和田 11/20(月) 14:27:12 No.20061120142712 削除
その日を境に、ますます私はクラスで孤立していきました。
クラス全員の目がまるで、腫れ物に触るような・・・もう、ここには自分の居場所なんてありませんでした。
父を恨みました。
父さえヤクザじゃなかったら・・毎晩のようにベットの上で思い悩む日々が続き、家の中では、その事を悟られないように必死で作り笑いをする子供になっていました。
普段は、とても家族を、そして私を大事にしてくれていた父を恨む事で、心の安定を保っていた私でしたが、やはり本当に嫌いになる事ができず、また一人で苦しむしかありませんでした。
あのままの状態が続いていれば、私は壊れていたでしょう。いや、死んでいたかもしれません。
そんな私を救ってくれたのが[静香]でした。
彼女は、優しい子でした。大人しい性格で、引っ込み思案なところもあった為かあまり友達もいませんでした。そういう意味でいえば、私たち二人は似たもの同士なのかもしれません。
中学に上がっても、初めの内は、話しかけてくれる奴もいましたが、結局どこからか噂を聞きつけ避けるようになる。熱心に声をかける奴らは大抵ヤンキー連中ばかりで、自棄になっていた私はそんな連中でも、話してくれるだけましと思い付き合うようになっていきました。
しかし、上辺の付き合いには、本当に自分が望んでいるものを満たす物は何もなく、タバコをふかし、かつ上げに喧嘩、シンナーにドラッグまでする連中に愛想を尽かしても離れようとはしませんでした。
そんなある日、私は他校の生徒と喧嘩になり、囲まれてボコボコニされてしまいました。何とか公園につき、痛む体を押してベンチに座りました。ボーっと、さっきの出来事を思い出しました。
コンビニでたむろしていた他校の生徒二人に、最初に絡んだのは私の連れ達でした。こっちは4人、気を大きくしていた連れの一人が何やらいちゃもんをつけて相手を挑発しています。その時コンビニの中から、4人の男が出てきました。そう、彼らは2人じゃなく中にも仲間がいたのです。当然相手も大きく出てきます。さっきまであんなに威張っていた連れたちは、まるで借りてきた猫のようでした。
(全くこのアホどもは・・・)
それまで興味なく事の成り行きを見ていた私は、しょうがなく事を納めようと、連れの前に立ち話し始めました。
「頭同士、タイマンでいいな。こっちは俺が出るからお前等も・・・・・」
その瞬間でした。私の連れ達がいっせいに逃げ出したのです。呆然とする僕を横目に一人の連れが逃げる途中で声を上げる。
「そいつの父親はヤクザだぞ!!手を出したら殺されるぞ!!」
その後、そんな事を信じるわけがない彼らによって私はリンチにあったのです。
(そうさ・・・こんなもんさ・・・上辺だけの付き合いだって事、最初から判ってただろ・・・ははっ・・馬鹿みたいだ・・)
鼻血を指で拭き、一人自虐の涙で咽びました。その時でした、
「あっあの、こっこれ、よかったら・・・・・」
目の前には、大きめの目をわずかに潤ませ、真綿のように柔らかそうな唇で僕に話しかけ、持っている白いハンカチを差し出す一人の少女がいました。
それが、”杉本静香”との出会いでした。
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