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北原夏美 四十路 初裏無修正

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[Res: 79197] Re: 赦さない・・・④ ヨシキリ 投稿日:2012/06/23 (土) 14:15

2日後、横山氏に連絡を入れ週末の予定を聞いた。
土曜日なら大丈夫という事で、私の考えを伝え、今後の事をお願いした。

次に、妻の実家に連絡をして“大事な要件がある”ので、土曜日に来てほしいと伝えた。


土曜日の午前中、妻に向かって話し始めた。

私「これから、お前の両親が来る事になっているから」
妻「どうして?」
私「もう終わりにする為だよ」
妻「なんで!どうしてなの」
私「お前だって分かっているだろ、やり直せる訳ないって」
妻「そんな事ない!」
私「俺はお前を許せない、許す事はできないんだよ!」

妻は号泣しながら「なんで、なんでなの」と私を見て繰り返し言った。


私は妻に向かって一方的に話した。


やり直せるはずもない、こんな生活をなぜ我慢しているのか、お前には何か理由があるんだろう。
世間体を気にしているのか?
俺の事を本当はどう思っているのか?
まだ寺岡の事を信じ連絡を待っているのか?

俺にとっては、そんな事全てどうでもいい事なんだよ。
お前が何を考え何を言おうが、そしてどう償おうが、お前のやった事を俺は絶対に“赦さない・・・”

そりゃぁ、アイツは救いようがない馬鹿で卑劣な男だよ。
でもな、俺を裏切り苦しめたのは、お前なんだよ。
お前さえ馬鹿な事をしなければ、普通に暮らせていただろうよ。


時間が経ち、涙が少し収まってきた妻が話し始めた。

妻「それじゃ、なんで様子を見ると言ったの?償う機会をくれたんじゃないの」
私「お前がアイツと不貞をしていた間の、俺の気持ちが分かるか?」
妻「・・・・・」
私「お前は自分さえ良ければと考えていたんだろ?だから俺も自分本位の2カ月を送らせてもらったよ」
妻「・・・・・」
私「俺に対して償える事なんてないんだよ」


そのまま2人共黙り込んだ。


約束の時間になりチャイムが鳴った。
玄関に行き、私は横山氏を迎え入れた。

少し遅れて妻の両親が来て、横山氏を紹介した。
弁護士と聞き、顔が強張ったままソファーに座った。
妻は終始下を向き、無言のまま項垂れていた。


横山氏は両親に今回の出来事を順を追って、事細かに資料を見せながら説明した。


横山氏の話しが終わると、いつもは物静かな義母が立ち上がり、妻の頬を平手打ちした。

義母「なんて馬鹿な事を!馬鹿!馬鹿!」
そう言いながら、妻の髪の毛を鷲掴みにして揺すった。
妻も義母もその場に泣き崩れた。

血の気が引き、歯を食いしばっていた義父が土下座をして
義父「吉次君、本当に申しわけない」
そう言うとしばらくの間、頭を上げる事はなかった。

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