投稿者:MMさん教えて 投稿日:2005/01/30(Sun) 03:38
会社を駄目にしてしまった心労からか、義父はその後体を壊して入院したのですが、
こんなに借金が有っても義父は、院長とも知り合いで見舞いに来る人にも恥ずかし
いと言って、一日八千円の個室に入院しました。
しかし、その部屋でさえ今の義父には贅沢で、支払いも妻に頼っていたにも関わら
ず、見舞いに来た池村が町の名士が入る部屋では無いと言って、やはり知り合いだ
った院長に頼んで、この病院に一部屋しかない一日一万五千円の特別室を空けさせ
たので、義父はこの期に及んでも面子を気にして断れず、その部屋に移ってしまい
ました。
「学資保険を解約してまで入院費を払っていたのだな?どうして普通の病室に移っ
てもらわなかった?」
「ごめんなさい。その時は定期を解約させてもらって支払っていました。最初、入
院は長くても三ヶ月ぐらいだと聞いていたので、父と母に、涙ながらに頼まれると
可哀想で断れませんでした。ごめんなさい。あんなに入院が長引くとは思いません
でした。」
「その時池村から借りたのだな?いくら借りた?」
「病院で会った時に向こうから、返済はいつでもいいので使ってくれと五十万渡さ
れ、苦しかった私は借用書を書いて借りてしまいました。その後も病院で、毎日の
様に見舞いに来ている社長と何回か会ったのですが、その度にお金の話をされ、結
局その後三回50万ずつ借りて、合計二百万借りてしまいました。昨年の今頃、ま
た50万貸してくれ様としたのですが、どんどん借金が膨らんで行く事が流石に怖
くなって、苦しいけれどもう甘える事は出来ないので、父には普通の病室に移って
もらうと言って断るとその時、月二十万出すから仕事に来ないかと誘われました。」
池村はまた良い人を演じて妻を信用させ、少しでも貸しを増やして妻をお金で縛り、
自分の言う事を聞かざるを得ない状況に、追い込もうとしていたのだと思います。
「どうして俺に言わなかった。」
「言えなかったです。その後院長に、普通の病室に移して欲しいと頼みに行くと、
父の体面も有るので、それならば自宅療養でも良いと言われて退院したのですが、
二百万の返済と、パパに知られる前に定期預金を元に戻しておこうと思ってお勤め
に出ました。今ではあの時に正直に話せば良かったと思っていても、その時は言え
なかったです。」
妻を責めていますが、全く気付かなかった私にも責任は有るでしょう。
「お金が欲しくて体まで許したのか?」
「違います。許していません。」
「書斎の奥の部屋で何かされただろ?もう嘘はつくな。」
書斎の奥と聞いただけで妻の顔色が変わり、頭を抱えて狂ったように泣き叫び。
「違います。違います。」
「もう泣くな。その話は後だ。借りているのは全部でいくらだ。」
「一年間返済してきたので約千八百万です。」
「返済してきて千八百万と言う事は、やはりその前の二千万も返せと言われたのか?
お前が本当に借りたのは二百万だろ?」
「その前の私が借りたことになっている、二千万と合わせて二千二百万借りていた
ので、まだ千八百万円残っています。ごめんなさい。」
「二千万は約束通り、池村に売った土地を全て処分させれば良かったんだ。お義父
さんとお義母さんは、狭いがここに住んで貰えばいい。今からでもそうする様に言
ってくる」
「それが駄目なのです。お勤めに出てから一週間ほど経った頃に社長室に呼ばれ、
土地の値下がりが酷くて全て売ったとしても元も取れなくなった。見た目と違い会
社も大変なので、借用書の期限は過ぎているが、今月からで良いので月々五十万返
済しろと言われ、約束が違うと言っても、その様な事は言っていないと言われまし
た。もしも不服なら裁判を起こすと言われ、滞るようなら自分は金貸しが本業では
無いので、少しでも回収出来るように、専門の回収業者に債権を渡すと言われまし
た。給料も二十万だと言っていたのが、思ったよりも仕事が出来ないからと十万し
か貰えず、学資保険などを解約したお金と少し残っていた定期預金、私の給料とあ
なたの給料の一部で補っていましたが、それも続かなくなり、返済する金額を下げ
て欲しいとお願いに行くと、仕事が出来ないのでクビにしたいが、お手伝いとして
働きに来れば、土曜日も来て欲しいので給料も15万に上げてやるし、働きによっ
ては返済も月々二十万でいいと言われ、これならば私のお給料と、あなたのお給料
の一部でどうにかなると思って、社長の家で働く様になりました。」
「分かった、千八百万だな?千八百万で俺達の家庭を壊されて堪るか。」
ただ楽になりたくて妻は承諾したのだと思いますが、行ってみると妻の仕事とは、
あの男の慰み者に成る事だったと想像出来ます。
しかしその事を妻に聞いても、おそらく今は話さないでしょう。
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