WR 1/18(木) 17:57:30 No.20070118175730
しかしあまり急激に妻を追い込むと、行き場を失った妻は村瀬に助けを求めるかもしれません。そうなったらそうなったでも良いのですが、折角開始した勝負をもう少し楽しみたい気持ちのほうが今は大きいのです。
木曜、金曜と私はまた必死で仕事と、体調の悪い社長に変わっての接待をこなしました。土日に休日出勤しなくてすむようにです。私はその一方で新しい商品をネット通販で注文していました。金曜の夜に注文した品物が届いているのを確認した私は、妻との2回戦を土曜の夜に行うことにしました。
私は極力穏やかな表情を保つようにし、妻に対しても世間話程度の会話を交わすようにしました。木曜の朝は硬い表情をしていた妻も、徐々にほぐれて来たのか時々笑みさえ見せるようになります。水曜の夜の出来事は妻の裏切りを知ったことによる私の一時的な激しい怒りのせいで、もともと穏やかな性格の私はそんなに長く怒りを継続させることはないと妻は考えたのかも知れません。土曜の夕食の時には妻は私の冗談に声を上げて笑うほどです。
食事を終え、お茶を飲んでいる時に私は妻に告げます。
「ところで例の写真だが、奴に送っておいたからな」
「写真って……」
「香澄が素っ裸でマンコを丸出しにしている写真に決まっているだろう。香澄が汚した赤いパンティと一緒に村瀬に郵送しておいた。今日あたり受け取っているころだろう」
妻の顔がさっと青ざめ、次に真っ赤になりました。
「な、なんてことを……」
「言った通りのことをしただけだ。香澄も納得していただろう」
「納得なんかしていません!」
「俺の言うことには逆らわないんじゃなかったか?」
そういうと私は通信販売で届いた新しい包みを妻に渡しました。
「今日はこれだ。風呂に入ったらこれを着て寝室に来い。言っておくが上からパジャマを羽織るのは禁止だ」
妻は呆然とした表情で紙包みを眺めていました。
「どうしてこんなことを……私がそんなに憎いのですか」
「寝言は布団の中だけにしろ。原因を作ったのはお前だ」
妻はしばらくの間私を睨みつけていましたが、やがて立ち上がり、荒々しく包みをつかむと部屋を出ました。大きな尻を振りながら浴室に向かう妻の姿を、私は横目で追います。
浴室からシャワーの音が聞こえ始めたとき、家の電話が鳴りました。
「はい、渡辺です」
「村瀬です、いったい、ど、どういうつもりですかっ!」
受話器をとると、いきなり村瀬の大きな声が聞こえてきました。
「なんのことだ?」
私はわざととぼけます。
「あ、あの写真は……」
村瀬は怒りと興奮のあまり言葉が続かないようです。
「ああ、香澄の写真か。気にいってくれたか」
「香澄さんには手を出さないはずじゃなかったんですか」
「手を出さないとはいっていない。一線を越えないといっただけだ」
「あの状況で一線を越えないはずがない」
「世の中のルールを守らないで開き直るお前たちと一緒にするな。俺は言ったことはきちんと守る。それとも何か証拠があって言っているのか?」
私が低い声でそういうと村瀬は言葉を詰まらせました。
「それに、この電話は厳密に言えば約束違反だ。香澄とは連絡しない、電話も駄目だというのを忘れたのか」
「ご、ご主人に話すつもりでした」
「香澄が電話に出たらどうする。その時点で約定違反だ。5000万円を請求されてもいいのか?」
村瀬はぐっと黙り込みました。
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