修司 10/11(日) 18:32:02 No.20091011183202 削除
待ち合わせ場所に急いで車を走らせ里美を乗せるのでしたが、この歳になっても胸がときめくのは
何か恥ずかしい気がします。
「君から誘ってくれるなんて珍しいね。少し嬉しいかな」
「あれから如何なってるのかなと思って気にしてたのよ。まだホテル暮らし?」
「いや、帰ったよ。別居をしたかったんだけど今は止めた。俺も甘いけど一緒にいるよ。
まぁ、家庭内別居が条件でね」
「う~~ん」
それ以上は触れてきませんでした。
この前のレストランで食事をしていると『何で浮気をしたのかしらね?』一人語とのように呟くのです。
「単身赴任中に女がいただろうってさ。黙って来た時に君のパンプスと部屋の中が整理されてるのを
見て分ったらしい。
相手が誰か気付いていなかったけどね。それは行かなかった私が悪いって言ってたよ。
だけど許せなかったらしいんだ。そんな時に男に甘い言葉を掛けられてついついって所らしい。
よくある話しだよな」
里美の存在を話したとは言えませんでした。
「私の事、話した?」
勘が良いのはに変わりがないようです。
「・・・・あぁ、話した。単身赴任の時に逢ってたのもそうだし、今も逢ってるって」
「そう・・・男の人と違って女が身体を許すって一大決心が必要だと思うの。
少なくても私はそうよ。奥さんだって同じじゃないかな。
それが、何度も関係したのは気持ちが相手に傾いたからだと思わない?
私ね、貴方と別れて結婚したのは見返してやるって気持ちがあったからなのよ。
でもね、全く嫌いなタイプなら一緒にならないわ。
だから何年か生活出来たの。私だって離婚する時には苦しかった。申し訳ない気持ちでいっぱいだったわ。
だって結婚の理由が別れた男を見返す為なんてプライドが許さないわよね。
そんな話した訳じゃないけど伝わっちゃうのね・・・きっと。
そんなんだもの女を作ったって仕方がないじゃない。
だから、私は悪い女よ。一人の人生に傷を付けたんですもね。私達が別れたのは貴方のせいなのよ・・・何てね。
話は戻るけど、奥さんだって同じじゃないのかな?
その本命が誰なのかが問題なんだと思うのね。気分悪くさせたらごめん」
「いや、いいんだ」
「罪悪感は持ってるから、逢いたくなければ逢わないわ。それが貴方にばれちゃってパニック状態になったのは想像出来るでしょう?
自分のした事の本当の意味も分からないで、申し訳ないって言う気持ちだけに支配されてる状態なんじゃないかしら。
そんな時に夫に女が出来そうだなんて聞いたら何も言えない分、何処に心の中の怒りをぶつけたら良いのか・・・苦しいでしょうね。
でもね、修司さん。奥さんが落ち着いた時は如何かしら?もう逢わないっでいられるのかなぁ?
その辺の話はした?してないでしょう?詰めが甘いのよ」
彼女の言い分も分かります。だから私も、その辺は話したつもりでいます。
「言ったよ。現実逃避の道具だから、もう逢わないってさ」
「もしも一時のアバンチュールじゃなくて、気持まで結ばれてたら許せるの?」
「きつい事を言うなぁ。耳が痛いぜ。だけど、その通りなんだよね。
他人事みたいに言ってるけど、俺、そんなに強くないから。
でもね、不思議なんだよ。普通は妻に浮気されたら激怒ものだよな。それが本当はそうでもないんだ。
強がってる訳じゃないけど、何か違うんだよ。ショックはショックなんだけど何処か覚めてるんだよな」
【君がいるから】出掛けた言葉を飲み込んだのは、否定されてしまえば支えを失う怖さからでした。
里美を送り家に着くと食事の用意がしてあります。
「外で食べたから要らない。食わない方が多いんだし勿体ないから作らなくてもいい」
「仕事の日は手抜きが多いから気合いを入れたんだけど」
怨みがましい眼差しで不服そうな素振りです。
「洗濯以外は何もしなくていい。そう言わなかったかな」
「そうだけど・・・何を食べてきたの?一人で食べたって美味しくないでしょう?」
さり気なく探りを入れてきました。
「そんな事、如何でもいいだろう。隠す必要もないから言うけど一人じゃないさ。だから楽しく食ったよ」
「・・・・そう・・・・誰と・・・会社の人?・・・」
「女だ。女と食べた。言っておいた彼女とだ。何か文句あるのか?」
「私が言えた立場じゃないけど気分良くないわ。そんな話を聞くと胸が苦しくなる」
「俺も胸が苦しいよ。今回の件も決着がついていないし、お前の方が酷いんじゃないか?」
「・・・もう別れてる・・・決着はつけたつもりよ・・・・」
そんなに簡単に気持ちの整理が出来るのでしょうか?
「あいつから電話があったよ。お前にもあっただろう。
お前は逢いたがってるのに俺が出さないんだろうってさ。
そんなふうに言ってないよな?上手く言い包めてるんじゃないのか?
だから信ちゃんが強気になってるなら俺の立場はないな。
それにな、別れたなら男の部屋に置いてきてる下着や、撮られた画像は如何するんだ?
妻のそんな破廉恥なものを持っている男が存在するなんて夫として許せると思うか?
子供達にだって会わせる顔がないだろう?俺だって情けなくて言えないよ。
だいたい何度も寝た相手と簡単に別れれるものか?また逢いたくなるんじゃないか?」
「・・・・・・・・・」
反論がありませんでした。里美が言った通りなのかと思ってしまいます。
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