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北原夏美 四十路 初裏無修正

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所 9/20(水) 07:03:15 No.20060920070315

私に殴られた楠木は尻餅をついて一瞬固まったが、すぐに笑みを浮かべて立ち上がった。
「部外者のあんたが急に入って来て殴るとは、いったいどう言うつもりだ!警察を呼ぶぞ!」
「部外者?」
「もう離婚したのだから、他人のあんたが俺達の事に立ち入るな。俺達は見ての通りの関係だ。これは単なる痴話喧嘩だ」
「違う!勝手に入って来て強引に・・・・・・・・・」
「優子はそう言っているぞ。そうなると、これは強姦未遂だ」
「強姦?それなら警察を呼べ。警察を呼んでもいいが、優子のパンティーの染みは何て説明する。何が強姦未遂だ。これは完全な和姦だ。優子は嫌がっている振りをしているだけで、本当は望んでいるんだ。以前もそうだった様に、優子は嫌がる振りをして、無理やりされている状況を楽しんでいるんだ」
確かに妻は感じてしまっていたのは明らかで、そう言われると自信が無い。
楠木が娘の話をしなければ、あのまま抱かれていたかも知れない。
「おまえの言う通りかも知れないな。俺には関係無い事かも知れない。ただ関係ある事が一つある。慰謝料の事だ」
「慰謝料?そんな物は遠に支払済みだ」
「いや。払ってから、また関係を持てば新たに請求出来る。現にそれが原因で離婚したのだから」
楠木は苦虫を噛み潰したような顔になる。
「取れるものなら取ってみろ。無い者からは取れない」
「残念だが聞いてしまった。何処に隠していたのか、1年は楽に生活出来るだけの金を持っているそうじゃないか」
私はアパートを出ると楠木の住んでいた家に立ち寄り、玄関の張り紙に書かれていた電話番号に電話して、今住んでいるアパートの住所と、楠木が金を隠し持っている事を告げた。
家に帰ると既に妻の車が止まっていて、妻はキッチンでうな垂れている。
「感じたのか?」
「・・・・・・ごめんなさい」
「俺達は他人なのだから謝らなくてもいい」
「でも・・・・・・私・・・・・」
「それなら一つ訊くが、どうして途中で思い止まった?有希の事を言われたからか?」
「違います。今更信じて貰えないでしょうけど、あなたの顔が浮かんで」
それが本当なら、あそこまで行かずに最初から抵抗しろと思ったが、それでも少し嬉しかった。
「それよりも、有希に全て話して選ばせるか、このまま黙っておいて行くかどちらに決めた?」
「どちらも出来ません。許して下さい」
私は妻を虐めたいだけで、その様な気は無い。
その様な事をすれば尚の事、自棄になった妻は楠木と暮らすかも知れないからだ。
私の計画通り、結局妻は私の家で暮らすことになったが、復縁する訳ではなくてあくまでも居候で、この家では私の言い付けには逆らわない事を一つ返事で承諾した。
「俺の言った事に逆らうことがあったら、どの様な理由でもすぐに出て行ってもらう。それでも良いのか?」
「ありがとう。有希と暮らせるならどの様な事でも聞きます」
私と妻が段ボール箱をいくつか持ってアパートに行くと、3人のスーツ姿の男が隣の部屋に入って行った。
「楠木さん。債権者の中にはご飯も食べられない方がみえるのに、あなただけが働きもせずに暮らしているのは駄目でしょ」
「最低限の生活は保障されるはずだ!」
「これが最低限の生活ですか?働かずに一年も暮らせるのが」
「えっ!」
私と妻は当座の着替えと、娘の物を急いで段ボールに詰め込むとアパートを出た。
その夜妻に食事を作らせ、久し振りに3人で食べた。
「美味しいね。凄く美味しいね」
娘は余程我慢していたのか、そう言うと泣き出した。
その時私は、復縁は無くても娘の前でだけは普通の夫婦でいようと思ったが、寝室で一人になると昼間の妻の喘ぎ声が思い出されて、悔しくて寝付かれない。
これから私と娘の事を話し合おうという大事な時に、感じてしまってあの様な声を上げる妻が許せなかった。

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