投稿者:バーバラ 投稿日:2005/07/21(Thu) 00:33
部屋に入ると、勇次はわたしに座るように言い、コーヒーを作りにいきました。
わたしは部屋を眺めていました。この前、妻と勇次が情交を行っていた部屋です。そのときの光景がありありと蘇ってきて、わたしは苦いおもいをかみ締めました。
勇次が戻ってきて、コーヒーをわたしの前に置きました。わたしはそれに手をつけずに、黙っています。勇次のコーヒーをすする音だけが響いていました。
わたしはおもむろに口を開きました。
「お前のせいでうちは滅茶苦茶になってしまった・・わたしはお前を殺してやりたいよ」
勇次はコーヒーをテーブルに戻しました。そして、またあの癇にさわる薄笑いを浮かべて、
「へぇ」
と言いました。
「奥さんはどうしてるの?」
「お前に関係ない」
「関係なくはないでしょ、っていうか関係したし」
わたしは思わずカッとなって、手を出しそうになりましたが、なんとか自分を抑えました。
「お前はわたしの妻をたぶらかして、わたしの家庭を壊した。この責任は取ってもらうからな」
「裁判にでもかける気? でも浮気は奥さんと合意の上だよ。誘いをかけたのはおれかもしれないけど、無理強いしたわけじゃない。ここへ訪ねてきて、おれとセックスしたのは奥さんの意思でしょ」
怒りでわたしはまた言葉を失ってしまいます。言ってやりたいことは山ほどあるのに、うまく言葉にできないのがもどかしくてたまりません。
「だいたいアンタ、奥さんのこと、ちゃんと分かってるの?
奥さんはずっと欲求不満だったんだよ。本当はおれとのときみたいに、激しいセックスがしたいのに、あんたとじゃベッドでごそごそやるだけで物足りないっていつも言ってたぜ」
「・・・嘘をつくな」
「本当だよ。奥さん、おれとやるときは、いつも失神するまで気をやるんだぜ。何度イっても、すぐにまたシテシテって
せがんでくるのさ。ち*ぽを入れてやると、涙まで流して悦んじゃって、大変なんだぜ」
「・・・・」
「最近じゃ縛られたまま、やるのも好きみたいだな。あんたもやってみたら。奥さん、Mっ気があるから、いじめられると悦ぶぜ。縛ってからバイブで焦らしてやれば、すぐにもうなんでもこっちの言うことを聞く女になるよ。フェラもパイズリも中出しもおもいのままさ」
わたしがなんとか理性を保っていられたのもそこまででした。へらず口をたたく勇次の口へ向けて、わたしはパンチを繰り出しました。が、勇次はそれをかわすと、わたしの顎めがけて強烈な一撃を見舞ったのです。
わたしは仰向けに倒れました。そこへ勇次の蹴りが飛んできます。わたしは身をかがめて防御するだけしか出来ませんでした。
勇次は好き放題にわたしを痛めつけたあと、わたしを部屋の外へ蹴りだしました。
「奥さん取られたからって、逆恨みして殴ってくるんじゃねえよ、糞爺」
扉が閉まる前に、勇次のそんな捨て台詞がはっきりと聞こえました。
わたしは口惜しさと無力感にうち震えながら、しばらくそこにうずくまっていました。
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