[918] Booby Trap 46 投稿者:道化師 投稿日:2003/03/08(Sat) 02:26
女は意外にも、こんな場所に登場するにはまるで不釣合いな、床まで届くロングスカートで、
いかにも良家の奥様と言わんばかりの清楚なワンピース姿だった。
私は、視線を上に上げ女の首から上を見た。
するとそこには、その慎ましやかな服装とは正反対に、まるで、今からのこの女の運命を暗示
するかのごとく、ライトの下で鈍く輝く鋲で飾られた首輪と、禍々しく縁取られた黒いアイマ
スクを着けた女の顔があった。
そのアイマスクはかなりコンパクトなサイズで、なるべく顔を伏せようとする女の意思に反し
て、申し訳程度にしかその顔を隠してはいなかった。
したがって、その下から上品な目鼻立ちや、楚々とした口許がはっきりと見て取れ、妻を良く
知っている者が見れば、きっと、一目でそれが誰だかわかってしまうのではないかと思われる
のだった。
だが、私はあえて気がつかない振りを続けることにした。
「前に私が見たテープでは、いかにもその手の女のような容貌に変えられていたのですが、今
見ると、髪も黒髪に戻っているようですし、化粧もほんのり薄化粧程度ですね・・・・」
私は、最初に女を見たときから思っていた疑問を、周りに聞こえないような小声で聞いてみた。
「ええ、前はもっとケバケバしかったんですが、一見ごく普通の、何処にでもいるような人妻
が驚くほどの狂態を見せる方が客の反応がいいんで、最近はずっとこの姿なんですよ。」
「へぇ~そうなんですか・・・・」
「貞淑に過ごしてきた分別盛りの人妻も、一皮剥けば、実はとんでもない変態女だったという
のがウケるんです。頭では嫌がりながらも、そのうちに、隠れていた己の性に負け、最後には、
肢体の疼きに身も心も支配され変態的な性の泥沼に堕ちてしまうなんていうのが大人気なんで
すよ。今、人妻らしい恥じらいを見せている女が、後になると、肢体の奥で燃え上がる悦楽を
渇望する牝の欲求に、これが同じ女だろかと目を疑うような狂態を見せ、我を忘れて狂乱の中
で悶え狂うところが、何とも堪らなくそそるみたいなんです・・」
「なるほどねぇ~・・・・・」
「特に奥さんの場合は、気品のある顔立ちと、その肢体に刻み込まれた数々の強烈なマゾ女の
証が示す通り、誰もが信じられないほどの変態的性質とのギャップが、客達の間で引っ張りだ
こなんですよ。それに、奥さん自身も、あの格好のほうが恥じらいの気持ちが強くなって、い
っそう被虐感が燃え上がるようなんです。とにかく一旦肢体に火がついたときの乱れようとい
ったら・・・まあ、ご主人を目の前にして言うのもなんですが・・私も、今までいろんな変態
女や淫乱女を見てきましたけど、その中でもあの女は、一、二を争うほどのどうしようもない
色キチガイですぜ・・・・・・」
「・・・・・・・・」
私は、黙って感心するしかなかった。
私たちがそんな事を話しているうちに、男に連れられた女は首輪の鎖を引っ張られ、ヨロヨロ
しながらフロアの真中まで来て立ち止まった。
すると、客達がすぐそれに気づき、ざわついていた店の中が急に水を打ったように静かになる
のだった。
男は、ぐるりと店の中を見渡し、客達の視線が女に注がれているのを確かめると、
「皆さん、お話中すみません。今からここに居ります女が一言ご挨拶を申し上げますので、少
しの間、お時間を頂戴いたしますようお願い申し上げます。」
そう言うと、女に目で合図を送り、素早くその後ろに回った。
そして、女の肩越しに手を回すと、慣れた手つきでそのボタンを外し始め、ゆっくりとワンピ
ースを脱がして行くのだった。
店中の総ての瞳が固唾を飲んで見守るその中で、とうとう最後のボタンが外された。
客達が発する、痛いほど突き刺さるような視線を楽しみながら、男は、もったいぶるようにワ
ンピースの前をはだけると、女の肢体から『はらり』と、取り去った。
その瞬間、
「おおっ」
と言う、客席のどよめきが聞こえた。
ワンピースの下から現れた女の肢体を見ると、まるでバニーガールのような黒いボンデージス
ーツと、膝まであるピンヒールのブーツを身につけていた。
客達の好奇の眼差しの中、男は上着のポケットから皮の手錠を取り出すと、すぐに女を後ろ手
に拘束するのだった。
「ねぇ、あの女、見た目よりうんと厭らしい身体つきしてると思わない・・・・?」
「そうね・・・服を着ているときは品のいい主婦って感じだったけど・・・こうしてよく見る
と、顔の感じと比べて身体の方は妙に淫らな雰囲気ね・・・」
「そうだな・・・そう言えばマスクから覗くあの顔だけを見ると、本当に可愛い奥さんて感じ
