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北原夏美 四十路 初裏無修正

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[2422] 再婚男の独白<2> 投稿者:風倫 投稿日:2003/11/05(Wed) 23:50

妻が北村という男と共に北海道へと出発した日。私は別の撮影でお台場にいました。羽田を離陸した飛行機が頭上を通り過ぎるたび、私の心は千々に乱れました。
(これが私からの旅立ちになるのではないか。もう彼女は戻ってこないんじゃないか?)
何も知らずに「新婚早々、離れ離れになって心配でしょう?」と囃し立てる他のスタッフが、とても煩わしく感じました。
出がけに「愛してるのは、あなただけよ」と優しくキスをしてくれた彼女の笑顔に救いを求めようとするのですが、どういうわけか輪郭がぼやけてうまく思い出せないのです。

その晩。私は呑み会も早々に切り上げて帰宅しました。固定電話と携帯電話を並べて妻からの連絡を待つものの、2つの電話は沈黙したままです。
11時を過ぎたとき、耐えきれなくなった私は、自分から彼女の携帯番号をプッシュしていました。長い呼び出し音の後、電話は留守番メッセージへと切り替わりました。
今回の仕事はすべて屋外でのロケだと聞いていました。日没まで粘ったとしても7時には撤収。宿に帰ってから食事に出たとして10時には自室に戻っていなければなりません。特に妻は寝不足が肌に出る体質ですので、ロケ中は睡眠時間を大切にするはずなのです。
「あなたとの結婚が決まったと聞いて北村さん、何度も連絡してきたの。『どうしても僕じゃダメなの?』って。そのうち涙声になっちゃって」
「体調を崩したとき、彼にホテルの部屋で身体を拭いてもらったことがあったわ」
いつか聞いた言葉が、耳朶にまざまざと甦ります。今、妻は北村の部屋にいるのではないか。いや、彼女の部屋のベッドで抱き合い、サイドテーブルで鳴る携帯電話をあざ笑っているのではないのか。妄想は果てしなく広がっていきます。
それから30分おきにコールをしました。11時30分、12時、12時30分…聞こえてくるのはいつも合成音のメッセージです。宿に直接電話しようにも、ホテル名がわかりません。携帯電話があるからと、事前に聞いておかなかったことが悔やまれます。
着信履歴を見れば、妻のほうからかけてくるはず。そう信じて、私は待つことにしました。しかし、ついに私の電話が鳴ることはありませんでした。

妻からメールが届いたのは、翌日の昼前でした。「昨夜はゴメン。夜も取材が入っちゃったの。また連絡する」とだけ。
(なぜ、電話ではなくメールなのか)
もたげる疑問に(もう今日のロケが始まって、スタッフが周囲にいるんだろう)と自分を納得させようとするものの、(それなら朝、ホテルの部屋から連絡すればよかったじゃないか)と思えてきます。行き着くところは、
(誰かがそばにいて、それができなかった)
という結論になってしまうのです。
その夜も、次の晩も、彼女と直接電話で話す機会は訪れませんでした。いつも留守番メッセージに切り替わってしまったからです。そして翌日の昼前後に、決まって素っ気ないメールが届くのです。

北海道で妻に何が起こったのか。そして、たった一度だけ電話が通じた最終4日目の夜、彼女がどういう状態にあったのか。私がそれを知るのは、3ヵ月近くも後のことでした。

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