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北原夏美 四十路 初裏無修正

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僕の心は・・・{お断り}
和田 11/17(金) 22:09:57 No.20061117220957 削除
これから僕が書く事は、すべてこれまで自分が体験したことであ
り、今現在の、私達夫婦?の事です。

この話には、性的表現はあまりないと思います。

何故なら僕自身が聞いて欲しいという気持ち、何より、このままではいけないという思いが強いからかも知れません。

妻を問いただし、聞いた話なので、その部分を書こうと思えば書けるでしょう。

だけど、、それはできません。

書いている内に、逆上して間違いを犯してしまいそうだからです。

このサイトの事は、私を心配し、私に協力してくれた方が思いとどまる事を願い、教えてくれました。

今となっては、それが救いだと感じています。

初めは、どの投稿文を見ても、不快しかなく、吐いた事もありました。

ですが、何時頃か、私は妻を許せる事ができる手掛かりがあるんではないかと思い見るようになりました。

今でもそうですが、性描写のきついものは見られません。

そういった方々が集まるこのサイトに、私は場違いかもしれません。

だから、管理人様へお願いがあります。

この投稿が有益でないなら、掲載してもらわなくても結構です。

これは、私の自己満足であり、これからの自分のきっかけ作りに他ならないからです。

1話、投稿します。

それを見て判断して頂ければ幸いです。

ぼこの心は・・・「序章1」
和田 11/18(土) 05:36:17 No.20061118053617 削除
僕の仕事は、金融業です。

人様に言える様な胸を張れる仕事ではありません。

今までも、これからもその事を否定するつもりはありません。

父親は・・・ヤクザです。

関東広域に根を張る組織の、末端にある組です。

その父の職業を知ったのは、私が大学合格を知らせた時でした。

その日、盛大な祝いをしてくれている父が、私と二人きりで話がしたいと言いました。

父の部屋についていくと、自分の職業、これまで黙っていた経緯を話し出しました。

僕は冷静に聞いていました。

何と無くは解っていました。

そんな私の態度を、父は理解したのでしょう。

父は静かに話し始めました。

継いで欲しいと。

初めは、僕に継がせる事を考えていなかったこと。僕には、普通の生活を生きて欲しいと思っていた事。

しかし、自分が一代で築いてきたこの組、を信頼しているとはいえ
他人に預ける事が辛く、やはり、1人息子の私に継いで欲しくなった事を。

そして、自分の命が、残り少ない事を・・・・・

父の葬儀を終え、親類が集まる部屋に、前田が頭を下げて入って来た。

あれから10かもと

色々な組の関係者が集まっている葬儀の中対応に追われている若頭の前田を呼んだのは私だ。

目線を、父が静か仁眠る隣の部屋に振ると、静かにうなずき入って行った。

「坊ちゃん、お悔やみ申します」

部屋に入った私に、開口一番に前田が頭を深々と下げている。

「前田・・・・頭を上げて。大事な話があるんだ」

僕は、前田に、組を任せることを告げた。

死の直前、父に、組ともども、新しく頭になる僕を支えて欲しいと言われていた前田は、激しくかぶりを振った。

「親父との約束です。この命終わるまで、坊ちゃんをサポートします!」

「前田・・・・」

彼は頑なだった。

20代前半の頃、前田は、荒んだ生活をしていた。

すべてに絶望し、意味もなく苛立っては、他人を傷つけていたと。

自分の彼女に、売春まがいの事をさせ、その金で他の女を買い生活していた。

僕の心は・・・「序章2」
和田 11/18(土) 19:54:06 No.20061118195406 削除
そんなある時、前田はミスを犯してしまう。

飲み屋で口説き、抱いた女がヤクザの愛人だった。

もっと悪い事に、その事がばれてしまったのだ。

前田はすぐに拉致され、とあるホテルの一室に連れてこられた。

そこにいたのは、私の父だった。

前田が寝た相手は、父の愛人だったのだ。

