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北原夏美 四十路 初裏無修正

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未完 3

修司 4/16(木) 07:25:32 No.20090416072532 削除
苛立ちながら車を運転している途中で、私はもうしないと誓っていた番号に躊躇しながらも電話を掛けてしまいます。
携帯のアドレスには里美商会と入れてありました。
万が一、妻に見られてもいいように用心しての事でした。

「久しぶりだな。元気だったかい?
この街に住んでるって連絡くれてたけど、返事しなくて御免な。
もし、よかったらこれから会ってくれないか?ちょっと都合が良すぎるかな?」

「何時か電話くれると思ってた。いいわよ。私のアパートに来てくれても」

私は運転しながら、あの時代を思い出していました。
まだ若造と言われる頃、愛し合っていた女性がいました。
彼女と知り合う前まで何人かと交際をしましたが、これが恋なんだと教えてくれた女性でした。
結婚相手はこの人しかいないと思っていましたが若かった私は過ちを犯し、彼女はそれを許してくれなかった。
軽い気持ちで遊んだのが、ばれてしまったのです。
それも一度や二度じゃなかったので当然だったでしょう。
何度も許しを請いましたが駄目でした。

『凄く愛していたから、如何しても許せない』

最後に聞いた言葉です。
自分が彼女の気持ちを、どれだけ傷付けてしまったか、その時にやっと自分の愚かさを本当の意味で悟りました。
半年も落ち込み立ち直れないでいる私の耳に聞こえて来たのは、もう恋人も出来き幸せそうだと言う話でした。

【女の割り切り方は凄いんだ】と、教えてくれたのも彼女です。

その数年後、愛を育みあった恋人と結ばれと共通の知人から聞かされて時も、大きなショックを受けたものです。
私の傷は癒えていなかったのですね。つくずく女々しい男だと思い知りました。

・・・・・そんな私を救ってくれたのが妻なのですが・・・・・

それが単身赴任中に、ばったり会ったのはスーパーで買い物をしている時です。
何を食おうかと物色していると『久し振りね』と声を掛けられ振り向くと彼女が立っていたのです。
別れた時と少しも変わらず、いや、もっと大人の魅力を纏った姿は美しかった。
こんな所で会うなんて、運命的なものさえ感じたものです。
時間が経ちわだかまりも消えていた私達は、スーパー内の喫茶店で今の境遇を話し合いました。
驚いたのは彼女が離婚したと聞いた時です。幸せに暮らしていると思っていただけに飲み込もうとしていたコーヒーが喉で止まり咽そうになるのを、笑いながら見つめる
彼女に暗さはありません。

『夫の仕事でこの街に来て離婚し、そのままここで暮らしてるの。子供が出来なかったし気楽なものだわ』

あっけらかんとしたものです。

『貴方のせいなのよ。あの時本当に苦しかった。忘れようと付き合った人と結婚したけど、そんなの駄目ね』

悪戯っぽく微笑みながら男殺しの台詞を吐く彼女が悪魔に見えました。
頭の中はもう、あの時代に戻っています。割り切りが早かった訳じゃなかったのか。

『今でも済まなかったと思ってる』

私がそう言うと

『思っているなら何時か食事でも奢ってね』

何日か後に教えてくれた番号に電話をして食事をしましたが、青春時代の再来です。
それでも一時の浮気を許さなかったこの人に、妻帯者の私がそれ以上踏み込めなかったのですが、休みの日なんかに部屋を掃除して
くれ食事も作ってくれる彼女と、男と女の関係を結ぶのは自然にも思えたものです。
家から遠く離れ何ヶ月かに一度位しか帰れませんし、仕事を持つ妻も滅多には来られません。
そんな渇きを抑えられなかったのです。

『私って悪い女ね。奥さんがいる人とこんな事をしてるなんて。
あの時もっと大人で貴方を許せたらよかった』

妻への後ろめたさと、この時間が永遠に続いてくれればいいと思う気持ちが入り乱れて何も答えれません。
しかし、そんな時間が長く続く訳がありません。
欠員が出たとかで本社に戻らなければいけなくなってしまったのです。
それを伝えると悲しそうに呟きました。

『こっちで仕事探せばいいのに・・・・貴方には無理よね・・・・分かってた』

【若かりし頃、彼女から別れを告げられ、今度は私から告げるのか。
本当に縁がないのかな】

何もかも捨てて、ここに居たい気持ちなのですが私には出来なかった。
しばらく連絡がありませんでしたが、帰る数日前に部屋を訪ねてくれました。
引越しの準備が済んだ寒々しい部屋の中を見て、綺麗な瞳に涙を浮かべています。

『本当に行っちゃうのね。寂しい。ここに居て欲しい。別れたくない』

『・・・ごめん・・・』

思いっきりビンタをし、飛び出した彼女を追う事はしませんでした。

【追ったら帰れなくなる】

一度ならず二度も傷つけてしまった。私も涙がこぼれ出る顔を両手で覆い、その場にしゃがみ込んで声を出して泣きました。
あんなに泣いたのは何時以来だったでしょうか。

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