死神 8/25(金) 23:09:53 No.20060825230953 削除
-----妻の最後の手紙----
あの日貴方が玄関口で倒れた時、私は救急車の中で
貴方が言った愛しているという言葉を聞き
初めて貴方に愛していると言われた時のことを
思い出していました。
私が忘れていた気持ちを取り戻した時
私の前に広がっている絶望の淵に気がつき
自分の過ちを・・・どこで間違ったのかのかを
気がついたのかもしれません。
私の人生が狂ったのは決してホテルで乱暴されたからでは
無いのです。私は私自身で貴方を裏切ることを
選んだ時から貴方に平気で嘘をつける人間になってしまった。
貴方には謝っても謝り切れないほど酷いことをしました。
もう元には戻れません。
貴方の人生にご多幸があらんことを
諒子
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手紙には離婚届が同封されていました。
私は何も言えず、ただ妻のことを考えていました。
それでも私は妻を愛しているのだろうかと
幾度も自問自答しました。
妻を取り戻したい、私の妻は諒子だけだ
何度考えてもそう思えました。
私は何としても妻に会うべく義両親に
妻に会わせてくれと詰め寄りました。
最初妻の両親は答えをはぐらかし
妻の居場所を教えようとはしませんでした。
私は「なら何としても調べてやる。興信所を使っても
妻の手紙から大体の場所は分かってるんだ
このまま離婚なんて納得できるか!」
と言い義父兄の住所が分かるものを調べ始めました
義父が止めるのも聞かず、電話帳を調べ
はがきを調べ義父兄の住所が分かると
とうとう義両親も観念したのか
肩を落としながら義父が
「勇君・・・すまないあの子は今兄のところにはいない」
「どういうことですか!?今諒子はどこに?」
私の剣幕に義母が驚き
「勇さん諒子は・・・」
というと義父が義母を制し
「あの子の行き先はおそらくあの男のところだろうと思う。」
「あの男?店長のことか!?」
「そうだ・・・あの男は、すまない私達が馬鹿だったんだ
私達があの男の脅しに乗ってしまったばっかりに・・」
「脅し?」
「私はあの子のことを思ってあの男と話をつけ様とした
このままあの男に証拠を握られたままでは、諒子は君のところへ
戻れない、だから私はあの男に金を・・・」
「お父さんまさか・・・」
「あんな卑劣な男がいるなんて・・・」
「お父さん落ち着いて事情を話してください」
「私はあの男を探し出し一切関わらないことを約束してくれと
話に言ったんだ。こちらから訴えないことと引き換えにと
そうしたらあの男は
『訴えるのはあなた達ではなく旦那さんでしょう?
そうですね旦那さんに訴えられたら仕方ないでしょう
でも旦那さんこのこと知ってるんですか?
知らないなら気の毒だから俺が教えてあげようかな』
とあの子の卑猥な写真を取り出し
『これがいいな・・・教えるだけじゃ信憑性無いから
これも一緒に送ることにしよう』と言うのだ。
私がそれだけはやめてくれ!と頼むと金を要求され仕方なく・・・」
「何故!何故ですか!私に相談してくれればこんなことには・・」
「もうこれ以上あの子を傷つけたくなかったんだ!」
「いくらです・・・全部で」
「積もり積もって500万ほど・・・」
「1回じゃなかったんですね?でも何でそれが諒子がいなくなる理由に?」
「あの子は知ってしまったんだ私達が脅されているのを・・・
それで私に隠れてあの男のところへ会いに行ってしまった。
そしてまた隠れてあの男と会っていたんだ・・・私達は元気を取り戻したと
思っていて・・・兄の店で手伝いをしていたからまったく疑ってなかった
まさか夜に抜け出して会っているなんて・・・そして気がついたらあの子は妊娠を・・・」
「何ですって!?」
私は目の前が真っ暗になるのを感じていました。
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