投稿者:拓也 投稿日:2003/03/17(Mon) 18:08
泣いていた妻が私の涙を見て、より激しく泣き出しました。
「百合子・・・。もう泣かなくていい。もういいんだ。俺は怒っていない。」
「ごめんなさい。ごめんなさい。」
私はデッキからビデオを取り出すと、妻の誓約書と残りの3本のビデオを取りに行き、
妻の前で誓約書を破り捨て、テープを引っ張り出して切り刻みながら妻に言いました。
「百合子、もう楽になれ。子供達には決して言わないから、自分に正直になれ。加藤
の所に行っていいぞ。子供と別れるのが辛ければ、俺がこの家を出てもいい。・・・
俺も疲れた。」
妻を失くした私の頭には、死と言う言葉が浮かびました。
「違うんです。ごめんなさい。ごめんなさい。・・・私・・・私・・・・。」
「何が違うんだ。もう謝らなくていい。俺はもう怒っていない。」
「違うんです。私は・・私は・・こうするしか無かった・・・。」
『何が違うんだ。こうするしか無かったとは、どう言う事なんだ。』
妻が落ち着くのを黙って待っていると、1時間程激しく泣いた後、ようやく口を開き。
「あなた、許して下さい。どんな事でもします。あなたのいない人生なら、私・・死
にます。」
「百合子・・・・おまえ・・加藤の事が好きなんじゃ・・・。」
「嫌いです。加藤の事を殺したい位怨んでいます。」
激しい言葉と、加藤を始めて呼び捨てにした事で、妻の激しい怒りが分かり。
「どうして今迄、加藤に対する怒りを表に出さなかったんだ。」
「私が加藤に対する憎しみを表に出せば、きっとあなたは、私の為にも加藤を殺して
しまうと思いました。・・・・犯罪者になって欲しく無かった。」
妻の言う通り、間違いなく加藤を殺していたと思います。
「さっき百合子が言った、こうするしか無かったとは、どう言う事なんだ。」
「・・・信じて頂けないかも知れませんが、加藤に抱かれてから毎日死のうと思って
いました。・・・でも死ねなかった。あなたに誤解されたまま、死ぬなんて出来なか
った。・・そのうち自分を守るために、今私を抱いているのは加藤じゃない。あなた
に抱かれているんだと思う事にしました。そうしないと私が壊れてしまいそうで・・。」
「・・・百合子・・・。」
「でも、そんな気持ちも長続きしませんでした。恥ずかしい言葉を言わされ、恥ずか
しい格好をさせられて、自分が惨めで、情けなくて、可哀想で。仕方が無く私の心が
出した答えは、私は犯されてなんかいない、無理矢理されてなんかいない、私も気持
ち良くなりたくて進んでしているんだから、惨めじゃ無いと思う事にしてしまったん
です。・・・それが今見たビデオです。」
『百合子は完全な被害者じゃないか。それなのに俺は何て事を・・・・。』
「どうして早くに話してくれなかったんだ。」
「・・あなたを裏切った事に変わりは有りません。あなた以外の人に抱かれ、最初は
嫌でも色々されている内に感じてしまい、何回も何回もイカされて、失神までして・
・・・私、淫乱なんです。」
「百合子・・・もういい・・何も言うな。」
私は涙を流しながら妻を抱き締め、妻も私にしっかりと抱き付いて泣いていました。
私達は久し振りに2人でベッドに入ると。
「あなた、私は淫乱なんです。」
「もういい。何も言うな。」
「違うんです。私の事を全て知って貰いたくて・・・・。」
「どういう事だ。」
「私は以前から、抱いて欲しい時もあなたに言えずに1人で・・・。それに、あなたに
色んなエッチな事もして欲しかったけれど言えずにいました。」
「だって、俺がしようとすると嫌がったじゃないか。」
「本当はして欲しかった。でもあなたは淫乱な女は嫌いだと言っていたので、嫌われ
ると思って・・・・。」
「・・・・違うんだ。俺が淫乱な女は嫌いだと言っていたのは、百合子が恥じらいを持っ
た女だったから、百合子が好きだと言う意味で・・。本当は俺の前だけでは、もっと淫
らになって欲しかった。」
今迄私達は、セックスに付いて真剣に話し合った事が無かったので、妻は私に嫌われ
無い様に自分の欲求を隠し、私は妻に嫌われない様に、妻が嫌がるとそれ以上しませ
んでした。
御互い、相手に嫌われない様に自分を隠していたのです。
「百合子。今から何でも話せる夫婦になろうな。・・・・悪いけど流石に今はセックス
する気にならないが、気持ちに整理が付いたら沢山してやるからな。・・・ところで、
1人でしていたって言ったが、どうやってしていたんだ。」
「あなたが隠してるエッチなビデオを見ながら・・・指で・・・。他には、あなたがゴルフ
で貰って来たローターを使ったりして・・・・。」
「おい、あれは捨てたと言っていたじゃないか。・・・やっぱり百合子は淫乱だ。」
「イヤー。言わないでー。」
この夜は裸で抱き合って眠りました。
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