道明 2/4(水) 00:43:04 No.20090204004304 削除
「知子、おまえ少しやつれたんじゃないか?無理はするなよ」
「あなた・・優しいのね?」
一郎と知子は家庭裁判所近くの喫茶店にいる
一郎の手元には、知子の身辺調査の報告がすでに届いている
目の前の知子を愛し、娘たちと楽しく暮らしていた自分
その妻と離婚調停を争い、知子を捨て去ろうとしている自分がいる
そして、今は・・・
「そうか?
それに、おまえ・・艶っぽさと妖しさが身についた良い女になって・・」
「まぁ、お世辞でも嬉しいわ、一郎さん
でも、そんなあなたにしたのは、美恵子の影響かしら?」
「そうじゃない・・・正直にそう思うよ」
「あなた・・
私、調停委員の人に、素直になれと言われたわ・・私、素直じゃなかったかしら?」
「ああ、そうだなぁ・・・・少し、いや、相当な見栄っ張りで自己中かな」
「ふん!あなたもそうじゃない?」
知子の目が涼しく夫を見つめている
夫の一郎とこのような会話をするのは何ヶ月振りだろうか
そろそろ一郎は本題に入ろうとする
「ところで、知子、実は・・」
「待って、あなた・・・ここでは、落ち着かないわ」
「そうか?ここでは駄目か?」
「時間あるんでしょう?あなた・・・」
「ああ、今日は休みを取った」
知子は目の前の珈琲に口を付けると
一郎の目を真っ直ぐに見つめて言った
「それなら・・・
あなた、今からこのいい女と遊ばない?・・嫌?
・・・・美恵子には内緒にして・・・・・・ねぇ、一郎さん」
一郎は妻の知子を知り尽くしているはずだった
しかし、今・・・・目の前にいる知子は、その女ではない
知子がすらりと伸びた両脚を組みかえると
白い太腿の奥へと一郎の視線が引き込まれてしまう
(知子・・・おまえは)
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