[41415] 気持の置場に 16 レタス 投稿日:2009/04/12 (日) 06:34
その日友人と別れた後の帰宅途中、携帯に送ってもらったその写真を何度も見ました。
恐らくは写真を撮るようにしたのは新垣でしょうが、そうこうすることによって妻への征服感も高めていたのかもしれません。
実際は写真だけでなく、江口のように他の男にも抱かせて妻への支配欲を充たしてもいたのでしょう。
それに女の悦びを感じて新垣に挿入されている妻。
妻の居場所を探知していた頃には、少しの興奮さえ感じていた私でした。
しかし、今までの妻と新垣が私に対してとった態度を思い出すと、興奮どころかバカバカしさを感じてしまってました。
この携帯の写真は、妻に見せつけたとしても『他人のそら似』で終わらせることでしょう。
私はこの写真を証拠として使うつもりはありませんでしたが、もしもの為に手元に置いておきたかっただけです。
扉を開くと我が家独特の匂いがします。
リビングに行くと妻が起きていました。
「お帰り」
私は黙って荷物を置いてスーツを脱ぎ、シャワーを浴びました。
シャワーを浴びながら、今までの妻との生活を思い浮かべましたが、落ち着いて考えているわけではないので、かえって頭の中が
整理できませんでした。
バスタオルで体を拭きあげ、着替えて妻の横に立つと妻は
「どうしたの?」
と問いかけてきました。
私は自然と口から出た言葉が
「お前、新垣さんと一緒になるつもりはないのか?」
でした。
前も同じようなことを聞いて『ない』と返事した妻でしたが今回は違っていました。
「どうして新垣くんのこと、そんなに気にするの?」
「お前がそうしたいんだろうと思ってね」
「浮気してるか疑ってるんでしょ。それに知ってるんだから、あなた会社で上司にまで相談したらしいわね」
「俺が相談したかったわけじゃないけどね」
「なによそれ、とぼけた言い方して。新垣くんが上司に変なこと聞かれて迷惑かけたじゃない」
「もとはあっちが俺に仕掛けてきたんだろ」
「どっちにしたってそういう噂が会社で流れたら、私だって困るのよ。なに考えてるの。あなた頭おかしいんじゃない?」
妻は感情が高ぶって、語気がどんどん強くなっていきました。
私は逆ギレの状態の妻に対して『相手できないな』と思ってさっさと寝室に入りました。
『仕方ない。もう・・・・』
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