とんぼ 9/14(木) 01:57:58 No.20060914015758
タナカ(前回も書いたとおり、この男は本当は違う名前ですが、この投稿ではタナカと表記します)は自分で撮った盗撮画像をいくつかのファイルに分けて保存していました。
私の妻、君恵を映したものはどれだ、と聞くと、タナカは「巨乳人妻」というタイトルのファイルを指しました。
「アホか」
私は呆れて、タナカを睨みました。
そのファイルを開けると、たしかに君恵の写真で埋め尽くされていました。画像には日付が入っており、三ヶ月前のものが最も古いものでした。
洗濯をしている君恵、買い物をしている君恵、花の手入れをしている君恵・・・。
見慣れた妻の姿とはいえ、まったくの他人に映された写真を見るのは新鮮でした。しかも被写体である妻は、自身が映されていることに気づいてもいないのです。その無防備そのままな表情は、たしかに見慣れた妻であるのにどこか知らない女のようにも見えました。
私は写真を古い順にスライド形式でいちいち確認していきました。とりあえず、あまり過激なものはなさそうだったのでほっとしたような、残念なような妙な気持ちでいたのですが、つい一週間前に撮られた一枚の写真を見たとき、どきっとしました。
その写真はやはり生け垣の隙間を縫って盗撮されたものでした。その画面の中の見慣れた居間には妻と、そしてもうひとりの男の後ろ姿が映っていました。
私は瞬間、背筋が冷たくなる想いを味わいましたが、次の写真で男の顔が見えたとき、ほっとしました。
その男は君恵の年の離れた弟、友春に間違いありませんでした。
隣のタナカが私の顔を見つめていました。別に言い訳する必要もないのですが、私は、
「違う、違う。この写真の男は」
と言いかけて黙ってしまいました。
なぜなら、さらにその次にディスプレイに映し出された写真に、君恵と友春が抱き合っているところがはっきり映っていたからです。
衝撃でした。
君恵は背の低い女ですが、弟の友春は180近くあり、体格もがっちりしています。そんな逞しい男がしゃがみこむようにして君恵の豊か過ぎる胸に顔を埋めていました。君恵はそんな弟の首を抱くように抱きしめています。その表情はよく見えませんが、うっすらと微笑んでいるようでした。
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