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北原夏美 四十路 初裏無修正

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投稿者:美鈴さんに捧げる 投稿日:2005/07/31(Sun) 18:36

赴任が終わり帰って来て少し経った頃に、佐野から連絡が有り、下請けの会社で事務員を募集しているが、妻に勤めるつもりが有るのなら紹介するとの事でした。
男からの慰謝料は、毎月きちんと支払われていたので、働かせなくとも別に生活水準を落とす事も無かったのですが、何時まで続けれるのかは分かりません。一応妻はどう思っているのか聞いてみる事
にしました。
“仕事をしても良いのなら、働きたい。”との事だったので佐野に紹介を頼みました。
外に出すとまた何が有るか分かりませんが、家に男を連れ込む女です。仕事をしようがしまいが、
変わりは有りません。勤め出してからも、定時に帰って来て家事をきちんとやっています。
私が不審に思う事も無く、他人から見ると普通の夫婦に見えるでしょう。
あれからある程度時間が経ち、怒りが納まった訳では有りませんが、気持ちは少し落ち着いて
来ています。そう成ると、男がその妻と最後に来た時に、妻が男に視線を送った事が気に成り出し
ました。あれは気持ちに繋がりが有るからだと思っています。それならば、男が離婚でもする事に
成れば、妻はどの様な行動に出るのでしょうか?私と別れたく無いと言っていますが、本心は分か
りません。それなら仕方が無いのですが、一緒に暮らしている以上は気に成ります。
「もうあいつの事は忘れたか?今はどう思っているんだ?」
「何も思っていないわ。でも時々・・・・」
「時々どうした?また逢いたくなるか?」
「ううん、そうじゃ無くて、貴方にずっと拒否されているから・・・・、時々寂しく成るの。」
「そんな時逢いたく成るのか?思い出すことは有るだろうかな。」
短くは無い期間、関係を持った男を、この位の時間で忘れる事など出来ないと思います。
「そんな事は無いけれど、たまには抱いて欲しい。貴方は嫌だろうけど、抱いて欲しい。ねえ、たまにで良いから抱いて。お願い。」
私は抱く気は無かったのですが、知りたい事が有りました。
「僕は何もしないぞ。それで良いなら先に行って用意しておけよ。今日は寝室で良いぞ。」
「それでも良いわ。」
妻はあれ以来、笑顔を見せませんでしたが、その時は嬉しそうにいそいそと2階に上がって行きました。
シャワーを浴びてから寝室に入ると、妻はもうベッド入って待っていました。
「ベッド変えたのか?知らなかったよ。」
「ええ、貴方が嫌だろうと思って。」
ベッドを替えた位で、この寝室の嫌悪感が無くなる程、私の受けたショックは小さなものでは有りません。本当はこの家に居るのでさえ嫌なのです。
「好きな様にやってくれ。」
横に寝ると、妻は身体に舌を這わせて来ました。私の物を口に含むとやはり、前の妻とは違います。
舌を器用に動かし、執拗に攻めて来ます。明かに浮気前のセックスとは違います。男とのセックスで変えられた事は、私にとって屈辱以外の何ものでも有りません。
妻が絶頂を向かえそうに成った時、私は撥ね退けていました。
「お前、男に教わった事をよくも俺に出来るな。今日は、どんなセックスをするのか知りたくて、
お前の誘いに乗っただけだ。大体の事は分かったよ。」
立ち上がって寝室を出て行こうとすると、泣きながら縋り付いて来ましたが、突き飛ばして娘の部屋に入りました。可哀想な気もしましたが、強い怒りの方が勝っています。でも考えてみると、別れ様と思う気持ちが強い筈なのに、怒りを感じるのは、まだ妻の事を愛しているからだとも思ってしまいます。優柔不断な自分が嫌に成って来ます。

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