[3747] 情けない 12 投稿者:飯田 投稿日:2005/11/11(Fri) 16:14
娘達は妻に対して、出て行けとは言わない代わりに、話しかけても返事もしない。
妻の作った物は食べずに、無言で生ゴミのバケツへ。
まるで目の前に、母親などいないかのように、目を合わせる事も絶対にしない。
そう言う私も、何があったのか妻から話す気になるまでは、無視しようと決めていた。
帰ってきて3度目の夜、ようやく奴との生活を話し出したが、私は返事もせずに相槌
も打たず、ただ黙って聞いていた。
付き合っていたのと、一緒に暮らすのは大違いだった。
3日もすると奴は徐々に本性を現し、普段は優しくても、書く事に行き詰まる度に不
機嫌になる。
最初の内は物に当り散らす程度で、そんな自分に気付くと、すぐに謝っていたが、次
第に妻や子供達の見境無く、だれかれと無く当り散らすようになった。
妻は、そのような奴の顔を見るのは初めてだった。
毎日のように通っていても、そのような素振りさえ見た事が無かった。
妻が家を飛び出し、行き場を無くした事で安心感が生まれて、本当の自分の姿を見せ
出したのだろう。
暴力は振るわないまでも子供達は脅え、それで食事を忘れられても文句も言わずに、
妻が行くまでは自分達で作っていたのだ。
妻が子供達に聞くと、奴が時々そのような状態になるのは、1年前に母親が出て行っ
てしまってからの事で、以前私の家に来た時に行儀良くしていたのも、父親を恐れて
の事だった。
行き詰まって書けない時の、奴の言動は更に異常性を増し、子供達の前でも、平気で
セックスをさせない妻を詰るようになる。
時には子供達がいてもお構いなしに、妻に抱き付いてきて強要するので、その意味が
分かる上の娘は、その度に妹を他の部屋に連れ出す。
出さない内は落ち着いて書けないと言って、自分の要求が通るまで執拗に迫るので、
妻は仕方なく手や口で応じる。
しかし、出してもらって満足すると、急に元の優しい男に戻り、必要以上に謝り続けた。
最初は、行き詰まって苦しんでいるのだと同情したりもしたが、次第にその異常性に
恐怖するようになる。
一度は自分達を捨てた母親の所にでも、これでは逃げ出したくなって当然だ。
「それがどうした。俺には関係のない話ばかりだ。そんな奴が好きだったのだろ?俺
よりも、そんな男を選んだのは恵だ。見た通り、この家には恵の居場所はもうない。
奴の所にいつ帰る?いつでも送って行ってやるぞ」
妻は激しく首を横に振り、縋る目で私を見ていた。
しかし、行き場を失くした妻に対して、立場の逆転した私は強い。
まるで、奴と同じだ。
奴の所に帰れと、更に虐める。
すると妻は、また戻りたくない訳を話し出したが、それは耳を疑う様な内容だった。
そんな奴でも子供は好きなのか、出て行った子供達の代わりを産めと、妻に執拗に迫
りだす。
それも、子供達が出て行ったのは、妻の責任だと言いながら。
奴の言動が心配になった妻は、入る事を禁じられていた書斎に入り、奴の書いていた
小説を盗み見て、更に恐怖する。
奴は妻に推理小説を書いていると言っていたらしいが、そこで妻が見た物は、自分を
主人公とした卑猥な小説だったのだ。
それも、主人公の相手として登場している2人の女は、別れた奥さんと妻だった。
妻はショックでその場から動けなくなり、帰って来た奴に見つかってしまう。
奴は開き直り、小説のイメージ作りに協力しろと言って、妻に短いスカートを穿かせ
て、近所のスーパーへ買物に行かせた。
しかも、その下には下着を着ける事を許さず、奴は少し離れた所から、妻の羞恥に染
まる様子を見ていたようだ。
またある時は、卑猥な下着を買って来て、これも小説のイメージ作りだと言って妻に
着せ、それを眺めながら、自分で処理をしていた。
その他にも、自分の書いた卑猥な小説を大きな声で読ませ、喘ぎ声の箇所などは、も
っと感情を込めろと怒り、何度も繰り返し言わせた。
妻に絶えずセックスを迫り、妻は何とか口や手で処理していたが、多い日には一日に
5回もさせられた事があるそうだ。
正常な時は、セックスが出来ない理由を理解してくれていて優しいが、いつ変貌する
か心配で、必ず奴が眠ってからでないと眠る事も出来ず、眠ってからも不安から熟睡
は出来ずに、何度も目が覚めた。
私に電話してきた日は、あと3日で離婚しなければ、小説に出てくる妻のように、身
動きがとれないように縛って、妊娠するまで毎日、中に出し続けてやると脅されたのだ。
話しながら、妻は泣いていた。
妻は性的な事で、こんな露骨な表現の話を出来る女ではなかった。
それだけ戻るのが嫌で、必死だったのかも知れないが、妻の口からこの様な生々しい
話は聞きたくなかった。
泣きたいのは私だ。
情けない。
コメント
コメントの投稿
トラックバック
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)