[3219] その4 投稿者:強がり君 投稿日:2005/03/11(Fri) 18:10
さて、そろそろ主演男優にもご登場頂こう。
違う、主演はあくまでも俺。あいつは助演男優。
「身体の関係が有ったのは分かった。相手は誰だ?徹底的に追い込んでやる。」
「それだけは許して下さい。相手の方にも家庭が。」
出ました、またもや必殺技。俺を怒らす必殺技。
「はー?相手の心配か?俺はどうなる?もういい。子供達はおいて今すぐ出
て行け。出て行ったら子供達の養育費と、俺に払う慰謝料の為に就職もしろよ、
長い付き合いだから分割にしてやる。」
おっ、分割と言う言葉が自然と出た。俺も案外いい奴じゃないか。
「はい。ごめんなさい、ここにおいて下さい。どこにも行く所が有りません。」
あービックリした。ただの返事か。
普通、後の言葉からして、最初に「はい。」なんて付けるか?
本当に出て行ったら、どうしようかと思ったじゃないか。
そうか、出て行けないのか。ムフフ、お前はまずい事を口にしたな。
そうと分かれば俺は無敵だぞ。
「行く所が有れば出て行くのだな?実家へ帰れば?」
「違います。こんな事をしてしまって信じて貰えないでしょうが、あなたを
愛しています。」
何が「愛しています。」だ。でも少し嬉しい。
「それなら、どうして相手を庇う?相手は誰だ?」
やはり相手は役員仲間だったか。なに?市役所の課長?
偉い。妻よ、良くやった。よくぞ市役所職員を選んでくれた。
もうお前達は負けている。おー、その胸の傷は北斗七星。
違う、勝手に決めるな。良く見ろ、乙女座だ。
これは攻め易いぞ。
他の真面目な公務員さん、ごめんなさい。
決して公務員さんを馬鹿にしているのでは有りません。
特に税務署員さん、いつも尊敬しています。
お願いだから俺を敵対視しないでね。
あれ、もう朝?
妻を一晩中責め続けていた事になるのに、少しも怒りが収まらないぞ。
「腹が減った。コーヒーとトーストを持って来い。」
おっ、命令口調。「持って来い。」いい響きだ。
今日の俺はお殿様か?いや、少し違うぞ。しまった、「持ってまいれ。」だ。
子供達は学校へ行ったな?よし、今から男の職場に行こう。
えっ、ここでは無くてお隣の市なの?自分の住んでいる所に就職しろよな。
そういえば、俺がわざわざどうして行くの?
やーめた。相手の役所に電話しよう。
凄んでやろうか?いや最初は丁寧に淡々と話した方が、こんな時は怖いはずだ。
「妻がPTAでお世話になっております。その事でお話が御座いますので、
お忙しいところ大変恐縮ないのですが、今から私の家までご足労お願い出来
ませんでしょうか?」
どうだ、一般人には「恐縮」「ご足労」なんて言葉はそうそう浮かばないだろ?
えっ、普通なの?そうなの?
「何の話でしょう?今は仕事中ですし、3時から会議が有って帰りも遅くな
ります。今日でなければ駄目なお話しですか?」
なにをコシャクなシマシマパンツ。
普通に話しているつもりか?声が震えているぞ。
「そうですか。妻がお世話になり過ぎていたようで、お電話させて頂いたの
ですが。分かりました、私がお邪魔します。そちらの市長さんとも面識が御
座いますので、午後の会議は出席しないでも良い様に、私からお願いしてみ
ます。何しろ私にとっては一生の問題ですから。」
返事も聞かずに電話を切ってやったぞ。怖いだろ。
市長なんかに知られたらお前の立場はどうなる?
ところで隣の市長って誰だ?
おっ、早速妻の携帯に掛けて来たな。
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