WR 1/20(土) 16:45:19 No.20070120164519
冗談で言ったのですが、村瀬は本当に香澄の写真でマスターベーションに耽ったようです。
「呆れた奴だな」
「香澄さんを虐めないで下さい、お願いします」
「面倒みきれん。香澄の様子が知りたければまた写真を送ってやるからしばらく待て」
私はそう言い放つと、まだ何か訳の分からないことを言っている村瀬を無視して電話を切りました。
(相当イライラしているな……)
私が予想した村瀬の弱点の一つは、彼が妻の身体に溺れ切っていたことです。村瀬は妻と経験するまでは童貞だったそうですし、妻と村瀬とのセックスでは当然妻が教える立場だったことでしょう。
年上の成熟した女体の魅力というのは、ただでさえ一度体験してしまうと麻薬のように引き付けられるものである上、そういうシチュエーションは熟女好みの村瀬にとって理想です。ですから余計に現在の禁欲生活は堪えるでしょう。
私がかつて結婚前の妻と、6年間にわたって遠距離恋愛を貫いたのも、正直言って童貞だからできたことです。一度女体の素晴らしさを知ってしまうと、若くて性欲旺盛な時期に禁欲生活などなかなか出来るものではありません。
私はふとあることを思いついて書斎に向かい、パソコンのスイッチを入れます。そしてワープロソフトを立ち上げるとある文章を打ち始めました。何度か推敲を繰り返して完成させるとプリントします。
次に、携帯電話に装填してあったメモリカードをパソコンのカードスロットに差し込み、先ほどの村瀬との会話を取り込んで、オーサリングソフトで編集したものを再びメモリカードに戻します。
(あと、必要なのは衣装だな)
私は寝室に向かうと箪笥の引き出しを探りました。そして妻が村瀬の前で身につけたという下着を取り出したのですが、奥の方に白い布が丸まっているのを見つけました。
(おや?)
引っ張り出して広げて見ると、それは妻に着せた白いボディスーツでした。妻は昨夜汚れたボディスーツを浴室で洗った後そのまま干して、乾いたものをタンスにしまったようです。
(どうして捨てなかったのかな……)
そんな恥ずかしい衣装を捨てて、誰かに見られるのを恐れたのかもしれませんが、自らを恥辱に追い込んだボディスーツを洗濯して取っておいた妻の心理が良く分かりません。私はそのボディスーツを手にとり、プリントした紙と携帯電話、デジカメ、ICレコーダー、鋏、そして黒いマジックペンを手に持ってリビングに戻りました。
妻はリビングのソファに腰を下ろし、フルートの楽譜に目を落していました。私は妻の隣りに坐ると、例のボディスーツをテーブルの上に置きます。妻の顔色がさっと変わりました。
「香澄はこの衣装が気に入ったみたいだな」
「き、気に入るわけないじゃありませんか」
「そうか、それならどうして捨てずに取っておいたんだ」
妻は咄嗟に答えることが出来ず、パクパクと口を動かしています。私はかまわず続けました。
「村瀬からさっき電話があったぞ」
「えっ?」
妻は表情をこわばらせます。
「香澄のことが気になって仕方がないそうだ。ズリネタに使うから写真をまた送って欲しいとも言っていたな。しかし、そんな状態の奴に、昨日のように俺に抱かれながら気をやる香澄の写真を送ったら嫉妬で頭がおかしくなるかも知れん。だから、奴が気に入るような写真を取り直して送ってやろうと思う。協力してくれ」
「な、何を言っているんですか。彼がそんなことをいうはずがありません。真一さんを侮辱するのもいい加減にして下さいっ」
妻は目を三角にして怒り出します。私はわざとらしく溜息をつくと「嘘だと思うのならこれをきいてみろ」と携帯電話のスイッチを入れました。
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