[3711] 情けない 4 投稿者:飯田 投稿日:2005/11/04(Fri) 14:15
当然、まだ聞きたい事は山ほどあったが、これ以上は聞かなかった。
この期に及んでも妻に対して、少しでも懐の深い、大きな男に見せようとしている。
「風呂に入るぞ」
この事から逃げたくて、何も無かったかのように平然と言ったが、当然妻は激しく首
を振っていた。
「まだ俺達は夫婦だ。いつも通りにしろ」
私は声を張り上げた。
いくら大きく見せようとしても、この様なところにも、人間の器の小ささが現れてし
まう。
妻は泣きながら従ったが、私に戻ってきた訳では無い。
これは私が騒いで、娘達に気付かれるのが嫌だったから。
まだ良い言い訳を思いつかないのか、または私との事が全て決まって、逃げられる場
所を確保してから言いたいのか。
見慣れた妻の裸体が、昨日までとは違って見える。
1日で、何が変わったのだろう。
小振りだからか、41歳になってもきれいな形をしているバスト。
細いウエストに、垂れるほど大きくないヒップ。
その下には、すらっと伸びた脚がある。
太らない体質なのか、たまに山を歩く以外、これと言った運動もしていないのに、あ
まり昔と体形が変わっていない。
ただ大きく変わったのは、私が吸い、途中娘達が吸って、その後また私が吸い続け、
黒く大きくなってしまった乳首と、今はタオルに隠れて見えないが、黒く飛び出して
しまったヒダヒダ。
今まで私だけの物だと疑わず、慣れ親しんだこの身体が、今は他の女の身体に見える。
お乳も垂れ、お腹にも大量に肉が付き、お尻も垂れた醜い体形になっていたら、5歳
も若い男は、見向きもしなかったかも知れない。
ブクブクと太って歳相応に見えれば、5歳も若い男は、並んで歩くのを嫌がったかも
知れない。
ところが、肩よりも長いストレートの髪を栗色に染めて、若妻の様な化粧をしている
スリムな妻は、あの男よりも年下に見えてしまう。
一緒に並んで歩いていて誇らしかった妻が、今は醜い身体に変わっていて欲しかった
とさえ思えてしまう。
私は顔を洗い、シャンプーをした。
いつもは身体から洗うのだが、涙を隠したかったから。
2人並んで湯船に浸かると、また妻が泣き出した。
「・・・・・・・ごめんなさい」
「いつからの付き合いだ?」
妻は声を殺して泣いていて、話す事が出来ないでいる。
早く答えが聞きたくて、もう一度聞こうと思ったが、黙って妻の答えを待っていた。
次に声を出せば、また顔を洗わなくてはならなくなるから。
情けない
コメント
子供たちに、真面目で愛妻家であった父親が今、人生の岐路に
立たされ、間男と母親に恥辱と苦汁を味わされており、
子供たちと共に不幸のどん底に理不尽な仕打ちに遭っている
のか、知ってもらう必要があるのでは・・・
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