父が聞く、何故?笑っているのかと。

部屋には、父を含め6人の人相の悪い奴等がいた。普通に考えても絶望的なこの状況に、前田は、笑っていたのだ。

僕の心は・・・「序章・最後」
和田 11/18(土) 21:42:36 No.20061118214236 削除
前田には、父親がいません。

幼い頃に、死んだと言っていました。

そんな前田を育ててくれたのが、前田の祖父母でした。

母親は、・・・・その話をすると、ひどく辛くなるらしく、あまり話したがりません。

ただ一言、前田はこう言いました。

”淫乱女”と。

9歳まで前田は母方の実家で、母共々暮らしていました。

母親は、父と別れてから変わりました。

日替わりで違う男が通う日々が続いたのです。

母が裸で乱れる姿を、ほぼ毎日見ていた前田を私は、可哀相だと思いました。

しかし前田に言わせると、そんな事はたいした問題ではなかったそうです。

そんな母親でも、たまには前田を遊園地や外食に連れて行ってくれる事もあったからだそうです。

そんな事よりも何よりも、母がいてくれる事、たまにではあれ、優しい微笑を自分にだけ向けてくれる事の方が、何よりも幸せを感じていたからです。

しかし、ある夜、前田は聞いてしまいました。

夜中にトイレに行きたくなり、祖父母と眠っていた前田は、静かに部屋のドアを開けトイレに向かいます。

トイレに向かう途中で、母の部屋から声が聞こえてきました。

母が帰ってきたと思い、嬉しくなった前田は、今日は母と顔を合せていなかった事もあり部屋に入ろうとノブに手をかけた時、母が誰かと話している声がした。


「殺したいなら殺せよ、別に生きている意味もないからなっ」

『あんな子なんて愛してなんかないわよぉ、生んで損した気分よ。あたしが愛しているのはあんただけよ』

「あんたの女に手を出したんだ・・・殺せよ・・殺してくれぇぇ」

次の日、前田の母親は・・・2度と帰っては来なかったそうです。

これで、やっと楽になれる。生まれてきてはいけなかった自分をリセットすることができる。前田は、ようやく自由になれると思い、涙すら流したようだ。

しかし、そんな前田の思いとは別の言葉を、父は吐く。

「明日から、私の下で働け。お前の命は、私が貰ったんだから、文句も、言い訳も許さん」


「坊ちゃん、その時から自分の命は親父のものです。ろくでもなかかった自分を、ここまでにしてくれたのは親父の”あの時”の言葉だけなんです。そんな親父が最後、『暁のサポートを頼む』と言ったんです。自分はそれを、この命が尽きるまで守り続けます」

前だの、過去の辛い話と、彼の決意を静かに聞いていた私は、自分の思いを、ゆっくりと、冷静な声で話し始めました。

「俺はね、父さんがヤクザだったて事をずいぶん前から知っていたんだよ』

「えっ!!」

前田の顔が驚いた表情になった。

「俺には、友達がいない。小学校から・・もっと前からいなかった。小学校に上がる前だったかな、公園でいつものように遊んでいたら、その子の母親が血相を変えてやって来て、その子を連れて帰った事があったんだ。それ以来、その子は、僕と、口も利いてもくれなくなった。今思えば多分その子の両親が、父さんが”ヤクザ”って事をどっかから聞いたんじゃないかな・・・それ以来、その子だけじゃなく、今まで中のよかった子まで俺を避けるようになった」

・・・悲しかったです。

昨日まで仲良くしていた友達が、一夜にして、僕を避けるようになったからです。

今考えれば、親に釘を刺されたのでしょう・・”あの子とは、遊んではいけない”と。

「それは、小学校、中学校になっても変わらなかった。声をかけてくる奴はヤンキーばかり。あの時は俺も荒れてた頃で、誰かれ構わず人を傷つけて、上辺だけで付き合っている様な連中といたんだ」

「坊ちゃん・・・・」

前田の目からは涙が見える。

「俺は、自分の子にはそんな思いをさせたくないっ!!」

初めて、人前で涙が出ました。

それから、肩を震わせて嗚咽を吐く私に、前田は静かに口を開きました。

「・・・分かりました」

前田はその後、静かに私を抱きしめ、私が落ち着くまで一緒に泣いてくれました。

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