弱い鬼 10/11(水) 07:06:33 No.20061011070633
最初は喫茶店などで相談に乗ってもらっていた妹も、昔の付き合いもあって信用し切っていた事から、誘われるまま何も考えずに一人暮らしの彼の自宅に行ってしまいます。
「この部屋で話そうと言われて、通されたのは寝室でした」
ベッドを見て驚いている妹を、彼は後ろから抱き締めてベッドに押し倒しました。
当然妹は抵抗したのですが、まさか彼がこの様な事をするとは夢にも思っておらず、あまりの驚きで体がすくんでしまって、激しくは抵抗出来なかったと言います。
その後は彼に呼び出される度に抱かれ、別居を解消したくても、彼に「まだ別居していろ。その方が俺と会い易いだろ」と言われると彼が怖くて、言う事を聞かざるを得なかったそうです。
「明の何が怖かった?関係をばらすと脅されていたのか?」
「脅されてはいませんでした。でも・・・・・・・・・・」
妹は彼の異常さに気付いたそうです。
「あの時私の事を優と呼ぶの。それで気持ち悪くなった私が拒否したら縛られて・・・・・・」
彼は怒り狂い「俺に抱かれている時は優だ!分かったか!」と言って、縛られて自由の利かない妹の身体を弄びながら、何度も「私は優です」と言わせたのでした。
確かに妹は妻に似たところがあります。
いつも見ている私はそうは思いませんが、知らない人は見間違う事がよくありました。
これは妻が妊娠して拒み続けた事で、妻を抱けなくなった彼は妹を妻だと思って抱いていたのかも知れません。
もしもそうだとすると、これも全て彼が仕組んだ事で、妹も旦那も彼の罠にはまった事になります。
「智ちゃんの旦那は、どこで浮気相手と知り合った?」
「会社を出た時に道を尋ねられ、説明してもよく分からないと言うので、たまたま帰る方向と同じだった主人は、近くまで一緒に行ってあげたそうです。そしたら『お礼にお茶でも』と誘われて、色々話している内に意気投合してしまってメールアドレスを交換したら、毎日のようにメールが来るようになって」
出社時に、会社の前で道に迷ったような振りをして切欠を作るなど、やはり妻の時と似ています。
「俺と関係を持ったのも、明に言われたからなのか?」
妹は申し訳無さそうに頷きます。
「明に脅されたんだな?」
「脅されてはいません。でも・・・・・・」
「でも何だ!」
私の口調が強くなると、妹も叫ぶように言いました。
「写真まで撮られているの!恥ずかしい写真まで撮られていて、明お兄ちゃんに逆らう事なんて出来ない!」
彼は決して直接脅したりはしないのですが、この様な時には必ず不気味な笑みを浮かべながら言うので、逆らうと何をされるか分からないという、威圧感があったそうです。
「離婚するように、勧めて来いと言われたんだな?断わったら俺に抱かれて、弱味を作れと言われたんだな?」
「離婚を勧めたのは、何度も言われている内に、離婚した方がお姉ちゃんもお義兄さんも幸せになれると思ってしまったから。でもそこには、自分の保身もありました。別れを切り出しても聞いてくれなかった明お兄ちゃんが、お義兄さんが離婚を決めたら、お姉ちゃんの為にも私との関係を切ると言ってくれたから。いいえ、そう思い込むようにしていただけで、本当は私だけが逃げたかったのかも知れない」
妹は自分が抱かれていただけでなく、姉である妻も抱かれていたと知った時、猛烈な絶望感に襲われた事でしょう。
妹は半年も苦しんでいた訳で、それも妻の告白により、姉妹揃って彼の毒牙に掛かっていた事を知ってからは並大抵の苦しみでは無くなり、普通の精神状態ではいられなかったと思います。
そのような精神状態の時に、私を説得出来ればその苦しみから抜けられる様な事を言われれば、自分だけの事を考えて行動してしまったとしても、それは責められないと思いました。
「じゃあ俺に抱かれたのは?」
「お義兄さんの家に行く前に、マンションに寄れと言われていたので立ち寄ると『無理にとは言わないが、優に代わって慰めてあげたら?それが姉妹の責任だと思う』と言われて下着を渡されました。それも『旦那は暫らくして無いだろうから、すぐにそうなった時の為にシャワーを浴びて、白いのはここで穿いて行ったら』とまで言われて」
妹は断われずにシャワーを浴びて穿き替えたものの、私と関係を持つ事など出来ないと思っていました。
しかし私の意思は固く、とても説得は無理だと諦めた時に、説得も失敗に終わって何事もなく帰ったのでは、抜けられるどころか今よりも辛い状況になるのではと思い、私に抱かれる事を覚悟したようです。
「朝早くに帰ったのも、そうしろと明に言われていたのか?」
「結果を早く聞きたいからと」
「智ちゃんが指示通り俺と関係を持った事を知って、明は別れてくれたか?」
妹は何度も首を横に振りました。
「お義兄さんの意思は固いと言ったら顔付きが変わって、慰めてやったかと聞かれたので頷いたら、本当かどうか調べてやるから脱げと言われて・・・・・」
「そうか。でも、なぜあんなに事細かに話した?俺の口にした葉までも」
「ごめんなさい。狂いそうだったの。何度もされて、言わないといつまでも終わらないと言われて、聞かれた事に答えないと狂ってしまいそうだったの」
同じ様な事を、妻からも聞いた事を思い出していました。
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