投稿者:バーバラ 投稿日:2005/07/22(Fri) 05:35
・・・妻の告白の後、しばらくは一応、平穏な日々が続きました。
妻は一生懸命に、わたしの妻として、また仕事のパートナーとして、娘を持つ母としての務めをまっとうしようとしていました。
そんなある夜、わたしは久々に妻を抱く決意をしました。
わたしが誘うと、妻は、
「うれしい・・・」
そう言って微笑み、パジャマを脱ぎ出しました。
わたしはゆっくりと裸の妻を愛撫しました。妻の秘所はすぐに潤い始めます。
「もう・・・来てください・・・」
妻は切なそうに眉根を寄せ、わたしを求めます。
しかし・・・肝心のわたしのペニスはなかなか勃起しません。妻の膣に挿入しようとするたび、ペニスは勢いをなくしました。やっきになって何度試してみても、縮こまったそれは妻の膣からこぼれてしまうのです。
あのときに見た、勇次のペニスが頭に浮かんでいました。隆々とそびえ立ち、妻をおもうがままに啼かせ、悦ばせていたペニス・・・。
そんなイメージが広がるたび、わたしはますます萎縮していくのでした。
情けないおもいでいっぱいのわたしに、妻は必死な顔で、
「おくちでさせてください」
と言いました。そしてわたしを立たせておいて、妻はその前にひざまずき、ペニスを口に含みました。そのまま、口を窄めて、前後に顔を動かします。唇でしごきながら、口中では舌でわたしの亀頭を嘗め回しています。以前の妻はこのようなフェラチオをしたことがありません。もっとたどたどしく、口に含んでいるだけで精一杯という感じの、いかにも未熟なものでした。
フェラチオの最中、妻はわたしを上目遣いに見つめています。昔は恥ずかしがってかたく瞳を閉じていたものなのに。
ときどき、尻を左右にゆすっていたのは、わたしを少しでも興奮させようとしていたのでしょうか。
妻の様々な行為、それはわたしを悦ばせようとする、懸命な行為だったのでしょう。しかし、同時にそれは妻に刻印された勇次の指紋のようにわたしは感じてしまうのです。明らかに勇次に仕込まされたと分かる、妻の淫婦めいた行為は、わたしを興奮させ、また別のわたしを萎えさせるのです。
さらに妻は、自分の両方の乳房を下から両手で持ち上げました。妻は顔に似合わず、豊かな乳房をしています。いよいよ熱誠こめてフェラチオをしながら、妻はその豊満な乳房を持ち上げ、乳首の突起したそれをわたしの腿に擦りつけるのです。
ことここに至って、わたしのペニスもようやく力を取り戻しました。妻を布団へ押し倒し、挿入します。
不器用に腰を動かすと、それでも妻は悦んでしがみついてきました。
「あんっ、いい、気持ちいいです・・・あっ、そこ・・そこがいいです、ああん」
以前は喘ぎ声を出すのも恥ずかしがって、顔を真っ赤にしながら声を押し殺していた妻が、いまでは手放しによがり、喘いでいます。これも勇次に仕込まれたことなのでしょうか・・・。
わたしの中のある者は、そんなどこか冷めた目で妻の姿を眺めていました。
しばらくして、子供が目を覚ますのではないかと心配になるほど妻は一声高く啼いて、いきました。
はあはあ、というお互いの息遣いが聞こえます。
妻はわたしの胸元にくるまるように身を寄せています。その表情はここしばらく見たことがないほど、幸福そうでした。わたしがじっと見つめていると、妻は薄目を開けて、照れたようにわらい、甘えるようにわたしの乳首をやさしく噛みました。
「気持ちよかったか?」
「すごくよかった・・・」
「そうか・・・」
「あの・・・」
「なんだ」
「・・・明日もしてほしいです」
わたしは腕をまわして、妻の頭を胸に引き寄せました。
そのとき、薄闇の中でわたしの顔は、どうにもならない空虚感と哀切感で、惨めに歪んでいたことでしょう。
無邪気に幸福に浸る妻を抱きしめながら、わたしは妻とわたしの間に引かれてしまった、越えられそうにない溝の存在を強く強く感じていました。
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