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北原夏美 四十路 初裏無修正

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未完 10

修司 5/7(木) 14:59:27 No.20090507145927 削除
色々な感情が心の中を渦巻いていますが、何処かに冷たい部分があるのは何故だろうと考えるのです。
きっと、今の状況を完全に理解していないからだろうとも思っていました。
少し時間が経てば冷静な部分もなくなってしまうのかと怯えにも似た気持ちで妻を見詰めていたものです。男も何も喋りません。後は妻が如何出るのかを、男二人が待っているような妙な雰囲気です。まるで道化師だ。
何故に夫婦の間に他人が介入し、こんな修羅場の登場人物を演じなければならないのか。

「お前が起こした問題に俺が巻き込まれ、こんなガキに舐めた口を叩かれるのは惨めな気分だよ。
遣った事の尻くらい自分で拭くんだな。俺はどっちを選ぶんだなんて言わない。
好きにすればいいさ。黙っていないで自分で決着をつけろ」

私は立ち上がり男を睨みつけると、向こうも同じ態度なのです。
思わず相手の頬にビンタを張ってしまいました。

「痛いな。まぁ、この位は仕方がないか」

向かってくる素振りもなく、にやけた表情で言ってのけました。
その態度にキレてしまい拳を振上げた時に妻が割って入るのでした。

「石川君、帰ってちょうだいっ!貴方もこれ以上乱暴はやめてっ! 此処からは夫婦の問題なのっ!」

男が殴られるのを庇ったのか私を不利にしたくないと思ったのか、そこまでの気持ちは分りませが面白い気分ではありません。

「夫婦だけの問題では済まされなくなっている。簡単に考えるな」

妻の言い分には納得しかねます。

「簡単になんて思っていません。でも今日はこれ以上・・・・」

「課長、いいんですか?また同じ事を繰り返すんですよ。
僕と一緒になりたいと言った事もあったでしょう。
せっかくチャンスなのになぁ。まぁ、帰れと言うんなら今日のところは帰りますが、
ご主人に、こんなプレゼントを持って来ました」

持ってきていたバックの中から、DVDを一枚取り出しています。
妻はその内容を知っているのでしょう。必死に取り上げようとするのでした。

「あんた何故そんな物をっ!」

この内容がどんな物なのか知ってるからの態度です。
私だって想像はついているのです。奇麗な風景画を置いて行くわけはありません。
妻との情事を映したものだと思います。まったく何なんだこの二人は。
見てみなければ分りませんが、撮影を許可したなら情事の時は私の事等忘れ若い肉体に溺れた結果です。

「この期に及んで見苦しい真似はするな。有り難く貰っておくよ」

「見れば、きっと決心がつくさ。男ならな」

男は冷たい笑顔を私に向け帰りました。妻の方を見ると青白い顔をして放心状態です。

「此処でもしていたんだ。馬鹿にするにも程がある。許せない事だぞ。
これからの身の振り方を考えた方がいいかもな。せっかくのプレゼントだ。
ゆっくり見せてもらうよ」

私も男を見習って冷たい笑みを浮かべて声を出しましたが、かすれ気味で様になりませんでした。

「・・・・貴方・・・それ見ないで・・・・」

訴えてるのではなく、一人語との呟きみたいな声でした。
如何すればいいのか分らないのでしょう。身体が小刻みに震えているのが分ります。
隠しておきたい全てが白日の下に晒されると知ったら、こんな風になるものなんでしょうかね?
私の性格を熟知しているだけ尚更なのでしょう。
見て欲しくなくても止める事なんて出来ない。
それが、年下の男とのセックス場面と来たら堪らないでしょう。
でも、それは妻が望んで行った行動なのですから仕方がないですよね。

隣室に入りパソコンを立ち上げ、DVDをセットし再生してみました。
そこに映し出されたものは、何処か分らない部屋で恥ずかしそうに微笑む妻の顔の
アップ。
何時もと違い化粧も濃く派手目にしています。
カメラは徐々に引いて行き、全身を映そうとしているようです。

『こんなおばさんにエッチな格好させてカメラで録るなんて。信ちゃん、悪い趣味よ。
本当に悪趣味。私、恥ずかしいのよ。
ねぇ、信ちゃん。そんな事より、早くこっちに来てよぅ』

年下の男に甘えて誘っています。

『そんなに焦らないでよ。由梨絵さんの奇麗な身体を残しておきたいから』

この会話だけで二人の親密度が伺えます。
カメラが妻の全身を捉えると、その格好は確かに卑猥なもので、私は顔をしかめてしまいました。
黒いブラジャーに、私に見せた事もない陰部を隠すのがやっとの黒いTバッグ。
それに、これも黒のガーターベルトに黒いストッキングを吊っています。

【これが男の趣味か。こんな派手な下着は家にはなかった】

年齢に不釣り合いな派手な下着を付けて、若い男との情事に期待を膨らませる女に滑稽さを感じました。
ここまで見ただけで、これから演じられる痴態が頭の中に浮かびますが、こんな下着、どんな顔をして買うんでしょうね。

