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北原夏美 四十路 初裏無修正

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[Res: 45877] 器3 Tear 投稿日:2009/09/20 (日) 06:58

その日は「気にし過ぎかな」とも思いましたが、とりあえず妻が風呂から上がってくるのを
ベッドで待っているうちに、いつの間にか寝入ってしまいました。

私が次に目を覚ますとすでに翌朝でした。

昨夜のことを少し考えたのですが、朝になってしまうと気持ちが落ち着き、昨夜の現実感も
薄れてしまってました。

なんとなく『夜』が、このちょっとした出来事に勝手な事件性を含ませ、私の気持ちを昂ぶら
せたかの様な気さえしていました。

この日は私も妻も休みでしたから、私は妻を寝かせたままリビングのパソコンに向かって、
ゆっくりとニュースなんかの記事を読んでいました。

あとから起きてきた妻は、私が沸かしておいたコーヒーメーカーからポットを取って、自分専
用のマグカップにコーヒーを注ぐと、ひと口だけ口をつけてから言いました。

「おはよー 車取りに行きたいから(会社まで)乗せて行ってくれる?」

「うん いいよ タクシーで帰って来たの?」

不意に出た言葉でした。
車を置いてきたということに対して、何も考えず反射的に『タクシー』という言葉が飛び出し
ただけでした。

私は「あっ」と思って、パソコンから目を離して妻の方を向くと、妻は私の顔を一瞥してから、
「そうよ」
と答えたのです。

妻はそのままマグカップをテーブルに置いて、
「パン 焼くね」
と背中を向けてキッチンへと入って行きました。


妻の返事、妻の声が耳に残り、ツキンとした痛みが胸に走りました。
何事もなかったような朝でしたが、私の心に雲がかかりました。

簡単な朝食を済ませると、妻を乗せて妻の会社へと向かいました。
言葉少ない私に妻は
「何か機嫌悪い?」
と聞いてきましたが
「べつに」
というだけでした。

現場をはっきりと見たのなら、はっきりと妻に言えるのでしょう。
でも疑いだけでいったん聞いてしまうと、浮気をしているのならば、その行動はより慎重に、
証拠は跡形もなく、そして私だけでは手に負えなくなるかもしれません。

ハンドルを握って正面を向いたまま、妻に言いました。
「飲みごとでもあまり遅くなるなよ」

助手席の妻がちらっと私の方を向いたのが分かりました。
「・・・は~い」


後先を考えると、この時の私から言える精一杯の言葉だったのです。

まだ結婚して2年。
私はようやく30代になり、妻はまだ20代後半。
そろそろ子供でも欲しいなと思っていた矢先での妻に対する不安。

妻の言動の矛盾がこの不安をかき消す事を許さなかった。

不意に出た『タクシー』という言葉。
あの時に聞かなければ、恐らくずっと聞くことはなかったはずだった。

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