道明 1/30(金) 20:23:18 No.20090130202318 削除
朝の散歩から戻ってきた一郎を見て
美恵子は敏感に一郎の変化を感じ取っていた
熱いコーヒーを一郎の前に差し出すと
「一郎さん・・何か私にお話しがあるのではないですか?」
「わかるかい?美恵ちゃん」
「あなたは、正直な人・・・こころの中がお顔に出ます」
「そうかなぁ・・それじゃ、私は詐欺師には到底なれないなぁ」
「ふふふふ・・一郎さん、でも・・あなたの心はいつも誠実で優しくて・・それが、お顔に現れても、損はしません」
一郎が美恵子に今朝のことを話しだした
知子を救ってやれという人がいて、自分は迷っている
助けるということは、知子と離婚調停中の一郎にしてみれば
敵に塩を送ることになり、それは、美恵子にとっても不利益になるはずと・・
「一郎さん・・・もう、決めているんでしょう?助けてやりたいと・・」
「美恵ちゃん・・」
美恵子は一郎の迷いの霧を晴らす
「あなたは、正義感が強く、人を大切にする人・・そのあなたが、知子さんが危ないということを聞いて見過ごすことなどとてもできない・・・助けてあげて、私も応援するから」
「美恵ちゃん・・・君という人は」
「知子さんは、子どもたちのお母さんなんですよ、そしてあなたが妻にした女性・・・」
「美恵ちゃん・・私は壊れていく知子を見たくはない、それでいいんだね
・・・ありがとう、美恵ちゃん」
「でも、私、少し心配・・」
「何がだい?」
「あなたの優し過ぎる心が・・」
「私の心?・・・心配いらないよ、美恵ちゃん
知子を助けることと離婚することとは別のこと
・・・私は、あくまで君を幸せにすると決めているんだから」
美恵子という女神といる一郎には心に余裕がある
知子と離婚調停を争いながらも、相手を気遣う余裕が・・・
しかし、美恵子にはこれが夫の甘さとも写る
玉を追い詰めながら・・・・緩手の一手が命取りになることも
一郎の決断後の行動は迅速だ
次回の調停の日に知子と話し合うことにして
以前に知子の身辺調査をした業者に美恵子を通じて再び調査依頼をかけたのだ
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