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北原夏美 四十路 初裏無修正

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投稿者:美鈴さんに捧げる 投稿日:2005/07/29(Fri) 01:14

妻の気持ちを考えているうちに、また眠ってしまった様です。
妻も泣き疲れたのか、私の横で寝息を立てています。
私はそっと起き出そうとすると妻も眼を覚まし、
「貴方、私・・・」
何か言い出す前に、私がさえぎりました。
「もう何も言わなくて良い。」
それだけ言って浴室に向かいました。シャワーを浴びてリビングに行くと、妻が朝食の用意をしています。
その朝食は、私に踏み込まれなければ、あの男と取る筈だった物でしょう。
「朝飯なら要らないぞ。あの男のおこぼれなんか食えないからな。」
どうしても、意地が悪く成ってしまいます。私の言葉を聞いて、
妻の動きが止りました。
「・・・ごめんなさい。でも、そんなつもりは無いの・・・。」
「そうか。でも要らない。それから、昨日言っておいたマンションの部屋に来た人に電話するから、此処に来て貰おうか?それとも
何処か外で会おうか?」
「いいえ、そんな事は良いです。色々考えたけど、もっと早く私が意地を張らずに貴方と話し合っていれば・・・。もう遅いかもしれないけれど、何も無かったって今は信じたいと思います。」
本当に私の話だけで、信じる事が出来るのでしょうか?
「本当に遅かったな。」
冷たい怒りがそう言わせました。そう言うと、妻は目に大粒の涙が溢れました。
こんなに早く結論を出しても良いのかどうか、私には考える余裕は有りません。
私は昔から怒りを力に変えて生きて来た所が有ります。その後で
反省する事が幾つも有りましたが、今もそうする他に方法を知りません。
暫らくして、佐野から電話が有り、昨日からの事を話そうとも思いましたが話せませんでした。
落ち込んだ声だったのか、佐野は何かを感じた様で、
「そうか。・・・お前達が来ると思って、楽しみにしていたんだけどな。疲れているんじゃしょうが無いな。・・・お前大丈夫か?
何か有ったんじゃ無いのか?」
心配そうな声で問い掛けて来ましたが、「大丈夫だ。心配掛けて
済まなかったな。」そう言って電話を切りました。
横で聞いていた妻は、私に殴られて腫れた顔を、冷やそうともしないで泣いています。
本来なら佐野からの電話は、これからの楽しい時間を予感させる筈のものです。
でも今は、それすらも現実を思い出させる事に成ってしまいます。
私がガックリとソファーに腰を落とすと、妻が堰を切った様に話し出しました。
「もう駄目なの?どうしても駄目なの?・・・私どうしたら良いの?何か許してもらえる方法は無いの?・・・私別れたく無い!
そんな事出来ないわ!」
「お前は、あの男を愛しているんだろう?何故そんな事を言うのか、理解出来ないな。」
「いいえ、私は貴方を・・・・。貴方を疑いさえしなければ、こんな事には・・・。私が馬鹿でした。今更言っても仕様が無いかも
知れないけれど・・・馬鹿でした。」
私が言うのも何ですが、妻は純な女でした。もしも、私が浮気していると信じていれば、可也苦しんだと思います。その気持ちが分からない訳では有りません。でも、私の事を疑って、他の男の言う事を信じてしまったのは、妻の気持ちの何処かに、それを望む隙が有ったのでは無いかと思います。
「ここ何ヶ月か、月に1度会うか、会わないかの夫婦だ。その間、あの男とは何回寝た?僕が何度来て欲しいと言っても、色々理由を付けて来てくれなかった。その理由があの男との事だった。
僕の所に来るよりも、男と逢う方を選んだのだから、お前の言ってる事は信用出来ない。それが当たり前なんじゃないか?
正直お前の言っている意味が、今の僕にはまったく理解出気ないん
だよ。」
私はまた娘の部屋に入り横に成ると、昨日の妻と男の痴態が頭の中に蘇って来て苦しめます。
妻と出会ってこんな事が起こる迄、本当に幸せでした。それまで
小さなトラブルが無かった訳では有りません。でも、お互いの信頼感と夫婦ならではの安心感が有り、乗り切る事が出来ました。
これからは、そうは行かないと思います。だいたい、妻が『許して欲しい』と言ってる事自体、何かその裏に有るのでは無いかと思ってしまいます。今迄、そんなふうに妻を思った事が有りません。
今回も、不信な行動を疑いこそすれ、最後の瞬間迄信じたいと、
思っていました。
そんな自分が悲しく思えて来ます。夫婦の思い出は、愛の形を出会いの時の様な熱い感情では無く、それ以上の深い愛情に変えています。だから、別れは辛いのでしょうが、いや、辛いと言う様な簡単なものではなく、身を引き千切られる様な、全てを無くしてしまう様な激情に駆り立てるのでしょう。
この激情から逃げ出すには、どうであれ、妻を許してしまうか、別れる事しか無いのでしょうか?
それならば、私は別れる方を選ぶ人間だと思います。
そんな生き方で、何度も失敗した事も有ります。自分の欠点だとも思います。でもこの歳まで生きて来て、今すぐに改めろと言われても、そう簡単に出来ない事は、誰よりも自分が良く知っています。
