[41559] 気持の置場に 18 レタス 投稿日:2009/04/16 (木) 09:24
私が人事部長に話をしてから、数日後に明らかに妻の様子がおかしいと感じた日がありました。
元気がないというか、動作が緩慢で表情も暗く、まったく言葉を発しませんでした。
私は『何かあったな』と分かりましたが、何も声をかけませんでした。
その日妻は食事さえとらなかったようでした。
翌朝、朝食の時間にさえ起きてこなかったので、私が子供と自分の食事の用意をして簡単な朝食を済ませました。
子供が学校に行く時間に起きてきた妻は、
「行ってらっしゃい」
と、気だるそうに言って、朝からため息をつきながらダラダラとした感じでコーヒーを沸かし始めました。
この居心地の悪い空気が嫌だったので、私はいつもより早い時間に家を出て会社に行きました。
その日の午後のこと、人事部長から直接私の携帯電話に連絡がありました。
すぐに呼ばれた会議室に入ると、人事部長と直属の上司である△△部長の二人が座っていました。
△△部長までいることに少し抵抗感がありましたが、人事部長が私を座らせるとすぐに話しはじめました。
「内容はわかってるだろうけど、あなたの奥さんの事についてだ。非常にデリケートな内容のため、私が誤った伝達や不適切な説明が起きないように、また起きていなかったことが証明できる
ように△△部長に同席して貰いました」
私は
「はい」
とだけ返事しました。
「結論から言うと、残念ながらやっぱり奥さんは浮気をしていました。それもあなたの言う通り新垣とは結婚前から今まで続いていました」
「そうですか。。。」
「あなたから相談を受けたあとに、新垣と奥さんのメールサーバーの履歴を確認したんだけど、怪しい内容のものは見つからなくてね。それで携帯の写真が流出している可能性を考えて
そこを重点的に調べさせていたら、2、3人やり取りをしているヤツらが見つかってね。そいつらは新垣と仲がいいわけじゃなかったので、言いかえると社内的にもかなり流出しているってことだろうね。
結局そいつらをひとりひとり呼び出して、出所をさかのぼって調べていくと、新垣にたどり着くことができました」
写メをPCメールで転送していたのでしょうが、人事部長から呼び出されて勤務時間中に会社のパソコンを使って、ワイセツな写真を閲覧、送受信していたことを注意されると誰も隠すことはできなかったでしょう。
人事部長はしっかりとした目線で私に向かって話を続けました。
「それでね、いろいろと話を聞いていく内に、奥さんの相手は複数人いることが分かってね。これには私も驚いたね」
私は人事部長の話を黙って聞いていました。
「あなたの奥さんの相手は新垣が中心で、その他に特定できたのが江口と森山でした」
私はびっくりして聞き直しました。
「森山って、森山課長ですか?」
「そうだ。申し訳ないがあなたの上司の森山だ。」
私はまったく予想してなかったことに言葉を失いました。
ここで△△部長が話しをはじめました。
「以前キミの話があがっていた時に私が確認すべきだった。森山から、『いろいろ確認したが勘違いにも関わらず、キミが新垣と奥さんの仲を疑って仕事が手についてない』と報告を受け、私がそれをそのまま鵜呑みにしてしまった。すまなかった。」
△△部長は私に頭を下げて謝りました。
人事部長がそれを見て、また続けます。
「森山と新垣はね、入社が1年違うけど、高校の同級生なんだよ」
「そうなんですか。。。酷い話ですね」
「ああ、とんでもない話だ。言葉が適正かどうかは分からないが、新垣と奥さんが不倫の関係であって、森山と江口はそれにあやかった肉体関係という見方をしているがね。 そこでだ。今回のように社員同士での不倫と言っても、
お互いの同意の上なら会社は介入できない」
「オトガメ無しってことですか?」
「不倫や肉体関係だけならね。しかし、新垣、江口に関しては、奥さんの裸の写真を社内に流出させた罪がある。このことを昨日奥さんを呼び出して確認したが、奥さん自身はこれを知らなかった。
その後初めて新垣、江口を別々に呼んだが、不倫関係や写真の事実関係を認めたので、女性社員の裸を意図的に社内に広めた著しく風紀を乱す行為として、二人に何らかの処分が出ることを伝えた。処分の内容はまだこれから検討する段階であったが、今朝、二人そろって辞表を持ってきたのでそれを受理した」
私はじっと人事部長を見つめていました。
「森山については、管理職であるため、自分の部下の妻に対しての不貞の事実というのは会社としても看過することはできない。更に部下からの相談に対する偽証、隠蔽工作を認めたこともあって、未確定ながら少なくとも一般職への降格及び1ヶ月の停職があることを示唆したが、それを聞いてすぐに自ら依願退職した」
少し驚きましたが、このまま会社に残ってたとしても会社側も本人側にも良いことはないと、そんなことも含めて自己都合による退職を勧め、丸くおさめたのだと思いました。
会社を辞めることになった3人と少しでも顔を会わせたくなかったのですが、
「3人については、顧客情報を持ち出したり、データの消去や破壊をさせないように、仕事も机も今の状態のままで会社を引き取ってもらった。私物はこちらから自宅に送るし、もう職場に来ることはない」
という説明を聞いて安心もしましたが、会社の厳しい姿勢も感じました。
『引き継ぎはどうなるんだろうか』ということも気になりましたが、愚問になるので聞きませんでした。
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