこまでがプレイかどうかは判然としない。妻の表情はプレイを盛り上げる演技なのかもしれない。
〈六点目〉泣き濡れた妻の顔のアップ。眉間に皺を寄せ、頬に押しつけられた男根から逃れようとしている。軸の部分の直径が五センチを超える勃起に添えられた男の指には、太い指輪が光っていた。左の手首にはロレックス。
〈七点目〉妻の局部。肉芽に卵型の性具が当てられている。その下には、四枚の花弁を割って男根状の黒い淫具が半ばまで挿入されていた。花弁は膨らみきってほころび、透明な蜜と白い粘液にまみれている。
〈八点目〉男性器と女性器の結合ショット。肉の隘路を自らの容積と固さで押し広げ、勃起の根本まで打ち込まれている。激しい抽挿のせいで花蜜が泡立ち、クリームを塗りつけたような惨状を呈している。
〈九点目〉Fの男根のクローズアップ。亀頭のてかり、軸を這う血管、雁首のくびれに溜まる白い花蜜を質感たっぷりに捉えている。眺めているだけで、生臭ささが匂ってきそうだ。戦果をレンズに向かって披露するFの得意げな表情が浮かぶ。
〈十点目〉妻の顔。もう泣いてはいない。屈辱感に貌を歪ませてもいない。焦点の合わぬ眼をレンズに向けている。すっきりと伸びた鼻筋から片頬にかけて、白濁した粘液がこびりついている。口紅が半ばほど落ちてしまった唇にあてがった男根が、残液を吐き出していた。
 無惨な光景だったが、やはり、これはプレイなのだ。ついさっきまで泣いていた妻が、これほどまで陶然とした表情を浮かべるものだろうか。下半身を強ばらせながらも、私の心は重いもので満たされていた。
 溜息をつこうとしたそのとき、写真に写り込んだサイドテーブルの時計に気がついた。ピンぼけだが、長針と短針の角度はわかる。
 二点目から確認をしていった。時計が写っているものは四点あった。
 三点目――三時。
 四点目――三時十分。
 五点目――三時三十分。
 十点目――八時二十分。
(冗談やろ! 五時間やで)
 私は呆気にとられ、もう一度、確認した。妻が全裸にされてから約五時間。淫具で責められはじめたのは、その直後か……?
 五時間にわたって性感を刺激し続けられたら、始まりは強姦であっても、最終的には快楽の高みに押し上げられるのではないだろうか。
 固く閉じられた女陰の合わせ目を熱い唾液で溶かされ、機械の淫らな振動で肉芽を揺すぶられるうちに、体は心を裏切りはじめる。そこに張形を押し込まれてはひとたまりもないだろう。乳首への刺激と相まって、下半身の疼きは急速に高まってゆく。すでに花蜜はおびただしい分泌量となり会陰からアヌスまでぬめ光らせているにちがいない。機械の無機質な振動とシリコンの質感に、やがて妻は物足りなくなる。その瞬間を狙って口元に男根があてがわれる。本物の快楽を与えてくれる肉棒。オーガズムへのパスポート。妻の理性ははじけ飛び、重たげに揺れる男根に自ら唇を近づけてゆく。Fに命じられるままに性器の俗称を口走り、腰をせり上げて挿入を請う。
 あり得るだろう。一種の性的拷問に妻は屈したのかもしれない。
 私は三枚目のフロッピーディスクを挿入した。

*****************************
もう、私無しではいられないのがよくわかったでしょう? F
*****************************

 相変わらず素っ気ない文面だ。日付は昨日の午後六時。私が帰宅する五時間ほど前に送信されたものだ。それが削除済みアイテムにあるということが、妻が頻繁にメールチェックを行っていることを示している。
 このメールには、画像ファイルが六点、添付されていた。
 妻とFの初めての交わりを記録した映像ほどのインパクトはなかった。俗に“ハメ撮り”というやつだ。しかし、醜い交合が行われてる場を確認したとき、私は激しい脱力感とやりきれなさに見舞われた。それは、今、妻が穏やかな寝息を立てている寝室だったのだ。
 見慣れた家具、インテリア、そして寝具……。私と妻が入ることだけが許される空間に、かつてFの体臭や声が満ちたのだ。写真の一枚に写り込んだ掛け時計は六時すぎを示している。カーテンを開けっ放しにした窓から風景が見える。影の向きから、それが朝であることがわかった。ちょうど二十四時間前だ。
 私の留守をいいことに、Fは一泊したのだ。
 ――もう、私無しではいられないのがよくわかったでしょう?
 Fの自信たっぷりのメッセージが、真実味を帯びて私の胸に突き刺さった。
 妻は、マネージャー昇格という餌に釣られ、Fの男根と性技の罠にかかってしまったのか。
 私は、妻との交わりの回数をもっと増やすべきだったと悔やんだ。性的な欲求不満を、新事業でまぎらわせようとしたのかもしれない。もし、そうであったなら、原因は私にあることになる。夫婦のトラブルは、妻か夫かどちらか片方が引き起こしたものにせよ、その責任は双方で負わねばならないのだ。
 Fに飼い慣らされつつある妻が不憫でならなかった。同時に、妻の性感がどのように開発されてゆくのかということに一抹の興味があったことは確かだ。
 フロッピーディスクの中身をハードディスクに移し替えて作業を終了した。
 窓を開けると蝉の声が飛び込んできた。
 私に睡魔が訪れる気配はなかった。

  本日は公休日のため、文章書きに専念することができました。当時の状況を冷静に思い出しながら文章にしてゆくうちに、いろいろなことが見えてきました。愚かなほどの楽観主義。妻の性感がどう変わるかなどと考える無責任さ。自己嫌悪に陥りそうになります。
 泣き言はここまで。続きは、また後日。よい週末をお過ごしください。

コメント

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)


 | ホーム | 


  1. 無料アクセス解析