しかし、これからの事に背を向ける事は出来ません。妻と話さなければ成らない事が、まだまだ有ります。
私はリビングに戻りました。妻はソファーに座り、焦点の合わない表情で一点を見詰めています。
「この前電話で言った通り、来月に戻って来る。それ迄にハッキリさせたい。僕は別れ様と思っているけど、お前はどうだ?正直に言って欲しい。」
「・・・私は、別れたく無い。そんな事、考えた事無い。でも、貴方にそう言われても仕方が無いと思います。貴方の思う様にして下さい。」
「分かった。離婚届けにサインして送ってくれ。その後は、お前の人生だから、僕の感知する事では無いけれど、如何するつもりだ?あいつと一緒に成るのか?」
「そんな事は考えていません。貴方に離婚されてもあの人と一緒に成る事は有りません。それと変な事を言っても良いですか?」
「良いよ。思っている事は何でも言えよ。」
「昨日貴方が私達の浮気現場に入って来た時、久振りに貴方の荒々しさを見ました。あの人が粋がって掛かって行った時に簡単にいなしました。。貴方は覚えているかしら?私は昔を思い出したの。
まだ一緒に成る前、二人でデートしている時にチンピラに絡まれた事が有ったでしょう?
覚えていますか?あの時、一瞬にチンピラを叩きのめして私を守ってくれました。
あれから、貴方との色んな事を思い出して胸が熱く成ったの。
理屈じゃ無くて、本当に愛しているのは貴方なんだって・・・・。私・・・・、だから・・・やっぱり貴方と別れたく無い。
やっぱり嫌、どんな事されても良いから、許して欲しい。もう1度チャンスを貰えないですか?貴方お願い!」
そう言って、激しく泣き始めました。
「お前は僕を疑っただけで、浮気をしてしまった。何よりも僕はその現場を見てしまった。それもこの家でだ。もし、反対だったらお前は許せるか?たとえ疑いが有ったとしても確証も無くこんな事をされたら許せるのか?僕は許す事は出来ない。」
「・・・分かっています。分かっているけど・・・・。もう1度
チャンスを下さい。もう1度だけ、お願い!ねえ、お願い!」
気持ちの中に、妻と別れたくは無いと言う葛藤が無い訳では有りません。しかし、男に貫かれている所を見てしまっては、寝取られ
趣味の有る人間は別でしょうが、普通は許す事が出来るでしょうか
私には出来ません。
「あの男に愛情は無いのか?好き放題やっておいて、僕を愛しているからと割り切れるのか?そんなものじゃ無いだろう?
特別な感情も無く抱かれる女ではないだろう?そんな気持ちの
お前とやって行ける程大きな包容力は持ち合わせていないんだよ」
「ごめんなさい。貴方の言う通り、直ぐには気持ちの整理は出来ません。一度愛してると思った人だから・・・・、ごめんない・・。こんな事言わない方が良いと思うけれど・・でも、・・・でも・・
貴方への気持ちは昔と変わりません。」
正直な気持ちなのかも知れませんが、こんな時は、あの男の事は
何とも思っていないと言うのが、一般的な常識じゃ無いのかと思い、何を勝手な事を言ってるのかと私の気持ちにまた強い怒りが沸き起こりました。
「あいつの家庭は、おそらく駄目だろう。そんなに忘れられないなら、一緒に成れば良いだろう。別れてしまえば僕にとやかく言う
権利は無いからな。」
それを許せる程私は寛容では有りませんが、言わないといられませんでした。他の男を愛した妻を許す事は出来ません。そもそも、女がこんなに素直に許しを求められるのでしょうか?男よりも余程
したたかな生き物の筈です。
「もう貴方を裏切りません。もう疑ったりもしません。あの人と一緒に成るなんて事は絶対有りません。」
そも時電話が有りました。妻が出て何やら話していると、私に変わる様に合図をして来ました。
電話を変わると、相手は田中の奥さんで、今日家に来たいとの事でした。私はまだ妻と話さなければ成らない事が有ったので、夕方
来てくれる様に伝えました。
「聞いていたと思うけれど、夕方に来るそうだ。それ迄に僕達の方をはっきりさせよう。今お前の話を聞いていて思ったんだけれど、チャンスを与える事も出来ない訳じゃ無いのかもしれない。
でも僕はお前の顔を見ると、今迄の事を思い出してしまう。その時また言いたくない事も言うだろう。そんな生活はお互いに不幸なだけだと思う。僕だって別れるのは辛いさ。お前を許してこのままでいたい気持ちも有る。だけれど、別れた方が幸せに成れるなら、その方が良いと思う。別れてどんなに辛くても、時間が解決してくれるだろう。その時にお互い、新しい出会いも有るかも知れない。そうなれば、新しい幸せのスタートを切れると思う。」
妻は涙を溢れさせ聞いていましたが、私が言い終わると悲鳴の様な声を出しました。
「嫌!そんなの絶対嫌!」
そう言うとテーブルに泣き伏してしまい、手が付けられません。
今は何を言っても駄目でしょう。
「泣いていったて、何の解決にも成らないぞ。」
私はそう言って、また娘の部屋に戻りました。

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