『まだなのぅ?早く来てってばぁ』

妻の甘えた声が聞こえてきます。

『カメラを固定するまで待ってよ。うん、ここなら全部映るな。お待たせしました』

話振りからも、この男はマザコンなんだろうなと伺えるのです。
女にと言うより、母親に話しかけるような口調なのです。
カメラの前を横切って男が前に立つと、妻から抱きついていました。
妻の顎を指で上げさせ唇を重ねるのですが、この時も妻が積極的に見えるのです。
何秒かの口づけなのでしょうが、見ている私には長い長い時間に感じられるのでした。
男の手は背中から胸へ、休み事なく動いています。
口を離すと、いたわるように易しく後ろのベッドに妻を寝かせ、慣れた手つきでブラを外しました。

「少しは抵抗すれよな」

正直な私の気持ちです。お互いの了解の下で行われているのですから抵抗なんかするはずもないのですが、そんなふうに求めてしまいます。
妻の意志ではなく、何らかの事情があって仕方がなく。それなら気持に逃げ道があるでしょう。
しかし、そんな期待を持つ私が甘いのです。

画面の中では、あらわになった乳房を揉みながら、舌を首筋から肩まで丹念に這わせています。

『あぁぁぁぅ・・・気持ちいい・・・あぁぁぁぁぅ』

妻の吐息を洩らしました。こんな声、私はしばらく聞いていません。

薬剤師 37.
津島正義 5/4(月) 19:27:22 No.20090504192722 削除
6月27日、マンションから自宅へ帰る途中、7月4日に会う約束を迫られましたが、その日は私が帰国する予定になっているため、妻は断りました。

 その代わりとして村澤から翌週の7月11日に夜のデートを約束させられました。旦那にもっともらしい理由をつけて外出しろと言うのです。

「これがあなたの留守中に私が取った行動のすべてです。この3ヶ月弱の間、私は取り返しのつかないことをしてしまいました。あなた、ごめんなさい。」と言って妻はまた床に這い蹲り頭を床につけて謝っています。

「俺が中国で苦労しているときに、菜穂子は、他の男に抱かれ性の快感に溺れていたのか?村瀬のオチン〇ンをいじくった手で俺に料理を作ったのか?村澤に散々抱かれた身体を昨日俺は抱いたのか?」俺は怒りと嫉妬で散々妻をなじりました。

「ごめんなさい、ごめんなさい。」妻は涙を流しただ謝るだけです。

「菜穂子は不倫をどう考えているんだ?良いことなのか、悪いことなのか?」
「……悪いことです…してはいけないことです…。」

「悪いことと知りながらなぜすぐに止めなかった?」
「…あなたに申し訳ないと思っていましたが……止められませんでした、ごめんなさい……。」


「不倫したのも不倫を続けていたのも媚薬のせいなのか?」
「その影響があったかも知れませんが、媚薬のせいにはしたくありません。私が本当にバカだったんです。警戒心が薄く村澤にスキを突かれてしまいました。意思が弱くてなかなか止められませんでした。お詫びする以外にありません………ごめんなさい。」 

「俺がまだ帰国しなかったら、不倫を続けていたんだろ?」
「はい、少しは続いていたかも知れません。でもあなたの帰国がもし伸びたときには、私は牙を剥くつもりでした。村澤の脅迫に屈していたのはあなたの帰りが分かっていたからで、それまではと堪えていました。この原稿用紙の最後に弁護士事務所、警察、三嶋社長の自宅、村澤の自宅などの住所リストがありますよね。これはいざというときに使おうと思って作ったんです。
 既に弁護士事務所の中島民雄先生に相談しております。もしあなたの帰国が遅れた場合、思い切ってすべてを中国にいるあなたと、三嶋社長や村澤本部長の奥さんにお話するつもりでした。必要なら警察にも相談するつもりでした。」

 「俺の帰国を待たなくても、中島先生と相談した後も、村澤と淫乱な関係を続けていたんだろ?ヤツとの関係を絶つため何故すぐ行動しなかったんだ?別れる決心をしながら何故俺の帰るまで村澤と淫らな関係を持ち続けていたんだ?」私は素朴な疑問を妻にぶつけてみました。

 「今考えれば村澤本部長とすぐ関係を絶つべきであったと思います。実は中島先生からも、手を切るのは早いほうが良い、と助言されていたのです。でもあの時は、これだけの重大な過ちを犯してしまったのですから、電話やメールではなくどうしてもあなたの前ですべてを告白し謝罪すべきだと考えていました。ですからそれまではと思っていたのです。」と妻はスラスラと答えました。

どうも私の前ですべてを話して謝罪するという形式を妻は重んじたようなのです。私には疑問が残るのですが、全体像を知るため話を先へ進めることにしました。

「村澤が好きではなかったんだな!」
「仕事はできるし、私を女としてみてくれました。ちょっと言いにくいのですが、性の悦びを教えてくれました。ですから最初の1カ月半ぐらいはあの人に好意を持っていました。」妻は正直に言っているのですが、その答えが気に入らなくて、私はまた怒ってしまうのです。

「それじゃ村澤を愛していたのか?」
「違います。愛したことはありません。私が愛しているのはあなただけです。信じてください。」妻は必死に訴えました。

「愛していないけど、好意を持っていた?それはどんな感覚なんだ?俺にも分かるように説明してくれ!」

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