日曜日 朝
私「今日は何か用事があるか?」
妻「別に何もないけど」
私「ならどこか出掛けるか?」
妻「・・・」
私「どうした?嫌なら別にいいぞ」
妻「・・・それじゃ買い物に」
私「わかった買い物に行こうか」
妻「うん、じゃ着替えてくるね」
私「あぁ」
こんな会話も普通の夫婦ならごく全く当たり前の会話なのだろう、しかし私達夫婦がこんな会話したのはいつ以来だろうか?最近まで私は日曜でさえも「仕事」や「付き合い」などと言い訳をして家を出ていた。
いつもは一人で歩いていた街を今日は妻と二人で歩いている、
「こんなに心地いいものなのか」そう思った。
二人で店に入り、二人で選び、二人で買う、こんなごくありふれた行いが今の私には新鮮でとても楽しいものだった。
妻「ここのお店に入ってもいい?」
私「いいよ」
そこの店にはいつも妻が着ている服と似た感じの服が売られていた。妻がよく服を買う店、そんな店すらも私は今日まで知らなかったのだ。
店員「いらっしゃいませ、今日はご主人もご一緒ですか」
妻「はい、そうなんです」
妻「ねぇあなた、この服はどう?」
私「うん、理香によく似合うんじゃないか、試着してみたら」
妻「そうするわ」
妻が試着室に入った
店員「奥様とても嬉しそうですね」
私「えっ、そうですか?」
店員「はい、いつもはお一人でご来店されてましたので」
途端に悲しくなってきた、私は今までなんて馬鹿な事をしてきたんだ、そんな事を考えていると「シャー」と試着室のカーテンが開く音がした。
妻「ねぇどう?似合ってる」
少し照れながら妻が現れた、「綺麗だ」そう思うと同時に声に出た
私「綺麗だ、凄く似合ってるよ」
妻「本当に?・・・じゃこれ買ってもいい?」
私「あぁいいよ」
妻「ありがとう」
妻が笑っているこの笑顔は本物なのだろうか?皮肉なものだこの不倫問題がなければ私は妻のこんな顔も見れなかったのかもしれない。
その後は二人で夕食を食べ帰宅した。
妻「今日は楽しかった、また行こうね」
私「そうだな、また行こう」
「また行こう」この言葉は私の本音だった、この問題が解決した後、私達夫婦がどうなってるのかはわからない、しかし私は確実に妻の事を愛していると確信出来た。
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