だけど、首から下は、まるで男を誘う娼婦みたいだな・・・」
その間も、客達のざわめくような囁きがあちらこちらから聞こえていた。
女は、その罵りにも似た軽蔑の空気がフロアーの一杯に渦巻く中、徐々に気持ちが高ぶってき
ている様子だった。
よく見ると、女は何故か伏目がちなその顔をほんのり紅らめ、もじもじとしきりにその肢体を
くねらせていた。
耳を澄ますと、女の股間のあたりでかすかなモーターの音が響いていた。
きっと、女陰にバイブを仕込まれているのだろう、それでなくてもあの敏感に改造されたクリ
トリスだ、今はもう、見るからに立っているのがやっとと言う感じだった。
「準備が整いました。それでは、お聞きください。」
男が声を発すると、ざわめきが収まり、再び店の中にひと時の静寂が訪れた。
「この女、自分の肢体に流れる淫蕩な血に負け、夫と子供を捨て、己の快楽のみに生きる事を
誓った淫乱マゾ女です。この後、奥の特別ステージで、この牝豚奴隷のショーがありますので、
是非見物していってください。さあ、お前も皆様にお願いするんだっ!」
まず、男の方がもったいぶったように、興味津々で目を輝かせている客達に向かって、一言そ
う言うのだった。
すると、女も続いて、
「わっ、私は、変態人妻奴隷の恵美子と言います。お願いですっ!どうかこの後、恵美子のS
Mショーを心行くまで楽しんでいってくださいっ!!」
かなり感じてきていると見え、マゾ女特有の甘えるような声でそう言うと、
「ふぅっ・・・・・」
と、媚びるようにため息をついた。
それから女は、男に首輪の鎖を引かれながら、顔には苦悶の表情を浮かべて、四つん這いにな
って店の中をゆっくりと回りだした。
そして、同性からは容赦なく侮蔑の視線を浴びせられ、男達からはからかうような好色な言葉
をかけられているうちに、その肢体はどんどん被虐の炎でめらめらと高揚し始めた。
半分ほど這いずり回った頃には、もうすでに相当感じているのだろう、
「あぁっ~~・・・・うっぅ~~・・・・・」
淫らな喘ぎ声を上げ、まるで回りの男を挑発するように、肢体を妖しくくねらせていた。
よく見ると、ボンデージスーツの股間から愛液が溢れ出し、内腿を伝わって床に滴り落ち、女
の通った後に一本のキラキラ光る筋を作っていた。
女は、どす黒い快楽の渦の中に浸りきって何も目に入らないのか、それとも、まさかこんな場
所に私がいるとは夢にも思っていなかったのか、そのまま気づかずに私たちの前を通り過ぎて
いった。
私は、女が私の前を過ぎて行った時、今まで嗅いだ事のない、何ともいえない淫らな香りが女
の肢体から漂っているのを感じていた。
そうして、女は客達の舐めるような視線にその淫蕩な肢体を晒しながら、店の奥に戻って行っ
た。
「どうです、久しぶりに生で見る奥さんは?」
男がニヤニヤしながら聞いてきたが、私は、言葉を失ってただ黙ったまま、身体の奥から沸々
とこみ上げてくる、何ともいえない陰鬱な快楽に酔っているだけだった。
そのまましばらくは、気持ちの高ぶりを感じながらもどうする事も出来ず、目の前の男の言葉
も上の空でまるで耳に入らなかった。
私は、じりじりと身を苛まれる焦燥感の中で、それでも、はやる気持ちを必死に抑えながら、
とにかくうわべだけは平静を装うとしていた。
まるで、祭りの前のような高揚した雰囲気の中で、私は、目に見えない何かに追い立てられる
かの如く、永遠にも思える時間から逃れようと、ひたすらのどの渇きにかこつけて酒を浴びつ
づけるのだった。
しばらくは、そんな怠惰な中にも痺れるような甘ったるさを含んだ時間が過ぎていったが、や
っと待ちわびたショーの始まる時間が来た。
「それじゃ、ぼちぼち奥へ行きましょうか。」
そう言って男が席を立った時、私は、危うくその言葉だけで絶頂に達してしまうところだった。
だが、かろうじてそんな失態を見せることなく踏み止まった私は、とにもかくにも男の後に続
いて、期待に高鳴る胸を躍らせながら、そのまま店の奥にあるステージのある部屋に入って行
った。
そこは、私がビデオで見慣れた部屋だった。
部屋の中央にはライトに照らされたステージがあり、少し暗くなった周りにはすでにかなりの
見物人が集まっていた。
上川が気を利かせてくれたのか、私達は、ステージのすぐ前のショーが一番良く見える、いわ
ゆる特等席に着く事が出来た。
そして、いよいよ長い間待ちに待った、私と恵美子の運命を決めるショーの幕が開いたのだっ
た・・・・・・
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