投稿者:KYO 投稿日:2006/02/26(Sun) 09:13
「紀美子に限ってそんなことは……」
自分が風俗に通っていながらそういう風に考えるのはどうかと思い
ますが、私は紀美子が自分以外の男と関係を持つなどということは
考えたこともありませんでした。その頃私はこの「妻物語」に出入
りしており『本性』、『戦い』、『なぜ』などの名作に興奮させら
れていましたが、それはあくまで自分と妻の間には起こりえない物
語ということで楽しんでいただけなのです。
妻はその地方ではお嬢さんが行くといわれている短大を卒業した後、
大手の地方銀行で窓口業務をしていました。どちらかというとおっ
とりしたタイプの妻はお年寄りの客に受けがよく、成績もそれなり
に良かったようです。その手の仕事には良くある話ですが「息子の
嫁に」といわれた事も一度や二度ではないということでした。
私との見合いしたのが就職後3年目の春、その年の秋には私たちは
結婚していました。
ウェディングドレスに身を包んだ妻は本当に美しく、見合いで結婚
するということに私が感じていた少しばかりの鬱屈を吹き飛ばすほ
どでした。その後新婚旅行で先に述べたようなささやかなトラブル
はありましたが、夫婦生活は円満そのものだと思っていました。
今回の出来事がきっかけで私は現在の妻の生活について振り返って
みました。
2人の息子を中高一貫の私立、しかも同じ学校に行かせていますの
で、教育費の負担は我が家にとって相当なものです。しかしながら
幸い私の収入は人並み以上であり、妻も下の子が手がかからなくな
ってからは、以前勤めていた銀行の本店へパートに出ていますので
なんとか暮らしていけます。
現在のマンションでの生活も10年以上になり、妻の生活圏はマン
ションでの子育て仲間、パート先、学校での付き合いと意外に拡が
っており、会社と自宅を往復するだけの私よりはむしろ交友関係は
広いようです。
妻のことを美人だと、何度も惚気るようなことを書いて気が引ける
のですが、普段の妻は化粧ッ気もほとんどなく、自分の服もあまり
欲しがらず普段着のようなものばかり着ていますので、どちらかと
いえば地味な印象です。顔立ちはバレーボールの菅山かおる選手(年
齢はだいぶ違いますが)の目元をはっきりさせたような感じです。
しかし身長もあり(165センチ)、きちんと化粧をしてそれなり
の格好をして出かけると見栄えがします。40歳を過ぎた妻ですが、
一緒に歩くのが誇らしくなるほどです。
そういうこともあって、私は妻にたびたび新しい服を買ってやろう
かと提案していたのですが、妻は息子の教育費のことが気になるの
か「もったいないから私はいい」と、首を縦に振りませんでした。
しかしここ半年ほどでしょうか、妻と外出するときに、私が見たこ
ともない派手なブラウスやワンピースを着ていることが何度かあり
ました。
「それ、いつ買ったの?」
「この間……バーゲンで安くなっていたからお小遣いで買っちゃっ
た。ごめんなさい」
「いや……よく似合っているよ」
今まで私がこういった服を着て欲しいと思っていたものを妻が自分
で購入し、着てくれていることを単純に喜んでいたのですが、ある
時妻が、こどもが生まれてからは絶対にといってよいほどはかなか
ったミニスカート(といっても、膝が見える程度ですが)をはいて
きたのにはさすがに驚きました。
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