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北原夏美 四十路 初裏無修正

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[864] 品評会20 投稿者:ミチル 投稿日:2003/01/07(Tue) 23:46

夜が明けた。結局一睡もできなかった。起きあがり布団の上に胡座をかいた。
「ついにこの日が来てしまったか・・・」
隣で詩織を抱くようにして眠る響子を見やった。手を伸ばし髪を撫で、背中に指を這わせる。
「いったい、どんなことをされたんだい・・・。どこをどんな風に攻められたんだい・・・。どんな過激なポーズをとらされながら、どんな卑猥な言葉を叫けばされたんだい・・・。なあ響子・・・」
指先が腰から臀部にさしかかったとき、突然響子がこちらに寝返りを打ち、ゆっくりと目を開けた。
「ごめん、起こしちゃったか・・・」
「ううん」まどろみの中、口端に僅かな笑みを浮かべながら、軽くかぶりを振ると、
「早いのね・・・。えっ、それともまた眠れなかったの?」と起き抜けのかすれた声で言った。
「ん・・・ああ、まあね。おまえはどうだい?」
「うん大丈夫。ごめんね、心配かけちゃって・・・」
「ああ・・・」
「今日はジム行くんでしょ」
そう訊かれただけで、首の後ろがカッと熱くなった。
「遅くなるの?」
“それはおれが聞きたいよ響子”
「うん、帰りに一杯やろうって誘われててね」
「そう。車なんだから、あんまり飲みすぎないでね」
「ああ、わかった」
それから、夕方の待ち合わせの時刻までの果てしなく長い時間を、ようやくの思いで過ごし、激しい不安と期待を胸に家を出た。


クラブのロビーに着くと、新見が一人、ソファに座ってタバコを吹かしていた。
「おお、主役の登場ですね」腰をあげ、タバコをもみ消しながら新見が言った。
「やあ、しばらく」
「いよいよですね高梨さん。どんな心境ですか?今」
「いやあ、心境もなにも・・・。頭は変な充血感があるし、口は苦いし、腹の中なんだか捩れちゃってるみたいでさぁ、熱もあるよ、たぶんいま・・・」
「アハハハッ、そうでしょそうでしょ。この前の掘田さんの奥さんの姿を見せられたらねえ。そりゃそうなりますよ。へへへっ、あの非の打ちどころのない奥さんが、どんな風にやられちゃったのか、楽しみだなぁ」
「おいおい、まだそうなったとわかったわけじゃないんだぞ」
「でも、あの男のことだ、ヘマはしませんよ。残念ながらというか、めでたくというか、やられちゃってますよきっと」
「うん・・・」
自分でもおそらくそうだろうと確信しているが、他人にそう断言されると、自分の妻がなんだか憐れに思えて、素直に返事をすることができなかった。
「ところで、堀田さんは?」
「たぶん今日は来ないと思いますよ」
「どうして?」
「それが・・・、堀田さんとこ、大変なことになっちゃったみたいなんですよ」
「大変なことって?」
「奥さん、出てっちゃったらしいんですよ」
「え~?!まさか・・・?!」
「仕事中に奥さんから電話があったんですって。しばらくひとりになって考えたい、その間、子どもたちのことはよろしく頼むって」
「そんな・・・」
「うちの女房がなにか知らないかって電話がかかって来たんですけど、まさかそんなこと女房に訊くわけにもいかないし・・・。藁をも掴む思いだったんでしょうね。堀田さん、かなりパニクってたみたいですよ」
「まぁ、そりゃそうだろうなぁ・・・」
「実は、うちも他人事じゃないんですよ」
「というと?」
「昨日のことなんですけどね、会社から帰ってくると、女房が髪も化粧もぐちゃぐちゃのまま、放心状態でソファに腰掛けてるんですよ。ほんのさっきまでここで淫らな行為が行われていましたっていう匂いが部屋中に充満してて・・・」
「え?!それじゃ・・・」
「そうなんですよ。うちに男を連れこんでるみたいなんですよ」
「とうとうそこまで来たか・・・」
やはりやめておくきだった・・・。あんな男に関わるのではなかった・・・。これはもうゲームの域を越えている。響子もあの様子だといつどうなってしまうかもわからない。三つの家庭が今や崩壊の危機に瀕している。自分の中の淫魔に激しく突き動かされ、ズルズルとここまで来てしまったが、新見の生々しい話しを聞くと、今更ながら激しい後悔の念にとらわれていた。
「来ましたよ」
新見の言葉に、慌てて玄関の扉の方向に目を向けると、ガラス扉の向こう側に仁王立ちする伊能の姿が見えた。私を見つけ、ニヤリと口端に含み笑いを見せると、おもむろにこちらに向かって歩き出した。
ロビーのガラス扉が開く。
一歩、二歩、伊能とわたしの距離が縮まっていく。
ガクガクと膝が震え、口の中がカラカラに干上がっていた。私はまるで最終判決を待つ重犯罪者の面持ちで、目を閉じ下を向いていた。
伊能の歩みが止まる。
うっすらと開いた視界の端に伊能の紺色のスニーカーがあった。
「お待たせしました。さあ、行きましょうか高梨さん」

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