道明 12/17(水) 22:27:44 No.20081217222744 削除
藤崎美恵子はマンションの一人暮らしだ
33歳になった美恵子に両親がしきりに見合い話を持ちかけてくる
その煩わしさから逃げるように、会社近くのマンションに移ったのだ
一郎を今でも自分の運命の人だと信じているからこそ、独身を貫いている
しかし、休日に一人でいると寂しさが込み上げてくる
もし、一郎と一緒に居られたらどんなに楽しい休日だろう
その一郎は、未だに美恵子の乙女心には気づいてくれない
美恵子から、ため息がこぼれた
美恵子はこんなとき、ショッピングで気を紛らわせる
「あら・・美恵子・・・美恵子じゃない?」
美恵子を呼ぶ声の方を見ると、中学時代の同級生がいた
「あら・・・久しぶり」
この同級生は確か、知子の親友
「どうしてたの美恵子、今年の同窓会にも顔を出さないし、みんな心配していたわよ」
「御免なさいね・・・仕事が忙しいものだから、失礼しちゃって・・先生はお元気だった?」
「ええ、私たちのクラスの担任はまだ現役だもの、お元気だったわ」
「それはよかった・・・で、みんな元気にしてた?あなたの親友の知子さんは小学校の先生だそうね・・・」
「そうね・・結婚している人やまだ独身の人がいて・・でも、みんな元気だったわ・・・うーん、でも知子はちょっとねぇ・・・」
「知子さんがどうかしたの?」
「うーん・・少しねぇ・・同窓会でも余りみんなと話さないし、ちょっと変わったかな・・・それに、私に電話してきてね・・・一緒に旅行したことにして欲しいなんて言うのよ」
「はぁ?それって・・・もしかして」
「たぶん、ふ・り・ん・ね・・・・あの知子がよ・・人って分からないわねぇ」
「そう・・・知子さんが」
「他の人に言わないでよ・・・・美恵子、私が困るから・・・」
「ええ、わかってる・・・でも、あなたも親友なんだから、今みたいに話しちゃだめよ」
「ああ、そうよねぇ・・・・私としたことが・・・」
美恵子の胸の中に、ふつふつと知子に対して怒りが吹き上がる
美恵子が思いを寄せた男と結婚し、子どももいて幸せの象徴のような女性・・・知子
その知子が不倫なんて・・・
(そんなこと許せない・・・絶対に・・・)
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