投稿者:MM 投稿日:2004/04/02(Fri) 06:55
5月31日(土)
昨夜から妻が来ています。先週も金曜の夜に来ました。妻からの申し出で、今までとは逆に、た
まに私が帰り、後は金曜の仕事が終わり次第妻が来るようです。あの時は偉そうに言ったのです
が、妻を残して来た事で毎日夜になると妻を疑い、2人が仲良くベッドで話をしている光景が浮
かび、辛い日々を過ごしていました。妻に色々と聞きたいのですが、話せばおそらく嫌味を言っ
てしまうので、妻とは必要最小限の会話しかしません。その事で妻も笑顔を見せずに、暗い表情
で何か考え込む事が多く、更にその事で私は、あの男の事を考えているのでは無いかと勘ぐり、
悪循環から抜け出せません。以前は綺麗な花を見掛けただけでも、笑いながら2時間もその事で
話が出来たのですが、そのような日々は、もう来ないのでは無いかと思ってしまいます。
6月1日(日)
野田とは月初めの日曜に、慰謝料を持って来させる約束をしていたので、初めての慰謝料を、約
束どおり午前中に持って来ました。殴る約束をしていたのですが、妻にその様な姿をもう見せた
く無いので、それはしない積もりでした。しかし、野田の謝る姿を見せるために妻を玄関に呼び、
野田が入ってきて顔を見ると怒りが込み上げ、鳩尾を思い切り殴ってしまいました。その瞬間、
野田ではなく妻が声を上げ、野田は殴られた所を押えて屈み込みましたが、妻がどう思ったかは
気になっても、野田に対しての罪悪感はありません。無いどころか、まだ殴り足りない自分を怖
く感じました。野田は玄関の土間で土下座して謝り、お金を手渡すと足早に帰って行きました。
妻を見ると、野田に対する同情からか、こんな私にしてしまった罪悪感からかは分かりませんが、
涙を流しています。涙の訳を聞きたいのですが怖くて聞けません。妻に対しても、当然まだ怒り
があるのに、妻に悪く思われなかったか気にしている、情けない私がいます。顔を見れば殴って
しまうので妻を気にして、来月から振込みにさせようかと考えてしまう、情けない私がいます。
6月27日(金)
仕事が終わると新幹線に飛び乗り、久し振りに我が家に帰って来ました。妻はあれから毎週来て
くれていたのですが、やはり妻も私も必要最小限の会話しか出来ずにいました。今日着いてから
も、挨拶を交わした程度で、私はお風呂に入ってから、寝室でテレビをぼんやりと見ていたので
すが、しばらくすると風呂上りの妻が私のベッドの足元に座り、深刻そうな顔で話し出しました。
「今日仕事が終わってから、あれから初めて課長と2人で話をしました。ごめんなさい。」
「お前の気持ちに切りを付けるためなら話してもいいと言ったが、どこでどの様な話をした?」
「喫茶店ではあなたに悪いと思ったので、駅のベンチで10分ほど話しました。本当です。」
「いや、疑ってはいない。2人で話をしても隠しておけば、俺には分からない事だから。それを
話してくれると言う事は、正直に話しているのだと思う。」
「ありがとう。あれから毎晩1人で色々考えました。そして分かった事は、仕事が出来る課長に
対しての憧れと、同情から付き合っていたのだと分かりました。課長は女子社員に人気がありま
す。課長に憧れている若い女子社員も多いです。そんな課長にとって私は特別な人間であり、課
長を救えるのは私しかいないという優越感もありました。やはり愛情では無いと知りました。愛
しているのはあなた1人だと言う事も再確認出来ました。愛している人に、なんて酷い事をして
しまったのだと悔やみました。会社で毎日顔を合わせてもお互いに変な意識があったので、それ
が嫌で、もう課長と2人で会っても大丈夫だと思った私は、この事を打ち明けて気持ちを切り替
えようと思いました。課長は分かってくれたのですが、その時に課長から、あの後奥様は子供を
連れて実家に帰り、ずっと話し合いを続けてきたけれど、離婚する事になったと聞かされました。
来週離婚届けを出すそうです。それを聞き・・・・・・・私・・・・・・・。」
「美鈴、どうした?また可哀想になって付き合いたくなったか?自分も離婚して責任を取り、あ
いつと一緒になって助けてあげたいと思ったのか?」
「違います。課長と付き合う事は、もう絶対にありません。あなたと別れたくありません。ただ、
同罪の私だけ・・・・・このままでいいのかと・・・・。課長の奥様は私に対して、慰謝料も請
求して来ませんでした。私はこのままで・・・・・・課長だけ・・・・・・・・・・・・。」
「同罪だからあいつと同じ様に俺と別れたいという事か?慰謝料を取るなという事か?」
「違います。あなたとは別れたくないし、何も悪く無いあなたを、私が傷付けてしまったから、
あなたの気が済むようにして欲しいです。何が言いたいのか、自分でもよく分からないです。何
がしたいのか分からないです。ごめんなさい。ごめんなさい。」
妻は焦点が合わない目でじっと壁を見詰めています。妻自身気付いているかどうか分かりません
が、以前野田の事を彼と呼んでいたのが、課長と呼ぶようになっているので、妻の告白は本当だ
と思います。しかし、妻が見詰める先に何が見えているのか分からず、困惑してしまいました。
離婚すると聞いて最初は不幸を喜びましたが、愛する人と別れた野田に何か不安も感じます。
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