道明 12/12(金) 21:45:07 No.20081212214507 削除
藤崎美恵子は一郎のことが気になっていた
まだ今日は一度も室長室から出てこない
「室長、冷茶をお持ちしました」
「ああ・・美恵ちゃんか、ありがとう」
「室長、本当に今日はどうなさったのですか?先ほどよりも何やら重い感じがして」
「うん・・美恵ちゃんには敵わないなぁ・・・実はプライベートな問題で考え事を・・」
「ご家族のことですか?」
「うーん・・・・美恵ちゃんならいいか・・実は妻の知子のことなんだ」
それほど、一郎は美恵子を信頼している
「奥様がどうかされたのですか?」
「・・・うーん、これは私と妻とのこと、美恵ちゃんには心配はかけれない・・・」
「室長・・室長はもうすぐ東京へ赴任ですし、室長にとって将来がかかっている大事な仕事。失礼ですが、室長はお仕事はすばらしくおできになりますが・・ご夫婦の問題はいくら考えても、あまり上手に解決されるお人ではないように思います。私は人事課所属の時、このような社員の家庭のトラブルを扱ってきましたので・・・」
「美恵ちゃん・・・そうだったね・・・しかし、私の妻のことだから」
「室長、・・・・もし私でよければ、業者も知っていますので調べてご報告いたしますが・・・」
「いや・・いいんだ・・やはり、このことは私と妻とのこと、美恵ちゃんに頼めることではない・・・しばらく私なりに考えてみるよ」
美恵子は思った
一郎には、妻のことを調べることなんかとても出来ないと
それにしても、知子さん・・・こんな良い夫に心配をかけて
美恵子は中学時代を思い出していた
可愛くて、成績優秀な知子・・・学年男子の初恋の人ナンバーワンの女の子
クラス委員を務め、難関の進学高校へ進んだ知子
それとは対照的に就職を考え、高校の商業科を選んだ美恵子
そう、知子と美恵子は同じ中学のクラスメイトだった
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