「・・・誰?キミ」
冷静に言ったつもりだったけど、眉が自分でも震えてるのがわかった。
「・・・・」
ガキもC子も無言。
「とりあえず、ここ俺の家だよね。それとも間違えた?間違えてないか、そこにいるエロい女はどうやら俺の嫁みたいだし」
もう二人ともクチをぱくぱくさせてる。
ここでキレた。
「誰って言ってんのがきこえてねえのかぁあああああっっ!!!」
叫ぶと同時にワイパーの柄を寝室のドアに思いっきりたたきつけた。
なんつーか、思いっきり恫喝するつもりで叫んだつもりだったのに、
小学生のガキが半泣きで叫んだような鼻声になってて、自分で情けなくなった。
「待って、とりあえず私の話を聞いて!O君、とりあえず帰って!」
C子がクチを開いた。
ガキがC子を見てクチをぱくぱくさせながら、ちらばってた服を拾って
逃げるように部屋から出ていこうとした。
「ってめえ・・・どこ行く気だ、こら・・・」
俺の脇を抜けて部屋から出ようとするガキを捕まえようと手を伸ばした。
「待って!とりあえず話を聞いて!ごめんなさい!ごめんなさい!」
C子が叫びながら俺にしがみついてきた。
ガキは裸で服だけつかんだまま、逃げるように出ていった。
「まてや、ごらあああ!!」
俺はワイパーをガキのほうに投げつけながら、C子を引っぺがそうとした。
もともと身長もあまり差がないし、本気でしがみついてきてるみたいで
引き剥がせなかった。
ガキのバイクの音が聞こえたあたりで、俺も脱力してへたりこんだ。
「・・・もう離せ、触んな」
C子は首を振りながら、まだ俺にしがみついたまま。
「・・・お願い、話を聞いて。ごめんなさい」
もう俺はどうでもいいやって感じで聞くから離せ、と言って引っぺがした。
C子が言うには、セックスも昔みたいに求めてきてくれないし、俺が
自分に飽きてきて、もっと若い子がよくなるんじゃないかってことで
捨てられるんじゃないかという不安があったこと。
そういう不安があったときに会社に来てた請負社員のO(ガキ)に熱心に
アプローチされてうれしかったこと。
そんな気はなかったけど、一回エッチしてしまったらずるずると流されてしまったこと。
気の迷いだった、もう二度と会わないから許してほしいとのこと。
俺は、ふんふんと適当に相槌を打ちながら聞いてたが、C子が黙ったところで
「別に二度と会わないなんて言わなくていいよ。関係ないし」
「・・・」←また泣きそうな顔になる
「つーかさ、結婚するときも結婚した後も言ったよね。浮気性の女には苦労したから、
結婚するなら信用できる相手としたいって」
「俺が求めないから寂しかった?求めても嫌がってること多かったじゃん、キミ」
「・・・だって、あまり求めを受けてたら昔のあなたの彼女と同レベルの女だと思われて捨てられるかもしれないって怖くて・・
でも、3回に1回は必ず受けるようにしてた。でも、だんだんと求められる回数が少なくなって・・・」
ぼそぼそと聞き取りづらいC子の声を相まっていらいらしてきた。
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