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弱い鬼 10/25(水) 06:39:13 No.20061025063913

彼が帰って落ち着いた妻は「来週も来ます」と行って帰って行きましたが、その後妻が姿を見せる事は無く、電話すら掛けて来る事はありませんでした。
私はそれ以来君江さんとも別れ、妻との思い出が詰まった家に独りでいるのが堪えられずに、1年後には家を売却してアパートに住み、その翌年には働く気力も無くして会社を辞めてしまいます。
その後はしばらく何もせずにぶらぶらしていましたが、私が会社を辞めた事を知った大学時代からの友人に、新しく始めた会社を手伝って欲しいと頼まれて、もう一度人生をやり直してみようと決断して、遠く離れた地方都市に引っ越しました。
そして最後に妻の顔を見てから7年近い歳月が流れ、こちらの生活にも慣れた私は仕事が終って馴染みの定食屋に向かうと、途中にある学習塾の前に2人の少年が立っています。
するとすぐに一台のワゴン車が止まり、助手席から母親が降りて来て一人を乗せて走り去りました。
『こんな時間まで勉強か。今の子供は大変だ。でも今日は週末だから、家族揃って食事かな?』
すると残った方の少年は、車道に一歩出てその車をいつまでも見ていました。
「車道に出ては危ないぞ。誰か待っているのか?」
「お母さんが、帰りは迎えに来てくれるの。でもお母さんはお仕事が忙しいから・・・・・・」
その時横断歩道を走ってくる一人の女性が、こちらに向かって手を振りました。
「ごめん。仕事で遅くなってしまって」
しかしその女性は近くまで来ると急に立ち止まり、落としたバッグを拾おうともせずに、呆然と立ち尽くしています。
その20分後には私の真向かいの席で、大人のカレーライスを頬張る息子の姿がありました。
「辛くないか?」
「辛いけど美味しい」
息子は顔を上げてそう言うと、また一生懸命食べ始めます。
「そうか」
息子は一口食べる度に水を飲み、夢中でカレーライスと格闘していました。
『この子はさっきの幸せそうな家族を、何を思って見送っていたのだろう』
私は眠ってしまった息子を背負い、妻の済むマンションの階段を上っていました。
「今日はご馳走様でした。コーヒーでもどうですか?」
「でも・・・・・・いいのか?」
「この子と2人だけだから」
「2人だけ?」
『いつもこの子は、一人この部屋で母親の帰りを待っているのか』
私は思い切って聞いてみました。
「明とは?」
「彼は・・・・・死にました」
あの日の帰り、彼は駐車してあった大型トラックに、ノーブレーキで突っ込んだそうです。
それは妻に言われた事を考えていて気付かなかったのか、または意識的に突っ込んだのかは分かりませんが、どちらにしても死ぬ直前まで妻の事を考えていた事でしょう。
妻は多くは語りませんが、おそらく自殺だと思っていて、それで責任を感じて会いに来なかったのだと思います。
自分だけ幸せになろうとする事を、悪い事だと思ったのかも知れません。
「やはり彼を好きだったのか?」
妻は俯いているだけで、私の質問に答えてはくれません。
「もういいじゃないか。昔の事だ」
「あなたに悪いと思っても、彼がどの様な酷い事をしても、やはり私は嫌いにはなれなかった。でも彼に対する気持ちは、本当に愛とは違っていたの。私が愛していたのは・・・・・・・」
妻は息子を託児所に預け、出産から1年後には仕事に復帰したそうです。
しかし借りたアパートが私達の暮らしていた家から近く、私が君江さんと続いていると思っていた妻は、近くにいるのが耐えられずに転勤願いを出しました。
そして転勤となった街がここなのです。
私は運命を信じません。
それは何でも運命だと片付けるだけで、成るべくして成ったと思っていたからです。
しかし流石に今は運命を信じています。
この様な偶然があるなんて、他には説明が付きません。
「ありがとう」
「何がです?」
「健太を育ててくれて」
それからの私は、妻が仕事で遅くなる日は息子を迎えに行って一緒に食事をします。
今まで放っておいた時間を取り戻すかのように、休日は必ず息子の行きたい所に3人で出掛けるのですが、まだ父親だとは名乗っていません。
名乗っていないと言うよりは、まだ父親らしい事を何もしていないので名乗れないのです。
妻に対しても正式にプロポーズしたいのですが、息子の気持ちを考えると焦らずじっくり考えて進めようと思います。
そのくせ週末の夜は、息子が眠ると既に夫婦になってしまっている私達です。

コメント

拝見しました。
本当に幸せになってもらいたいと思いました。彼も異常なほどの純愛だったのかも知れませんが、少なくとも三家族を崩壊させたのだから、死に逃げなどさせず、なんらかの償いをさせたかったですね。今は間違いなく奥さんからの愛を感じているでしょう、家族団欒になりますように!

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