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北原夏美 四十路 初裏無修正

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「・・・気持ちよかった?」
「ん?最高でしたよ。」
「・・・こんなふうにA子さんともしてたの?」
「いや、させてもらえなかったんで普通にしかしてないですよ。それも数える程度です。2年も結婚しててね。C美さんはどうなんです?Bさんはテクニックあったんでしょ?A子があれだけメロメロになってたぐらいだし」
「ううん、こんなことあの人にされたことない。普通だった。」
「C美さんが拒否してただけじゃないです?」
「・・・うーん、かもしれない。」
まあ、やりにくいってのはあっただろーな。
なまじきりっとした美人でスタイルもいいだけに。あの男、いかにもな優男だったし。
俺は後先考えてないからここまで出来たってだけの話で。
「ねね」
「なんです?」
「・・・こういうことさせてあげたり、私からも誘ってればあの人もA子さんと浮気しなくて離婚しなくて済んだのかな」
「・・・かもしれませんね」
なんか、ここで急に自分が情けなくなってきました。
少なくともBはC美からもA子からも好かれていたのは間違いない。
A子は操を立てるような真似をして、俺との性的なことをあれだけ嫌悪してたし、C美だって素直になれなかっただけでBのことは好きだったのは明白。
そんな中、俺はいったいなんだったんだ?
結局、誰からも必要とされることはなかった。
一回、そのことに気づいたら涙が出てきた。
「・・・どうしたの?」
「・・・なんでもないっすよ。なんか、急に自分が情けなくなっただけです。BさんはA子にもあなたにもそれだけ愛されてたのに俺はいったいなんだったのかってね」
鼻をずるずるさせながら、涙声でそんなことをこの人に言う俺はほんと情けないと言ってる最中にもすでに思えて、よけいに泣けてきた。
いきなり背中にやわらかな感触がきた。
「・・・ごめんね」
後ろから俺に抱きつきながらC美はそう言った。
「・・・なんでC美さんが謝ってるんですか、なんかよけいにみじめなんすけど、俺」
「・・・ごめん」
C美は俺の顔をぐいっと後ろに向けてキスをしてきた。
「・・・なんか中学生レベルのキスっすね」
「えっ、キスってこういうのじゃないの?」
ぷいっとC美がふてくされた顔をしました。
「・・・せっかく勇気出して主人にも自分からしたことないキスをしたのに」
「なんか、俺、いま唐突にBさんがかわいそうになって来ました」
そういうとよけいにふくれるC美。
「・・・あのね、気持ちよかったよ。」
「えっ?」
「・・・さっきのセックス。主人・・ううん、Bとのセックスより君がいましてくれたセックスのが気持ちよかった。これは本当」
なんかさっきまでの惨めな気分が嘘のように晴れてニヤけ笑いがこみ上げてきました。
俺の顔を見てC美も笑いました。
「俺君、もう一回する?」
「します」
「・・・じゃあ、今度は私もシてあげるからいろいろ教えて」

その後、C美とはちょくちょく連絡を取るようになり、半年後ぐらいには俺から申し込んで付き合いはじめて、今では結婚1年目です。
Bとは、一回だけ仕事中に偶然会って少しだけ話をしました。
Bは俺に「君に迷惑をかけて傷つけた分、A子は幸せにする。謝って済むことじゃないが本当にあの時は申し訳なかった」と言いました。
俺はC美とのこともあり、もうA子には未練もなにもなかったので
「A子が望んだことだと思いますし、もういいですよ」とだけ言いました。
A子との間に子供も出来たみたいでしたが、Bはえらく老け込んでいてあまり幸せそうには見えませんでした。
「C美も再婚したみたいだし、君も幸せになってほしい」
あれ、知らなかったのか。と思いちょっと意地悪をしたくなりました。
「C美さんと結婚したのは俺ですよ。あれがきっかけで付き合いはじめました。」
「えっ・・そ、そうか。そ、それはよかった。どっちのことも僕はし、心配してたから・・・」
明らかに動揺してました。
「・・・姉さん女房だからか、C美さんはいろいろ世話を焼いてくれて幸せです。夜のほうも凄いし。」
それを言った瞬間のBの顔は完全に凍りついてました。
では、と言って俺はBから離れました。

・・・ま、ちょっと悪趣味な一言だったかな。
けど、人の嫁に手を出したのは事実だから、これぐらいの意趣返しはいいだろ。
C美を絶対に幸せにしよう・・・そう思いました。

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