[3710] 情けない 3 投稿者:飯田 投稿日:2005/11/03(Thu) 21:07
まだ、妻の一時的な気の迷いだと思いたい私は、一番気になる事を聞いた。
「身体の関係もあるのか?」
普通、一緒に暮らそうと約束した男と女なら、身体の関係が有って当然かも知れない。
しかし私は、妻の貞操観、倫理観を信じたかった。
「・・・・ごめんなさい」
この妻の身体を、私以外の男に見られた。
見られただけではなくて、触られ、舐めまわされ、男の下で喘いでいた。
私以外の男の、硬く勃起したオチンチンが、妻の中に入った。
それも、無理矢理押し入ったのではなくて、妻もそれを望んで濡らしていたのだろう。
これは私にとって、どの様な事を意味するのか。
私だけの占有物を共有された?
いや、違う。
私しか入ってはいけない所に、他の異物が入った?
いや、違う。
そんな簡単な事では無い。
私以外は踏み込んではならない領域に、他の男が踏み込んだのだ。
それも、その領域全てを私から奪い、逆に私が入れない領域にしようとしているのだ。
これは戦争だ。
私の全てを、奪おうとしている男との戦争だ。
ようやく私に、怒りと言う感情が込み上げる。
「奴を呼べ」
「今は愛と瞳が・・・・明日あの子達は出掛けるので、その後来てもらう約束になっ
ています」
「喧しい。今すぐに呼べ。それなら最初から、娘に聞かせられない様な事をするな」
「あなた・お願いします・・・愛と瞳にはまだ・・・・・・・」
つい声を荒げてしまったが、言われなくても話せない。
自分達の母親を、他の男に渡してしまった情けない父親。
自分達の父親は、妻を盗られた情けない男。
嫌だ。
今まで偉そうに人生を説いていた、父親としての威厳まで崩れ去る。
出来れば、娘達が知るまでに、何とか妻を取り戻したい。
結局私は、話せないのではなくて、知られるのが怖いのだ。
情けない。
またいつもの「自分は情けない」って言いたくてたまらないパターンならイヤだなぁ。
頼むぜー。。