投稿者:MM 投稿日:2004/04/11(Sun) 07:00
7月21日(月)
今日は祭日で休みなのですが、片付けておかなければならない仕事が有ったので、朝の新幹線で
戻り、4時間ほど会社に行ってマンションに帰ると、野田からまた電話が掛かってきました。あ
のままでは終わるはずが無いと思っていましたが、やはり野田は悔しかったようで。
「美鈴さんに電話して、一昨日の事はご主人に言われてそう言っただけで、本意では無い事ぐら
い分かっているから、気にせずに明日からまた一緒に仕事しようと言ったら、泣いて喜んでいた。
その時ご主人はもう帰ったと聞いたので、電話させてもらった。」
「わざわざご丁寧に、ご苦労な事だな。もう切ってもいいか?」
「いや、今日はご主人に忠告したい事があってな。あんた、最後に行った旅行の事が気になるだ
ろ?俺の妻も浮気していた時に1度だけ旅行に行った。やはりその事が1番気になったが聞けな
かった。だからあんたも気になっているだろうと思って電話した。聞いてもたぶん美鈴さんは言
わない。あんな事言えるはずが無い。俺もあんな凄い美鈴さんを見られるとは思わなかった。旅
の恥は掻き捨てとはよく言ったものだ。」
勿論知りたかったのですが、野田から聞かされるのは我慢出来ませんでした。
「誰でもお前と同じだと思うなよ。俺はもう全然気にしていない。相手がまともな奴なら気にな
るかも知れないが、お前ではな。」
「本当か?全て知ってスッキリさせないと、俺の所みたいになるぞ。いいのか?俺はその方がい
いが、あんたが可哀想になってな。」
「お前の所と言えば、昨日お前の別れた奥さんに会って来た。かわいい人じゃないか。俺は玄関
で失礼しようと思っていたが、強引に部屋に通されてな。何か償いをしたいと言うもので、とん
だ長居をしてしまった。帰りにまた会って欲しいと言われたので、いつにするか考えていたとこ
ろだ。別れたのだからお前には関係の無い事なので、黙っていようと思っていたが、丁度良かっ
た。今度いつ子供達を連れ出す?子供達がいると都合悪いので、予定が有ったら教えてくれよ。」
「妻に何をした?何かしたのか?」
「俺はほとんど何もしていないが、あの人は・・・・・・・。それより妻じゃ無いだろ?美鈴と
違ってあの人はフリーだ。お前に何か言われる筋合いは無い。」
野田は電話を切ってしまいました。お互いにまるで子供の言い合いです。幼稚な喧嘩です。しか
し、奥さんの言っていた事と今の野田の慌てようから、まだ別れた奥さんに未練が有ることが分
かりました。
8月23日(土)
あれから1か月ほど経ちましたが、その間変わった事は有りませんでした。野田からの電話もあ
れ以来無く、私が妻を責める事もしませんでした。変わった事と言えば、アルバイトで帰って来
なかった子供達が、お盆には帰って来たので、久し振りに妻の笑顔を見た事ぐらいです。その後
はお盆前と変わらず、妻は笑顔を見せませんし、私も笑う事は有りません。ただ来月からは生活
が大きく変わりそうです。来月初めに挨拶を済ませて、その後本社に帰れる事になりました。も
うそろそろだとは思っていましたが、私の会社は4月の移動が多く、今回は寝耳に水の人事異動
でした。最初は喜びましたが、よく考えてみると手放しでは喜べません。依然妻と2人でいても、
会話らしい会話も無く、妻もそうでしょうが、私も息が詰まりそうでした。来月から毎日その状
態が続くのです。ここで何とかしたいと思った私は、あれからも忘れる事無く、気になっていた
事を知る為に、強硬手段に出る事にしました。
「美鈴、久し振りに来週は2人で旅行に行こう。」
妻は急に顔が明るくなり、嬉しそうに頷きましたが、私のその後の言葉を聞くと、今度は顔が今
まで以上に曇りました。
「前に美鈴があいつと泊まった旅館に行きたい。部屋も同じ部屋にしたいから教えてくれ。他の
日程も同じにしたい。」
部屋の名前か部屋番号を聞いても、本当なのかどうか分かりませんが、忘れたと言って言いたが
りません。どうにか2階の1番奥の部屋である事を聞き出し、予約を取る為に電話すると、夏休
み最後の土日なので、無理かもしれないと思っていましたが、すんなりと予約を取る事が出来ま
した。妻は何が起きるのか不安そうな顔をしていたので。
「来月から毎日顔を合わす事になる。美鈴は嬉しいか?今のままで耐えられるか?俺はもう嫌だ。
早く忘れてしまいたい。でも、やはりこの事が気になって吹っ切れない。美鈴は辛いだろうが協
力してくれ。美鈴があいつと廻ったコースを辿り、何を見て何をしたのか知りたい。このままで
は、一生嫌な想像をして暮らす事になる。毎日とは言わないが、以前の様に2人でいても、たま
には笑って過ごしたい。こんな事をして吹っ切れるのかどうかも分からないが、このままでは駄
目になる。いずれ別れる事になる様な気がする。協力してくれるな?」
「私はいつ離婚を切り出されるのか、毎日ビクビクしていました。明るく振舞おうと思っても、
明るく振る舞えば、もう私だけあの事を忘れて、反省も止めたと思われないか、不安で出来ませ
んでした。私もこのままだと、いつか離婚を言われそうな気がします。もしあなたが離婚したい
と言えば、私は何も言えません。今聞いた瞬間、私は行きたくない、そんな事は止めて欲しいと
思いました。今でも怖いです。私があなたに隠れて何をしていたのか知られるのが怖いです。私
はあなたの事も忘れて、言えない様な恥ずかしい事をしました。知られれば逆に、もう終わって
しまうかも知れません。でも最後のチャンスだと思って、出来る限りあなたの言う通りにします。
お願いします。」
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