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北原夏美 四十路 初裏無修正

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柴田 3/5(月) 07:30:05 No.20070305073005
妻は4時30分までに帰って来ているのかどうか分からない。
また心配を掛けるのが嫌で、聞きたくても子供達には聞けない。
ただ私が帰って来た時には必ず家にいるので、早く帰っては来ているのだろう。
子供がいるとき以外は妻とは話さず、これが世間で言う仮面夫婦なのか。
妻もこのままの生活では良くないと分かっているはずだ。
しかし依然謝る事はせず、何を考えているのかさっぱり分からない。
妻の事なら何でも分かっていると思っていた私も、妻の気持ちが分からない事でそのような自信など遠に無くなり、徐々にストレスが溜まっていく。
それと同時に、女性に対する不信感も増す。
まだ子供が小学校だった時に、運動会で隣に妻の知り合いの可愛い奥さんが座ったことがあった。
この奥さんはとにかく大人しく控えめで、人前で話すのもあまり得意でないのか、私達夫婦の話を聞いては微笑んでいた。
そしてお弁当の時間になって子供達が来た時、私はふと不謹慎な事を考えた事がある。
子供がいるという事は、この奥さんもセックスするのだと。
それは当たり前のことなのだが、その奥さんとセックスが結び付かなかった。
周りで大騒ぎしている奥さん達や煙草をふかしている奥さんからは、男に跨って髪を振り乱し、激しく腰を振っている姿が想像出来るのだが、この奥さんからはそのような姿が全く想像出来ずに、それが余計に私を興奮させた。
しかしそれは妻も同じ事で、他の男達からは大人しい妻のそのような姿は想像出来なかっただろう。
その妻が浮気した。
その妻が夫以外の男に跨って腰を振っていた。
それも二人の男と同時に。
その思いが私を女性不信にする。
会社でも、既婚の女性社員にきつく当たってしまう事がある。
妻でさえそうなので、この女も夫以外の男に股を開いているのではないかという思いから。
実際していなくても、誘われれば簡単に夫を裏切ってしまうに違いないと。
考えた事もなかった妻の裏切から、私の精神は病み始めていたのかも知れない。
そして私は恵理を思い出していた。
私に酷い事をしたけれど、それは娘を想っての事で昼も夜も必死に働く母親。
罪悪感も無く平気であのような事をしたのではなくて、娘の望みを叶えたい一心で、今は後悔している本来真面目な女。
しかし最初に会った時、彼女は真っ赤なブラジャーをしていた。
男もいないのに、あのような下着を身に着けるのか。
もしかすると彼女も青山と。
身近にあのような美人で魅力的な身体をもった女がいて、青山が何もせずに放っておくだろうか。
小料理屋に向かう彼女に車の中から声を掛けると、彼女は無視して通り過ぎようとした。
「あなたのお蔭で、私の家庭は無茶苦茶だ」
すると彼女は足を止める。
「もう許して下さい」
「もう許せ?もうって、恵理さんは俺に何の償いをした。妻の相手の名前を教えただけで罪を逃れたつもりか」
彼女はその場で女将に電話し、私の指示通りに助手席に乗ってきた。
「どこへ?」
「色々聞きたい事がある」
私は彼女への欲望を満たそうとしていたが、いざとなると罪悪感で苦しんだ。
それで罪悪感に負けないように、あえて妻が青山と行ったラブホテルに入る。
「いや!私帰ります!」
「誰にも聞かれない所で話を聞きたいだけだ。ここが駄目なら、恵理さんのアパートで話そうか?母親が何をしてお金を作ったか、娘さんには分かってしまうだろうが」
私は彼女をベッドに押し倒し、無理やりキスをしようとしていた。
「嫌です!やめて下さい!」
「暴れるな!どうせ誰にでも抱かせる身体だろ!青山にも散々抱かせた身体だろ!」
私は妻や青山と同じ所まで落ちようとしていた。
無理やり犯そうとしているのだから、それ以上なのかも知れないが。
「抱かれてなんかいません。やめて下さい!」
私は服の上から、彼女の大きな乳房を掴む。
「嘘を吐け!あんな真っ赤な下着なんか着けやがって」
「あれは青山さんに指示されただけです。派手な下着であなたを誘惑しろと、お金を渡されて指示されただけ」
私は乳房を掴んでいた手は離したが、彼女が逃げないように覆い被さったままだった。
「本当に青山とは関係ないのか?」
「別れた主人以外とは、誰とも付き合った事はありません」
「青山に、何を頼まれた?」
私が彼女から降りて椅子に座ると、彼女は衣服の乱れを直してベッドに座る。
「最初は200万で柴田さんに抱かれろと言われました。私がそのような事は出来ないと断わったら、抱かれなくてもいいから誘惑してくれと・・・・娘の事を女将さんに相談していたから、それを聞いて知っていた青山さんは100万払うと言って」
「小料理屋で?でも女将は青山の・・・・・」
青山にとって人妻を落すのはただの遊びで、女将も何も言わなかったらしい。
これまでにも青山は、店が終わる頃に友人を連れてやって来ては、落とした人妻の自慢をしていた。
「それだけの事に、100万も200万も使うのか」
青山は、昔は一晩に200万も300万使う遊びをしていたと自慢していたらしい。
苦しくなった今でも、私達とは金銭感覚が違うのだろう。
「青山から100万もらって、俺を誘ったという訳か」
「お金は友人の方が・・・・・・・」
「その友人というのは今中か?」
「どうしてそれを?まさか奥様も・・・・・・・」
今までにも、何度もこのような事を話していた事があったと言う。
ダンディーな青山が人妻を落とし、お世辞にも格好良いとは言えない今中がその間の資金を出して、あとでその女を回してもらう。
彼女は立ち上がると、服のボタンを外し始めた。
「ごめんなさい・・・・・・今夜だけで許して下さい」
しかし私はそれどころではなかった。
青山の存在が大き過ぎて、今中の事を忘れていた。
ただ青山の誘いに乗っただけで、今中にはそれ程の悪意は無いと思っていたが、この話が本当ならば今中の責任も大きい。
何より気になったのが今中の会社は今中精器で、妻が勤め始めた会社の社名は佐藤精器なのだ。
私は青山の事を気にするあまり、今中の事をすっかり忘れてしまっていたが、そこが取引関係にある会社だとすれば、ただの偶然だとは考え難い。




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