非名士 8/5(土) 13:37:12 No.20060805133712
胸の真ん中に集まってくるようなただ事とは思えないような激痛を感じたのは、
泥酔して眠った布団の中でした。
経験したことのない痛みに、眠りから覚め、
うめき声を上げましたが、一人暮らしの私は誰かに助けを求めることも出来ません。
「・・だ、だれか・・・」
電話を掴む力もなく、声を出すつもりが、息も出来ません。
冷たい汗ばかりが湧き出てきます。
日曜に見たNHKを思い出しました。
心筋梗塞・・・狭心症・・・動脈瘤・・・、
医者でない私にわかるはずもありませんが、
ただならぬ激痛に、明らかな生命の危機を感じます。
ドキッ・・・ド・ドキッ・・・ドックン!
さっきから乱れていた脈が、ふいに収まります・・・
いや・・・これは・・・
もしかして、止まっているんじゃないのか!!!
急に心臓が・・・乱れて・・・止まる?
心筋梗塞か!
テレビで見た画面が思い出されます・・・たしか、冠動脈が詰まって不整脈を・・・
原因は動脈硬化や血管の痙攣・・・
その大元は・・・ストレス、喫煙、飲酒、不規則な生活、コレステロールの高い肉分、糖分・・・・思えば最近当てはまるものばかりです・・・
そして、心臓が止まってから意識が消えるまで・・・たしか10秒とか?・・・それから約3分で脳死・・・・
・・・俺は・・・・死ぬのか?
人間は、死ぬ瞬間、思い出が走馬灯のように駆け巡るといいますが・・・本当だろうか?
後何秒あるんだ・・・そう思うと、
ふと、自分の昔が、ざああああっとばかりに脳裏に浮かんできます。
あと・・9秒くらいなのか?
いじめられた子供時代・・・あまりかわいくないガキだった自分は、
ちょっとした虐めにあっていました
女の子にまでいびられつつ・・・それでも虐めに負けずにがんばり・・・一流校合格!
・・・ホントに、うれしかった。
でも、一緒に喜んでくれる彼女もいず、親友といえる友もなく・・・
大学はいればいいことあるさ!・・・がんばりましたが、
世の中の女の子は、学校なんぞ見てくれない。ということを悟るのに、そう時間は必要なかったのでした。
不遇だった学生時代、極彩色の青春を送る友人たちがうらやましかった・・・
あと・・・8秒あるかな?・・・
仲間たちに人気のあった多恵子がなぜ、
よりにもよって典型的サエナイ君の私に近づいてきてくれたのか、
いまだによくわかりません。・・・安全パイだからかな?
でも・・・うれしかった。
初めての彼女。初めてのセックス。
・・・私は舞い上がっていました。いい大学入ってよかった・・・
それから多恵子の思い出が、ターボがかかった勢いで脳内を駆け巡りました。
僕の人生最大のトピックのひとつです。
あと・・・7秒・・・の、計算で正しいのかなあ・・・
上司の仲人で結婚、すぐに一粒種の男の子が・・・健康に育ってほしい「健一郎」
平凡ですが、親としての素直な気持ちでした。
夜鳴きには苦労した・・・泣き止まない健を連れて夜中のドライブに・・・
酔っ払っていて危なかったり・・・今では出来ない話です。
あと6秒かな・・・健が巣立っていって、妻がパートへ向かった先は
近所の斉藤不動産・・・
ここで感情が爆発しました!・・・・
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