[2353] 「妻の秘密」・・その26 投稿者:街で偶然に 投稿日:2003/10/06(Mon) 21:46
翌日、午前中に妻の職場に電話をかけた。『□□さんは本日、お休みです。』と同僚の女性が答えた。「えっ休み?そんな事は一言も言ってなかったのに」と思いながら家に電話をかけたが誰も出なかった。妻は出かけているようだ。こんなに早く行動を起こすとは思わなかった。マンションに急行し、近くのコンビニに飛び込み缶コーヒーとパンで申し訳程度の買い物を済ませ、駐車場に留めてある軽トラックに乗り換えて1分もしないうちに妻の車がやって来た。「良かったもう少し遅く来たら妻と顔を合わしたかも知れない」と自分の運の良さに感謝した。妻は自分の駐車スペースに車を留め、降りてきた妻は何時も仕事に出かける時のスーツ姿だった。トランクを開けて白い買い物袋を取りだしハンドバックを肩に掛けマンションの中に入っていった。盗聴器のイヤホンを耳に当てがってじっと待ってた。ガチャッとドアの鍵が開ける音がして靴を脱ぐ音、照明スイッチを入れる音が鮮明に聞こえる。10万もの大金をはたいた価値があった。盗聴器の妻が近付いてくる・・・ストッキングを履いた足が床を歩く音が大きくなって来た。ソファベットに腰掛けたのか、ギュッときしむ音がし続いてガサッと紙袋を置く音がした。また足音がして少しずつ遠ざかって行く・・電話機の受話器を取る音がして同時に電話盗聴器から「プー」と言う音が流れ自動録音のラジカセが動き出した。ダイアルボタンを押し「ピ、ポ、パ」とダイアル音が聞こえる。
妻が帰った後に部屋に入って電話機を確認すれば発信履歴が残っているので何処にかけたかは分かるはずだ。呼び出し音が4回ほどして相手が出た。【有り難う御座います、N田です】聞き覚えのある声だった。初めて電話を盗聴した時の男性の声、N田と言う名前も聞き覚えがある。営業用の応答をしたのは男性の職場に電話をしたのか?『R子です』【□□様ですね、折り返しこちらからお電話を差し上げます。お電話有り難う御座いました】と男性の方から電話を切られてしまった。妻から突然の電話だったのだろう。相手は少し慌てた様子だった。近くに家族が・・それも配偶者がいたのかも知れない。室内の盗聴器から妻の歩く音がした。クローゼットの扉を開ける音、そして衣擦れの音がした。妻はスーツの上着を脱いでクローゼットに仕舞ったのか?衣擦れの音はなおもしている。どうやら上着だけではなくスカートも下着も着替えているようだ。5分ほどして男性から電話がかかってきた。小さなエンジン音が聞こえ携帯独特の通話音だった。誰にも邪魔をされない自分の車に乗って携帯で妻に電話をかけてきたのだ。【さっきはビックリしたよ、家には電話するなって言っておいただろう】『ごめんなさい、今は大丈夫ですか?』相変わらず妻は敬語を使っている。【今は大丈夫だ、俺の車の中だから】予想は的中した。『主人は出張に出かけました』【急な出張だな、で電話してきたのか?】『はい、スタジオの方に電話しても誰も居なかったから・・・』【旦那は大丈夫?バレて無い?】『はい、大丈夫です』【電話してきたのは?】『今日逢えますか?』【逢うって?】『マンションに来てもらえますか・・・?』【マンションに行ってどうする?】『愛して下さい・・・』【この前逢った時から1週間も経ってないだろう】『御願いです』【分かった、8時頃に駅に迎えに来てくれ】『はい・・・』「ん?1週間?・・私が妻の出演していたショーを見てからから1ヶ月近く経っているはずなのに・・と言う事は、私の知らない間に男性と逢っていた?」そんな素振りは全く見られなかったし、毎日の盗聴器の記録にもそれらしいものは残っていない妻のホームページにも一切ない。「これは2人とも手強いぞ」と男性と妻の連絡手段や逢瀬の場所について色々と思案してみた。
週末を通して私が家にいる時に妻は出かけた様子は見られない。妻のパソコンに男性とのメールのやり取りも携帯にもそれらしき発信・着信履歴もメールもない。・・・となれば職場で連絡を取り合っているか、自分の知らない連絡があるのかも知れない。と思いつつ妻と男性の待ち合わせのY谷駅にバイクで急いだ。
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